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本当に効果あるの?磁気を使った健康効果を検証。
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本当に効果あるの?磁気を使った健康効果を検証。

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・磁気が健康に良いと言われ始めた理由とは?
・研究結果による磁気の健康効果
・効果が期待できないチタン製の代替治療アイテム
 

 

我が国には、昔から体に良いとされている日本特有の健康法があります。これらの健康法の一部は実際に効果がありそうなものもありますが、多くは欧米では相手にされていないようないわゆる「ガラパゴス」的な健康法だと言えます。以前の記事[関連記事:日本のガラパゴス的な健康神話に挑戦するサイトをgeefee的切り口でレビュー!「疑似科学とされるものの科学性評定サイト」]でもこういったガラパゴス健康情報の分析をしました。先日の青汁に関する記事もガラパゴス健康情報とも言えるでしょう[関連記事:青汁なんて本当は飲まないほうがよい?]。健康効果の真偽は、研究結果による科学的根拠を基に検証される必要があります。また、最新の科学的検証によって海外ではすでに否定されているような健康法もいまだに日本では信じられていたりします。今回は、ネックレスやブレスレットや貼り付けシール等で代替治療として今でも一般家庭で使用されている磁気を使った健康法にフォーカスをしていきます。

 

そもそもなぜ磁気が健康に良いと言われだしたのか?

磁気の健康効果は、今から500年位前のルネサンス期に、磁気が持つエネルギーが病気や感染症を防ぐということが信じられたことから始まったと言われています。その後、医学の進歩に伴い1800年代には磁気の健康効果はないとされましたが、磁性と生体のシステムを研究したいたカナダ人の博士Albert Roy Davis(アルバートロイデイビス)により1970年代後半に、磁気エネルギーは悪性の細胞を殺し、関節炎の痛みを和らげるという主張と共に本を出版したことから磁気の健康効果の実用化が加熱されたと言われています。
 

 

磁気療法で謳われている効果は?

磁気ブレスレットを販売しているサイトなどによると、磁石が皮膚に接触することで電子が移動し、体内の電流の乱れを整え、関節の痛み、疲労や肩こりや睡眠の改善、血液循環の促進などの多くの健康効果が謳われています。日本でも大衆的に使用されている肩こり改善の磁気入り代替治療品などがありますが、果たしてこの磁気の効果は科学的に見てどうなのでしょうか?
 

 

磁気の健康効果の研究結果は?

2007年の磁石療法を使用した臨床試験では、磁気ブレスレットは変形性関節症、関節リウマチ、または線維筋痛症によって引き起こされる痛みの治療には効果的ではないと結論付けられています[#]Pittler MH, Brown EM, Ernst E. (2007) Static magnets for reducing pain: systematic review and meta-analysis of randomized trials. CMAJ 2007;177(7):736—42. 。また、2013年の別の研究でも鎮痛効果と抗炎症効果に有意性がないということが示されています[#]Richmond, Stewart J., Shalmini Gunadasa, Martin Bland, and Hugh MacPherson. 2013. “Copper Bracelets and Magnetic Wrist Straps for Rheumatoid Arthritis – Analgesic and Anti-Inflammatory Effects: A Randomised Double-Blind Placebo Controlled Crossover Trial.” PloS One 8 (9): e71529.

アメリカにある補完的健康アプローチの研究を行う政府機関であるNCCIH(国立補完統合衛生センター)でも、電磁石は変形性膝関節症の改善に役立つ可能性はあるが、日常の機能を改善するのに十分な鎮痛効果は不明とし、あらゆる種類の痛みに対する静的な磁石の使用についてサポートしていないと明言しています。

また、肩こりを改善することができる磁気パッチも、効果を示す決定的な研究はまだないのが現状です[#]Kanai, Shigeyuki, Hideyuki Okano, Machiko Orita, and A. B. E. Hiroko. 1996. “Clinical Study of Neck and Shoulder Pain for Therapeutic Effectiveness with Application of Static Magnetic Field.” Journal of Japan Society of Pain Clinicians 3 (4): 393–99.

よって、大多数の研究結果によると残念ながら磁気の健康効果があるとは言えない、というのが実態です。

 

チタンのネックレスやブレスレットの効果はどうなの?

1980年頃から日本で爆発的に人気に火が付いたチタン製のネックレスやブレスレット。アメリカでも多くの有名なプロ野球選手が着用し話題となったりたりと代替治療アイテムとして人気の商品の1つです。このチタンの健康効果は意見が分かれています。チタンをナノレベルで水溶化したアクアチタンに磁気が配置されたチタンブレスレットの販売元であるファイテンのウェブサイトではその有意性が主張されていますが、ニューヨーク大学関節疾患専門病院のスポーツ医学部長であるオーリンシャーマン博士は、「体の化学構造が磁性の影響を受けることは決してあり得ません。」と述べています。また、サッカー選手とホッケー選手を被験者にした研究では[#]Wadsworth, Daniel P., Alan Walmsley, and David S. Rowlands. 2010. “Aquatitan Garments Extend Joint Range of Motion without Effect on Run Performance.” Medicine & Science in Sports & Exercise 42 (12): 2273. 、アクアチタンの有効性は低く、更なる研究が必要であるということが示されています。

 

磁気の製品のほとんどがプラセボ効果?

強い磁気のブレスレットと弱い磁気のブレスレットを着用した被験者の間で統計的に有意な差が見られなかったことから、実際に磁気の代替治療品を使用して効果を実感している人は、身体的な改善よりもプラセボ効果による心理的な改善である可能性が指摘されています。磁気による痛みの軽減の科学的根拠はほとんどないため、使用する価値があるかどうかは疑問です。とは言え、プラセボ効果でもいいから改善を実感したい、という人であればまあ使っても良いのかも?
 

 

磁気を使った健康法について~まとめ~
磁石を使った健康法は、ピップエレキバンといった製品を日本のメーカーが大々的に宣伝していたこともあり、特に日本で存在感がありますが、欧米ではほぼ無視されているガラパゴス健康法の一つ。ペースメーカーやインスリンポンプを使用している人以外は、静的磁石を着用することに危険性はないと言われているので、使用すること自体に問題はなさそうですが、プラセボ効果以外の効果が期待できない磁気を使った製品に出費をするよりはもっと効率的な買い物の仕方が山ほどあるのも事実。例えば、多くの慢性的な健康上の悩みは、磁気などに頼らず根本的な食事や睡眠などを見直すことで劇的に改善できるケースが多いのです。【関連カテゴリー:健康
 

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