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実は食事のコレステロール量を制限する必要はない、って本当?コレステロールの新常識
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実は食事のコレステロール量を制限する必要はない、って本当?コレステロールの新常識

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・高コレステロール食→血中コレステロール上昇→心臓病、という考え方は捨てよう
・健康に悪影響を与えるのは悪玉コレステロール(LDL)だが、すべての種類のLDLが悪いわけではない
・善玉コレステロールは高コレステロールによる病気のリスクを下げる
・飽和脂肪酸を食べすぎると悪玉コレステロールが増えるというのが従来の定説だが、必ずしもそうとは言えない
・心臓病などの原因である血中の悪玉コレステロールの「small dense LDL」とは?これを減らすには?

 

卵の黄身や乳製品、甲殻類、肉の脂肪分などは高コレステロール食品として、心臓病や脳卒中の元凶とされ、長い間、過剰な摂取は避けるべきだといわれてきました。しかし、近年、「高コレステロール食は血中コレステロール値に影響しない」ということが世界中の数々の研究で明らかになってきています。食事とコレステロールの関係や、コレステロールの身体への作用に関する知識など、健康な身体を作るためのコレステロールの新常識をご紹介します。

 

食事で摂るコレステロールがそのまま血中コレステロール値に反映するわけではない

「卵や乳製品は高コレステロールだから食べ過ぎないように」と注意されたことはありませんか?コレステロールの多い食事は血中コレステロールを上昇させて健康に悪影響を与えると長年考えられてきました。しかし、血中総コレステロールからみた食品由来のコレステロールは少なく、ほとんどが主に肝臓で血中コレステロール値が一定に保たれるように合成されています[#]1. Virtanen JK, Mursu J, Virtanen HE, Fogelholm M, Salonen JT, Koskinen TT, Tuomainen TP. Associations of egg and cholesterol intakes with carotid intima-media thickness and risk of incident coronary artery disease according to apolipoprotein E phenotype in men: the Kuopio Ischaemic Heart Disease Risk Factor Study, 2. The American Journal of Clinical Nutrition. 2016; 103(3): 895-901. 。つまり、健康な人であれば高コレステロール食は血中コレステロール値にはほとんど影響せず、その意味で食品に含まれるコレステロールは気にしなくてもよいという衝撃の研究結果が次々と報告されています。

イースタン・フィンランド大学が1,032人の男性を対象として21年にわたり調査を行ったところ、コレステロールの影響が大きいとされている冠動脈性心疾患などの心臓血管病と食事のコレステロールは関連性が認められないという結論に達しました[#]2. Eckel RH, Jakicic JM, Ard JD, de Jesus JM, Miller NH, Hubbard VS, Nonas CA. American college of cardiology/American heart association task force on practice guidelines. 2013 AHA/ACC guideline on lifestyle management to reduce cardiovascular risk: a report of the American college of cardiology/American heart association task force on practice guidelines. Circulation. 2014; 129(25 Supplement 2): S76-S99. 。他の機関による研究でも同様の結果が出ています[#]3. Nordic Council of Ministers. Nordic nutrition recommendations 2012 [Internet]. [cited 30th Aug 2015]. Available: http://dx.doi.org/10.6027/Nord2014-002.  [#]4. Scientific Report of the 2015 Dietary Guidelines Advisory Committee. Advisory Report to the Secretaries of the U.S. Department of Health and Human Services and the U.S. Department of Agriculture [Internet]. [cited 30th Aug 2015]. Available: http://www.health.gov/dietaryguidelines/2015-scientific-report/.  [#]5. British Heart Foundation. Reducing your blood cholesterol [Internet]. [cited 30th Aug 2015]. Available: https://www.bhf.org.uk/publications/heart-conditions/reducing-your-blood....  [#]6. Harvard Health Blog. Panel suggests that dietary guidelines stop warning about cholesterol in food [Internet]. [cited 5th Dec 2018]. Available: https://www.health.harvard.edu/blog/panel-suggests-stop-warning-about-ch...  [#]7. Stamler J, Wentworth D, Neaton JD. Is relationship between serum cholesterol and risk of premature death from coronary heart disease continuous and graded?: findings in 356 222 primary screenees of the multiple risk factor intervention trial (MRFIT). The Journal of the American Medical Association. 1986; 256(20): 2823-2828. 。従来の常識を覆したこの結論ですが、みんなコレステロール食を減らしているはずなのに血中コレステロールに起因する病気がここ数十年増える一方であるとの現実と合致した結論といえるでしょう。

