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賛否両論の飽和脂肪酸の健康への影響。摂取すべき?止めるべき?
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賛否両論の飽和脂肪酸の健康への影響。摂取すべき?止めるべき?

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・健康への影響が賛否両論の飽和脂肪酸とは?
・飽和脂肪酸が多く含まれている食品例
・飽和脂肪酸が健康に良くないという従来の見方に対する反論
・悪いのは加工食品やジャンクフードから摂取する飽和脂肪酸

 

高炭水化物食よりも高脂肪食の方が健康に好影響を与える可能性があるということは最近アップした記事でもお伝えしました。数ある脂質の中でも肉類や乳製品に豊富に含まれている飽和脂肪酸の健康へのインパクトについて、さまざまな専門家やメディアの間で議論となっています。数十年前から飽和脂肪酸は健康に悪いと言われてきましたが、現在ではこの「常識」は捨てられつつあります。今回は、飽和脂肪酸を避ける必要がない理由についてお伝えしていきます。

 

飽和脂肪酸って?

ヒトの体に欠かせない脂肪酸は、主に動物性脂肪に多く含まれ常温で個体の飽和脂肪酸と、主に植物性脂肪に含まれる常温で液体の不飽和脂肪酸に分けられます。飽和脂肪酸であるバターの脂肪酸構成が飽和脂肪酸 68.6% 不飽和脂肪酸が31.4%といったように、ほとんどの場合、脂肪酸が含まれる食品には両タイプの脂肪酸が一定の比率で含まれています。

 

飽和脂肪酸が多く含まれている食品の例

-食品可食部100g中の飽和脂肪酸量-

食用油
・バター 約50g
・ギー 約 50g 
・ココナッツ油 約 84g
・アボカドオイル(一価不飽和脂肪酸) 12g

肉(脂身付き)
・牛リブロース焼き 約 20g
・豚ロース焼き 約 9g
・豚バラ 約 18g
・ラムロース 約 14g

乳製品
・ホイップクリーム 約 25g
・クリームチーズ 約 20g
・プロセスチーズ 約 16g

加工肉
・ベーコン 約 15g
・ウインナー 約 10g

 

 

これらの他にお菓子や加工食品などにも含まれていますが、加工食品に関しては後程説明します。
 

 

飽和脂肪酸が健康に良くないという従来の見方に対する反論。

日本やアメリカを含めほとんどの国の公的機関では、飽和脂肪酸の摂取を極力抑えるように昔から推奨しています。その理由の1つが、飽和脂肪酸の過剰摂取によってLDL(悪玉コレステロール)の上昇し、これにより心筋梗塞などの心臓疾患のリスクが増大する、というもの。確かに、LDLは、冠状動脈性心臓病のリスクと関連していますが、飽和脂肪酸が増加させるのは粒子が大きく比重が軽いlarge buoyant LDLで、逆に、粒子が細かく比重が重く体内での吸収性が高い超悪玉コレステロールと呼ばれているsmall dense LDLを減少させる働きがあることが分かっています。血中コレステロールの上昇が心臓の健康に悪影響を与えるというそもそもの通説がもう昔の話であり、インターネット等で検索した際に出てくる情報は多くが古い内容。飽和脂肪酸=心臓病ということ自体が最近ではナンセンスな見解と考えられているのです。

【関連記事】「実は食事のコレステロール量を制限する必要はない、って本当?コレステロールの新常識

 

また、肉などの脂肪から摂取した飽和脂肪酸が体重の増加を引き起こすとも言われてきました。いつの日からか肉は太る、というのが合言葉のようになっていますが、肉自体が体重増加を助長するわけではなく、問題となるのは糖質。糖質の摂取過多な食生活を送ると、体は糖質をエネルギーとして使いきれず、そういう状態で摂取した脂質は消費・燃焼されずに体内で蓄積されます。ケトジェニックダイエットのような低糖質高脂質の食事パターンであれば、糖質がエネルギーとして豊富に存在しないため、脂肪がエネルギーに変換され脂肪燃焼されます。実際の研究でも、高炭水化物の食事下での飽和脂肪酸の摂取は、代謝に悪影響を与える可能性が示唆されているので、飽和脂肪酸の摂取が問題というよりは、むしろ炭水化物の方に問題があると考えられています[#]Volk, Brittanie M., Laura J. Kunces, Daniel J. Freidenreich, Brian R. Kupchak, Catherine Saenz, Juan C. Artistizabal, Maria Luz Fernandez, et al. 2014. “Effects of Step-Wise Increases in Dietary Carbohydrate on Circulating Saturated Fatty Acids and Palmitoleic Acid in Adults with Metabolic Syndrome.” PloS One 9 (11). https://doi.org/10.1371/journal.pone.0113605.

