コーヒー豆に含まれる抗酸化物質が健康効果をもたらすだけではなく、味わいや香りでわたしたちに心を落ち着く時間を与えてくれる魔法のような飲み物であるコーヒー。科学的にもさまざまな健康効果が明かされています。しかし、毎日のように飲むコーヒーの全てが良いコーヒーというわけではありません。間違ったコーヒー選びは、健康を害し日々のパフォーマンスを低下させる可能性もあるので注意が必要です。特に、多くのコーヒー豆に含まれている可能性のあるカビの二次代謝産物として産生される毒「マイコトキシン(Mycotoxin)」は、めまい、下痢
食べ過ぎたら摂取すべき?ダイエット効果は?消化酵素サプリメントの疑問を解消。
geefee ポイント
・アミラーゼ、プロテアーゼ、リパーゼなどそれぞれ特色の異なる消化酵素
・体重の減少を促進するわけではなく消化・吸収を促進する消化酵素サプリメント
・消化酵素サプリメントの適切な摂取タイミングとは?
私たちの消化吸収に不可欠な消化酵素。腔内(唾液)をはじめ、胃や膵臓、小腸など消化器官から分泌され、栄養を血中に取り込めるように食べたものを分解する働きを持ちます。消化酵素が不足すると下痢や便秘、エネルギー不足をはじめ、IBS(過敏性腸症候群)やSIBO(小腸内細菌異常増殖症)の原因になるとも言われています。その改善策の1つが消化酵素自体をサプリの形で摂る方法。消化吸収を助ける他、さまざまな健康効果があると言われていますが、どれくらいの頻度で、どのような種類のものを摂取すべきか不明な点も多々あります。今回は、消化酵素サプリメントにフォーカスしていきます。
消化酵素とその種類
食物の消化を経て栄養素を体に取り入れるために必要な消化酵素ですが、その主なものとして
・アミラーゼ:炭水化物をブドウ糖のような単糖に分解
・プロテアーゼ:タンパク質をアミノ酸に分解
・リパーゼ:脂肪を脂肪酸とグリセロールに分解
の3つの種類が膵臓で分泌されています。よって、例えば、アミラーゼの分泌が低下すると、炭水化物からのブドウ糖の消化吸収が損なわれエネルギー不足を引き起こしたり、プロテアーゼの分泌が低下すると、タンパク質の消化吸収が損なわれ体が炎症反応を起こすなどの体調不良の原因になる可能性があります[#]“Top 10 Benefits Of Digestive Enzymes.” 2020. February 4, 2020. https://infinitabiotech.com/blog/benefits-of-digestive-enzymes/. 。特に、消化酵素は加齢に伴い減少する傾向に。消化器の問題の原因はさまざまで複雑ですが、今まで問題なく食べれていたのに、胃もたれなどの消化不良症状を伴う人は、消化酵素の分泌が減少していることが原因である可能性の1つとして考えられます。
体重の減少を促進するわけではない消化酵素サプリメント
消化酵素サプリメント販売会社のキャッチコピーに減量効果が謳われていることがあります。そのため、日本では消化酵素サプリメントが減量を促進するというイメージが助長されていますが、消化・吸収を促進するのが消化酵素です。食べ過ぎた食事の消化不良の改善や不足気味の消化酵素を補充する効果が期待できるので、食事からの栄養素の吸収を促進することでむしろ体重増加の原因になる方向性と言えるでしょう[#]“Website.” n.d. https://infinitabiotech.com/bloghttps://www.mcgill.ca/oss/article/health.... 。例えば、脂肪分の多い食事をした際に脂肪を分解する酵素リパーゼのサプリメントを摂取すると脂肪の吸収が促進されます。栄養素である脂肪が吸収されれば、その分体重に加算されるといった単純な話です。食べ過ぎた際の不快な膨満感を軽減することはあっても、体重が減少するわけではないのです。消化酵素サプリメントが減量を促進するといったことを発信しているサイトなどはすぐに鵜呑みにしないように注意しましょう。
消化酵素サプリメントの摂取タイミングとは?