コレステロール食は、心臓病や脳卒中などの心臓血管系疾患のリスクを高める大きな要因と従来考えられていたために、とかく悪者扱いされがちです。しかし、コレステロール自体は細胞膜などの生命の根幹にかかわる組織の成分であり、性ホルモンなどの各種ホルモンや胆汁酸の材料でもあり、人間が生きていくためにはなくてはならない物質です[#]8. Griffin BA, Freeman DJ, Tait GW, Thomson J, Caslake MJ, Packard CJ, Shepherd J. Role of plasma triglyceride in the regulation of plasma low density lipoprotein (LDL) subfractions: relative contribution of small, dense LDL to coronary heart disease risk. Atherosclerosis. 1994; 106(2), 241-253. 。そのため、体内では生命に必要なコレステロールが毎日せっせと生成されています。

一方、血中に悪玉コレステロールが増えれば脂肪質のプラークが蓄積しやすくなり、循環器系の病のリスクを高める原因になってしまいます[#]9. Rifkind BM. The lipid research clinics coronary primary prevention trial results. I. Reduction in incidence of coronary heart disease. The Journal of the American Medical Association. 1984; 251: 351-364. 。そのため、健康のために注意しなければならないのは、この血中の悪玉コレステロールの原因とその除去なのです。

 

悪玉コレステロールの正体は?

健康管理の焦点となるのはコレステロールと結びついて血中を巡回するリポタンパク質で、これには低比重リポタンパク質(LDL)と高比重リポタンパク質(HDL)の2種類があります。

アテローム性動脈硬化や動脈内プラークの一因となるLDLは悪玉コレステロールと呼ばれますが、LDLにも色々な種類があり、なかでもsmall dense LDLといわれる粒子の細かく比重の高いLDLは心臓病のリスクを高めるといわれているものの、large buoyant LDLといわれる粒子が大きく比重の小さいLDLだとこうした悪影響は見られない、など、単純にLDLの値だけで循環系リスクの正確な判断はできません[#]10. Packard C, Caslake M, Shepherd J. The role of small, dense low density lipoprotein (LDL): a new look. International journal of cardiology. 2000; 74: S17-S22. 。なお、一般的な血液検査で測るLDL値はこの両方の種類のLDLの合計値であり、悪いLDLとそうでないLDLの区別をしていないため、実は指標として大きな欠陥があると言えます。

一方、HDLは善玉コレステロールと呼ばれ、血中にある過剰なコレステロールを肝臓に戻して分解したり、体外に排出したりする役割を担うほか、動脈内のプラークを減少させて心臓病のリスクを軽減してくれます[#]11. Fernandez ML. Rethinking dietary cholesterol. Current Opinion in Clinical Nutrition & Metabolic Care. 2012; 15(2): 117-121.  [#]12. Jones PJ, Pappu AS, Hatcher L, Li ZC, Illingworth DR, Connor WE. Dietary cholesterol feeding suppresses human cholesterol synthesis measured by deuterium incorporation and urinary mevalonic acid levels. Arteriosclerosis, thrombosis, and vascular biology. 1996; 16(10): 1222-1228.

食事の中のコレステロール量が血中コレステロールに基本的に影響しない大きな理由として考えられているのは、人間の身体が自然にコレステロールの管理システムを備えているから[#]13. Berger S, Raman G, Vishwanathan R, Jacques PF, Johnson EJ. Dietary cholesterol and cardiovascular disease: a systematic review and meta-analysis–3. The American journal of clinical nutrition. 2015; 102(2): 276-294. 。人間の体内ではコレステロール量が厳しく管理されており、高コレステロールの食事を摂ると体内で作るコレステロール量が減少し、逆に食事からのコレステロール量が少ないと体内でより多くのコレステロールを作り出すのです[#]14. McNamara DJ. Dietary cholesterol and the optimal diet for reducing risk of atherosclerosis. The Canadian journal of cardiology. 1995; 11: 123G-126G. 。つまり、高コレステロールの食事をとっても血中コレステロールの値には影響を与えず、心臓病のリスクとも関連性は薄いといえるでしょう[#]15. Djoussé L, Gaziano JM. Dietary cholesterol and coronary artery disease: a systematic review. Current atherosclerosis reports. 2009; 11(6): 418.

