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日本では先進諸国では珍しく規制されてない。でも絶対避けたい身近なトランス脂肪酸食品。
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日本では先進諸国では珍しく規制されてない。でも絶対避けたい身近なトランス脂肪酸食品。

geefee ポイント geefee ポイント

・トランス脂肪酸は天然と人工の2種類
・健康リスクを懸念すべき人工トランス脂肪酸
・特に加工食品は注意
・記義務がない日本のトランス脂肪酸食品

 

みなさんが毎日摂取している脂質の多くは、「トリアシルグリセロール」と呼ばれる単純脂質で、このグリセロールに脂肪酸が結合したものが油脂となります。この脂肪酸が油脂の性質に大きく影響を与え、いわゆる良い油、悪い油を生み出します[関連記事:種類さまざま!「脂質」についておさらいしよう!]。その悪い油脂の代表格でもあるのがトランス脂肪酸。この悪名高いトランス脂肪酸は、意外にも身近な食品に多く含まれているのをご存じでしたか?
 

 

天然と人工の2種類あるトランス脂肪酸とは?

不飽和脂肪酸の一種であるトランス脂肪酸は、牛、羊、山羊などの反芻(はんすう)動物から精製される天然由来と、工業プロセスにより液体植物油に水素を加えて固体にすることで精製される人工由来の2種類あります。農林水産省では、これらの2種類のトランス脂肪酸が健康にどのように影響を及ぼすかは十分な科学的根拠がないとしていますが、反芻動物由来のトランス脂肪酸はCLA(共益リノール酸)という栄養素で体に与える影響人工由来のものとは全く違います [関連記事:サプリメントではなく食事から。CLA(共役リノール酸)に期待できる健康効果とは?]。CLAはさまざま健康効果が期待できますが、人工由来のトランス脂肪酸はどうなのでしょうか?

 

健康リスクが懸念されるのは人工由来のトランス脂肪酸

油脂を加工・精製する際に、常温の液体の油脂を半固体、個体にする過程で行われる水素添加(硬化処理)や、魚油などの匂いや不純物を取り除く際に高温で油脂を加熱すること等で生成されるトランス脂肪酸[#]“食品に含まれるトランス脂肪酸の由来.” n.d. Accessed October 19, 2020. https://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/trans_fat/t_kihon/trans_katei.html. 。主に加工食品の生産過程で生成されます。この人工由来のトランス脂肪酸は、血液中のLDLコレステロール(悪玉コレステロール)を増やし、HDLコレステロール(善玉コレステロール)を減らし、心臓病[#]Sun, Q., J. Ma, H. Campos, S. E. Hankinson, J. E. Manson, M. J. Stampfer, K. M. Rexrode, W. C. Willett, and F. B. Hu. 2007. “A Prospective Study of Trans Fatty Acids in Erythrocytes and Risk of Coronary Heart Disease.” Circulation 115 (14). https://doi.org/10.1161/CIRCULATIONAHA.106.679985.  [#]Oomen, C. M., M. C. Ocké, E. J. Feskens, M. A. van Erp-Baart, F. J. Kok, and D. Kromhout. 2001. “Association between Trans Fatty Acid Intake and 10-Year Risk of Coronary Heart Disease in the Zutphen Elderly Study: A Prospective Population-Based Study.” Lancet 357 (9258). https://doi.org/10.1016/s0140-6736(00)04166-0. の危険因子になる可能性が多くの研究で示されています。また、天然、人工に関わらず高トランス脂肪酸食は糖尿病の危険因子になる可能性も示唆されています[#]Hu, F. B., J. E. Manson, M. J. Stampfer, G. Colditz, S. Liu, C. G. Solomon, and W. C. Willett. 2001. “Diet, Lifestyle, and the Risk of Type 2 Diabetes Mellitus in Women.” The New England Journal of Medicine 345 (11). https://doi.org/10.1056/NEJMoa010492.