飽和脂肪酸を避けるために肉の消費を減らし、炭水化物などでカロリーを補う、あるいは、脂質と炭水化物が両方とも多い食事パターンが体重増加につながります。

また、飽和脂肪酸のココナッツオイルから抽出された中鎖脂肪酸(MCTオイル)の主成分であるカプリル酸とカプリン酸は、代謝を上げて脂肪を燃やし体重を減らす効果も期待できます[#] puddleg. 2017. “What Really Happens to Saturated Fat on a Low Carb Diet?” March 9, 2017. https://profgrant.com/2017/03/10/what-really-happens-to-saturated-fat-on.... 。飽和脂肪酸だけにフォーカスして体重増加を懸念するのは早計であると言えるでしょう。

【関連記事】「ココナッツオイルを越えると話題のMCTオイルの5つの効能とは?

 


 

 

飽和脂肪酸を避ける必要のない理由

飽和脂肪酸の摂取量が多い人と少ない人を比較した研究によると、飽和脂肪酸を多く摂取した人の方が脳卒中のリスクが42%も軽減されることが分かっています。これは牛脂やバターなどの乳脂肪に含まれるヘプタデカン酸の効果によるもの。また、体の細胞膜の50%を構成する飽和脂肪酸は、脳の大きな構成要素なのです。つまり、脳の健康に重要な脂肪分なのです[#]Alberts, Bruce, Alexander Johnson, Julian Lewis, Martin Raff, Keith Roberts, and Peter Walter. 2002. “Molecular Biology of the Cell.” https://www.ncbi.nlm.nih.gov/books/NBK21054/.

また、飽和脂肪酸主体の動物性油脂がうつ病などの精神的疾患の改善を促進する可能性も示唆されています[#]Leaper, Paleo. 2015. “The Importance of Fat for Mental Health.” January 21, 2015. https://paleoleap.com/importance-fat-mental-health/.

また、料理に使用する調理油を選ぶ際に気にすべきはそれぞれの油の酸化のしやすさですが、飽和脂肪酸は、不飽和脂肪酸よりもはるかに酸化に強いため、調理に適しています。酸化した油による体の炎症などのリスクが低くなります。とは言っても、揚げ物を筆頭とした高温調理は、例え飽和脂肪酸を使用したとしても、さまざまな健康リスクが伴う可能性があるので、なるべく低温・中温で調理し、揚げ物は避けることをおススメします。
 

 

悪いのは加工食品やジャンクフードから摂取する飽和脂肪酸。

もちろん飽和脂肪酸が健康に有意に働くからといって、摂取過多やその質を気にせずやみくもに摂取すれば良いというわけではありません。特に、注意すべきは飽和脂肪酸が含まれているハンバーガーやカップラーメンなどのジャンクフードやベーコン、ソーセージなどの加工肉。アメリカ人が食事から摂取している飽和脂肪酸のうち15%がケーキ、クッキー、キャンディーなどのお菓子に加え、15%がハンバーガーやフライドポテト、ピザなどのジャンクフード[#]“Types of Fat.” 2014. June 9, 2014. https://www.hsph.harvard.edu/nutritionsource/what-should-you-eat/fats-an....  [#] Drzewicka, M., H. Grajeta, and J. Kleczkowski. 2012. “[The Fat Content and Fatty Acids Composition in Selected Products of the Convenience Food].” Roczniki Panstwowego Zakladu Higieny 63 (2). https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/22928368/. 。こういった加工食品や加工肉には、さまざまな種類の食品添加物が含まれているのはもちろん、心臓やその他の健康にも悪影響を与えるトランス脂肪酸が含まれていることもあります[#]Ganguly, R., and G. N. Pierce. 2012. “Trans Fat Involvement in Cardiovascular Disease.” Molecular Nutrition & Food Research 56 (7). https://doi.org/10.1002/mnfr.201100700.

 

-食品可食部100g中の飽和脂肪酸量

・ビスケット 約12g
・ミルクチョコレート 約20g
・キャラメル 約 7g
・カップラーメン中華麺 約 8.4 g
・ピザ 約 4.5 g
 

 

まとめ~賛否両論の飽和脂肪酸の健康への影響~
昔から悪者にされる傾向にあった飽和脂肪酸ですが、避けるべきはジャンクフードや加工食品などに含まれている飽和脂肪酸。肉や乳製品などに含まれている良質な飽和脂肪酸は控える必要はありません。また、ココナッツオイルのような植物性の飽和脂肪酸からも多くの恩恵を得ることが期待できます。大切なのは飽和脂肪酸の質。以前の記事でもお伝えしたように、高脂肪低炭水化物の食事パターンは健康に様々な好影響を与えるので、参考にしてみてください。決して、飽和脂肪酸を極端に多く摂取することを推奨しているわけではありません。一般的に言われている飽和脂肪酸の健康への悪影響やマイナス面を気にして避けるのではなく、良質な飽和脂肪酸も食事に取り入れ脂肪をしっかりと摂取するのがおススメなのです。あと、飽和脂肪酸であっても揚げ物などの高温調理食は避けることを忘れずに!

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