なお、コレステロールに過敏な体質の人は高コレステロール食の後に一時的なコレステロール値の上昇が見られますが、LDLとともにHDLの量も増える場合が多く、そのために健康への影響はほとんど見られないとのこと[#]16. Weggemans RM, Zock PL, Ordovas JM, Ramos‐Galluzzi J, Katan MB. Genetic polymorphisms and lipid response to dietary changes in humans. European journal of clinical investigation. 2001; 31(11): 950-957.  [#]17. P2Namara DJ. Cholesterol intake and plasma cholesterol: an update. Journal of the American College of Nutrition. 1997; 16(6): 530-534. 。また、低糖質ダイエットに切り替えると、総コレステロール値が上昇することがよくありますが、これもHDLとLDL双方の上昇が起きると考えられています[#]18. Cleveland Clinic. Why You Should No Longer Worry About Cholesterol in Food [Internet]. [cited 5th Dec 2018]. Available: https://health-clevelandclinic-org.cdn.ampproject.org/v/s/health.clevela... 。ただし、糖尿病など食事が影響する疾病を持つ人は、高コレステロール食は要注意。また、脂質の代謝は個人差が大きいのが特徴[#]McNamara DJ E al. Heterogeneity of cholesterol homeostasis in man. Response to changes in dietary fat quality and cholesterol quantity. - PubMed - NCBI [Internet]. [cited 23 Dec 2018]. Available: https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/3584466/  [#]Knopp RH E al. Effects of insulin resistance and obesity on lipoproteins and sensitivity to egg feeding. - PubMed - NCBI [Internet]. [cited 23 Dec 2018]. Available: https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/12816878/ 。医師の指示に従った食事を心がけるようにしてください。

 

 

これまで悪者扱いされてきた飽和脂肪酸と血中コレステロールの関係は?

飽和脂肪酸は、コレステロールと同様に、長い間、健康の敵とされてきました。コレステロールを多く含む食べ物が心臓疾患とほぼ関係ないとわかり、飽和脂肪酸のリスクに注目が集まっていますが、実はこの飽和脂肪酸を取り除くことが心臓病のリスクの軽減にはならないという結果が近年の研究で明らかになりつつあります[#]Praagman J E al. The association between dietary saturated fatty acids and ischemic heart disease depends on the type and source of fatty acid in the European Prosp... - PubMed - NCBI [Internet]. [cited 23 Dec 2018]. Available: https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26791181/

飽和脂肪酸の摂取量と健康への影響を調べた研究では、飽和脂肪酸の摂取量が多い人と少ない人を比較しても健康面で特に大きな影響はなく、むしろ飽和脂肪酸が多く含まれる食品であるバターなどの乳脂肪を毎日食べることでヘプタデカン酸が多くなり脳卒中の危険性が42%も低くなるという興味深い結果が得られました[#]de Oliveira Otto MC, Lemaitre RN, Song X, King IB, Siscovick DS, Mozaffarian D. Serial measures of circulating biomarkers of dairy fat and total and cause-specific mortality in older adults: the Cardiovascular Health Study. Am J Clin Nutr. Oxford University Press; 2018;108: 476–484. 。飽和脂肪酸を摂取すると血中コレステロール値は上昇しますが、これだけで飽和脂肪酸を悪者扱いするのは早計のようです。

Small dense LDLは冠状動脈性心臓病のリスクと関連していますが、飽和脂肪酸の摂取はこのsmall dense LDLを減少させ、より粒子の大きなlarge buoyant LDLの増加がみられるため、飽和脂肪酸が必ずしも心臓病のリスクを上げる原因とは限らないのです[#]DiNicolantonio JJ, O’Keefe JH. Effects of dietary fats on blood lipids: a review of direct comparison trials. Open Heart. Archives of Disease in childhood; 2018;5: e000871. 。血中のLDLコレステロールが高くなれば健康に悪いと断定しがちですが、LDLの内容によっては問題のないケースもあり、血中コレステロール値だけでは単純に善悪が判断できないのが実情のようです。LDLコレステロール値レベルが良好であっても、心臓病のリスクが下がらない人もいるようです[#]McNamara DJ. Dietary cholesterol, heart disease risk and cognitive dissonance. - PubMed - NCBI [Internet]. [cited 23 Dec 2018]. Available: https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24406106