これらの研究結果の背景として、被験者が脂質を多く摂取する欧米人であることが指摘されていますが、アメリカ人の平均のPFC(たんぱく質・脂・炭水化物)摂取比率において脂質は約40%で、日本人の30%と10%しか差がありません。上記にも示したように天然由来と人工由来のトランス脂肪酸は全然別物であるのに同じトランス脂肪酸として括られています。脂質の摂取量がやや低いからといって、人工由来のトランス脂肪酸を含む食事に偏ると上記のような健康リスクが伴う可能性もあります。要は、脂の質。いかに体に悪影響を与える可能性のある人工のトランス脂肪酸のような脂質を避けるかです。

 

特に加工食品に多く含まれているトランス脂肪酸

では、どのような食品にトランス脂肪酸が含まれているのでしょうか?[#]個別食品における含有量(g/100g)農林水産省(平成19年度)  [#]「食品に含まれるトランス脂肪酸の 評価基礎資料調査報告書」 内閣府食品安全委員会 平成 18 年度食品安全確保総合調査

食材100g中のトランス脂肪酸量

ショートニング 13.6g
マーガリン  8.1g
パイ  4.8g
クリーム(乳製品)  3.0g
クッキー  1.9g
バター  1.9g
ビスケット類  1.8g
コーン系スナック菓子  1.7g
植物性食用油  1.3g
マヨネーズ  1.2g
スポンジケーキ  0.9g

 

上記を見ると分かるように、上位のほとんどが加工食品。こういった食品の摂取は特に避けることをおススメします。

 

 

特に注意したいのが調理油。マーガリンは比較的トランス脂肪酸の含有量が高い油として知られていますが、水素化された植物性油のキャノーラオイルやコーン油は[#]Song, Juhee, Joohyeok Park, Jinyeong Jung, Chankyu Lee, Seo Yeoung Gim, Hyejung Ka, Bora Yi, Mi-Ja Kim, Cho-Il Kim, and Jaehwan Lee. 2015. “Analysis of Trans Fat in Edible Oils with Cooking Process.” Toxicological Research 31 (3): 307. 、2g/100gと比較的多め。調理時に酸化のリスクもあるので、できるだけオリーブオイルやココナッツオイルのような酸化しにくい油を使用しましょう。レストランなどで使用されている油もこういったトランス脂肪酸が含まれている可能性があることも忘れずに。

 

 

トランス脂肪酸の表記義務がない日本の食品

世界保健機関(WHO)ではトランス脂肪酸の1日当たりの平均摂取量を1日の総エネルギー摂取量の1%未満とするように勧告しています[#]“[「トランス脂肪酸の情報開示に関する調査事業」報告書の公表 ].” n.d. Accessed October 19, 2020. https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/health_promotion/tra.... 。日本人の摂取量は総エネルギー摂取量の0.3%とWHOが定める基準値の1%未満であるため、通常の食生活では健康への影響は小さいと考えられる、とされています。よって、日本では、トランス脂肪酸の食品への自主的な情報開示の取り組みは行っているものの、表記義務はありません。

 

しかし、他国ではどうでしょう?

 

1日の総摂取エネルギーに対するトランス脂肪酸からのエネルギー摂取比率が[#]“トランス脂肪酸に関する各国・地域の取組:農林水産省.” n.d. Accessed October 19, 2020. https://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/trans_fat/overseas/overseas.html.

韓国 0.064%
中国 0.16%

と日本よりも摂取量が低いにも関わらず、韓国や中国は、食品中のトランス脂肪酸濃度の表示を義務付けています。

なお、アメリカでも加工食品中のトランス脂肪酸の含有量の表示が義務づけられていますが、食材1食分あたり0.5g未満の場合、含有量を0gと記載できるため少々曖昧な定義です。ニューヨーク州やカリフォルニア州なではレストラン等でも使用が規制されています[#]“ニューヨーク市/カリフォルニア州.” n.d. Accessed October 19, 2020. https://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/trans_fat/overseas/new_york.html.

 

まとめ~絶対避けたい身近なトランス脂肪酸食品。~
多くの先進諸国でその使用が規制されており、心臓病や糖尿病のリスクが懸念されている人工のトランス脂肪酸。マーガリンや菓子類の加工食品を避けるようにすることで極力体に取り入れないように心がけましょう。

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