気になるのが摂取タイミングや期間。上記で述べたようなダイエット効果を促すサプリメント販売サイトなどでは、常に消化酵素サプリメントを摂取することが薦められていますが、勘違いされがちなのがその摂取タイミング。朝に消化酵素サプリメントを摂取することで1日の消化・吸収が促進されるというわけではなく、空腹の状態で摂取しても無意味であると言われています。摂取後の酵素の作用は約45分~60分[#]“Enzymes.” n.d. Accessed December 27, 2021. https://prod-test.cff.org/Life-With-CF/Daily-Life/Fitness-and-Nutrition/.... 。食事と一緒か直前にサプリメントを摂取するのが適切です。例えば、忘年会やお正月の帰省で食べ過ぎてしまった時って、タンパク質も脂質も糖質も満遍なく食べていることがほとんどではないでしょうか?多くの消化酵素サプリメントには、プロテアーゼ、リパーゼ、アミラーゼが混合されて入っていますので、食べ過ぎてしまうことが予想できる食事の直前に、商品に記載されている推奨量を摂取するようにしましょう。
人によっては特定の消化酵素が慢性的に不足している場合も。次のセクションでみていきます。
特定の消化酵素の分泌が不足していることも。
体内で生成される消化酵素は年齢によって減少するため[#]Merrell, Woodson, and Scd (hc). 2016. “The Aging Digestive System: Maintaining Gut Health as You Age.” October 18, 2016. https://www.agingcare.com/articles/the-aging-digestive-system-maintainin.... 、特定の消化酵素が足りていないことで、消化や吸収の不良を起こしているケースも。例えば、乳糖をグルコースとガラクトースに分解する消化酵素のラクターゼ(乳糖分解酵素)の活性が低下している場合、乳製品などの摂取後に下痢などの症状を引き起こす可能性がありますが、この場合、サプリメントなどを摂取することで症状が緩和されると言われています。乳糖を摂取するたびにサプリメントを摂取し続けなければならない上に、基本的な体内の消化酵素分泌レベルが促進されるわけではないので、一時的な解決策にしかなりませんが、それでも一部の人には大いに試すかちがあるかもしれません。
・α-ガラクトシダーゼ:豆、野菜、穀物の複雑な炭水化物を分解
・フィターゼ:穀物、ナッツ、マメ科植物のフィチン酸の消化をサポート
・セルラーゼ:植物繊維の一種であるセルロースをベータグルコースに変換
なども同様です。こういった特定の酵素を補充することで、これらの食品の不耐性によって引き起こされている可能性のあるIBS(過敏性腸症候群)などの消化器系の症状が緩和される可能性があります。
IBS(過敏性腸症候群)と消化酵素
慢性の下痢や便秘などが症状であるIBS(過敏性腸症候群)(LINK)。はっきりとした原因が分からない疾患であるため、処方された薬ではなかなか治らないことも。高ヒスタミン食やグルテン、カフェインなどのIBSの症状を悪化させる食品を避けることやストレスホルモンであるコルチゾールを減少させることで改善される可能性もありますが、ある研究では、リパーゼ、プロテアーゼ、アミラーゼの混合サプリメントを食事の前に服用することで症状が軽減されたことも報告されています[#] Money, Mary E., Jaroslaw Walkowiak, Chris Virgilio, and Nicholas J. Talley. 2011. “Pilot Study: A Randomised, Double Blind, Placebo Controlled Trial of Pancrealipase for the Treatment of Postprandial Irritable Bowel Syndrome-Diarrhoea.” Frontline Gastroenterology 2 (1): 48–56. 。
また、上記で述べたピスタチオ、グリーンピース、黒豆、豆乳などを分解する酵素であるα-ガラクトシダーゼのような特定の酵素が不足していることでIBSの症状を悪化させている可能性も指摘されています[#] Varney, Jane. 2021. “Digestive Enzymes and IBS.” Monash Fodmap. April 28, 2021. http://www.monashfodmap.com/blog/digestive-enzymes-and-ibs/. 。ラクターゼも同様です。こういった特定の酵素を補うことで症状の軽減が期待できますが、IBSなどの疾患はなかなか原因が特定できないのも事実。消化酵素の欠如も1つの原因かもしれませんので視野に入れて経過を観察していくのが良いでしょう。
まとめ~食べ過ぎたら摂取すべき?ダイエット効果は?消化酵素サプリメントの疑問を解消。~
基本的には、食べ過ぎてしまった際に、消化酵素が食物を消化吸収しきれない場合や、そもそもの特定の消化酵素の分泌が低下しているような人が適切な消化酵素のサプリメントを摂取すると効果が期待できそうです。特に、後者の場合、IBSやSIBOをはじめ乳糖不耐性などを患っている場合があるので、治療目的でサプリメントの摂取を検討している人は必ず医師と相談するようにしましょう。
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