心臓疾患は、メタボリックシンドロームや炎症、喫煙、高血圧、肥満、ストレスや遺伝などもリスク要因と考えられており、飽和脂肪酸やコレステロールとの関連性については今後のさらなる研究報告を待つ必要がありそうです[#]Canto JG, Kiefe CI, Rogers WJ, Peterson ED, Frederick PD, French WJ, et al. Number of Coronary Heart Disease Risk Factors and Mortality in Patients With First Myocardial Infarction. JAMA. NIH Public Access; 2011;306: 2120.  [#]McNamara DJ. Dietary cholesterol, heart disease risk and cognitive dissonance. - PubMed - NCBI [Internet]. [cited 23 Dec 2018]. Available: https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24406106

 

悪玉コレステロール値を下げるには?

長年、避けるべき食べ物とされてきた高コレステロール食品には卵の黄身、バターなど、最新の健康科学の観点からはむしろ健康に良いと考えられている食材も多数含まれています。先にご紹介した通り、食事のコレステロールは血中コレステロール値に影響を与えませんので、病気による食事制限や特別な体質が関与していない限りは過度に制限する必要はないのです[#]McNamara DJ. Dietary cholesterol, heart disease risk and cognitive dissonance. - PubMed - NCBI [Internet]. [cited 23 Dec 2018]. Available: https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24406106

悪玉コレステロールのsmall dense LDLを減らすには、ケトン食療法のような高脂質で低糖質の食事が近年の研究で血清脂質値の改善を示しています。炭水化物などの糖質を減らすことで血中コレステロール値が抑制されられるだけでなく、善玉のHDLを増やして中性脂肪のトリグリセライドを減らし、さらにはsmall dense LDL のサイズを大きくしてその害を減らす働きもあります[#]Westman EC E al. Effect of a low-carbohydrate, ketogenic diet program compared to a low-fat diet on fasting lipoprotein subclasses. - PubMed - NCBI [Internet]. [cited 23 Dec 2018]. Available: https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/16297472

また、コレステロールを体内で作る内因性コレステロール合成の鍵となるのはHMG-CoA還元酵素といわれ、インシュリンにより活性化することがわかっています[#]Veech RL. Thematic Review Series: Calorie Restriction and Ketogenic Diets: Ketone ester effects on metabolism and transcription. J Lipid Res. American Society for Biochemistry and Molecular Biology; 2014;55: 2004. 。つまり糖質をとることで体内でのコレステロール合成を促進してしまうのです[#]Ma Y, Chiriboga DE, Olendzki BC, Li W, Leung K, Hafner AR, et al. Association between Carbohydrate Intake and Serum Lipids. J Am Coll Nutr. NIH Public Access; 2006;25: 155.

悪玉コレステロールを減らすには、炭水化物や糖質などを減らし、良質の脂質を摂取することをお勧めします。また、脂質といっても揚げ物やマーガリンやショートニングなどの硬化油などは避け、EPA・DHAなどのオメガ3やココナッツオイルなどに含まれるMCTオイル、オリーブオイルやアボカドなどの一価不飽和脂肪などの良質のオイルを選ぶようにしましょう[#]DiNicolantonio JJ, O’Keefe JH. Effects of dietary fats on blood lipids: a review of direct comparison trials. Open Heart. Archives of Disease in childhood; 2018;5: e000871.  [#]Liu Y E al. A good response to oil with medium- and long-chain fatty acids in body fat and blood lipid profiles of male hypertriglyceridemic subjects. - PubMed - NCBI [Internet]. [cited 23 Dec 2018]. Available: https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/19786383

 

 

長い間、信じられていた「高コレステロール食は心臓に悪い」という古い常識は捨てましょう。最新の科学によれば、循環系の健康のために自然な飽和脂肪酸や良質な脂肪分は特に控える必要はなく、むしろ控えるべきは過剰な糖質摂取と揚げ物やマーガリンに代表される低質な脂質。でも、長年この古い誤った常識を信じてきた多くの医療関係者はこの事実を受け入れることに抵抗があるようで、最新の学術研究に目をつぶろうとしています。最新の科学を駆使して健康スパイラルを上昇させたいgeefeeユーザーの皆様は、栄養たっぷりの自然な高コレステロール食の恵みを受けながら、正しい血中コレステロール対処法を身に付けましょう。

 

 

 

 


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