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健康的な食材を使っても料理の仕方次第では逆効果。高温調理を避けるべき理由。
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健康的な食材を使っても料理の仕方次第では逆効果。高温調理を避けるべき理由。

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・アクリルアミド、複素環(式)アミン、ホルムアルデヒドなど高温調理で多数発生する有害物質
・注意すべき酸化に弱い調理油からも生成される有害物質意
・トランス脂肪酸を生成する不飽和脂肪酸の調理油
・茹でる、蒸す、煮込むを中心とした低温調理法を積極的に実践

 

健康的な食生活を送るために、良質な食材を使って料理をすることを心がけている人も多いかと思いますが、使う食材と同じくらい健康にとって重要なのが調理法。せっかくしっかりと栄養素が含まれた献立を考えても、炒め物や揚げ物などの高温の調理法でどうしても発生してしまう有害物質によって逆効果になることも。毎日の食事だからこそ、できるだけ体に悪影響を与える食事は避けたいですよね。今回は、高温調理が体に与える悪影響をまとめてみました。

 

高温調理された食材により生成される有害物質

高温調理と言えば、揚げ物、炒め物や炙り調理、グリル、オーブン料理などが主流ですが、これらの調理温度は大体160℃から200℃以上。食材中の特定の成分が加熱されたことで起こる化学反応によって以下のような有害物質が生成されてしまいます。

 

炭水化物やタンパク質から生成されるアクリルアミド

120℃以上の加熱調理により、アミノ酸(タンパク質の構成要素)の一種であるアスパラギンと果糖、ブドウ糖などの還元糖(炭水化物)がメイラード反応という化学反応を起こし、化学物質のアクリルアミドが生成されます[#]“食品中のアクリルアミドができる仕組み.” n.d. Accessed May 10, 2021. https://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/acryl_amide/a_syosai/about/sikum.... 。このアクリルアミドは、IARC(国際ガン研究機関)によって、「ヒトに対しておそらく発ガン性がある物質」と分類されている有害物質。神経毒性や遺伝毒性も指摘されています[#]“[食品安全].” n.d. Accessed May 10, 2021. https://www.fsc.go.jp/sonota/kikansi/43gou/43gou.pdf. 。高温調理された野菜、ポテトチップスやクッキー、フライドポテトなどの市販の加工食品をはじめ、インスタントコーヒーやほうじ茶など高温で焙煎した食品などに含まれている可能性があるので、余程意識的に避けない限り、ほとんどの高温加熱された食品から私たちは毎日このアクリルアミドを摂取しているといっても過言ではないでしょう。

 

アミノ酸(タンパク質)やクレアチンから生成される複素環(式)アミン

肉や魚などを高温調理することでアミノ酸とクレアチンが反応し生成される複素環(式)アミン(ヘテロサイクリックアミン)は、IARC(国際ガン研究機関)で発ガン性が指摘されている有害物質です[#]食品中に含まれるヘテロサイクリックアミンの安全性評価情報に関する調査https://www.fsc.go.jp/fsciis/survey/show/cho20100030001 。焦げた肉や魚にこの複素環(式)アミンが含まれています。日ごろ焦げを気にしないで食べている人は、発ガン性物質を習慣的に摂取しているということになるのです。

 

 

煙で燻す燻製に含まれるPAHs(多環芳香族炭化水素類)やホルムアルデヒド

以前の記事でもお伝えした燻製料理も、高温の燃焼物から発生した煙により、PAHs(多環芳香族炭化水素類)やホルムアルデヒドなどの発ガン性物質を含んでいます。これらの有害物質はタバコの煙にも含まれ、健康に気を付けて喫煙を避けている人も、実は食事で喫煙と同じ有害物質を摂取している、ということになってしまいます[#]“[食品に含まれる多環芳香族炭化水素の ファクトシートご紹介].” n.d. Accessed May 10, 2021. https://www.fsc.go.jp/sonota/kikansi/32gou/32gou_5.pdf.

 

脂肪酸から生成されるCOPs(コレステロール酸化物)

主に肉や魚などの動物由来の脂質が加熱されると生成されるCOPs(コレステロール酸化物)は、アテローム性動脈硬化症や冠状動脈性心臓病のリスクと関連していると言われています[#]Addis PB. Occurrence of lipid oxidation products in foods. Food Chem Toxicol. 1986;24:1021–30. doi: 10.1016/0278-6915(86)90283-8. 。細胞毒性、変異原性、発ガン性などのリスクが上がる可能性も[#]Ryan E, Chopra J, McCarthy F, Maguire AR, O’Brien NM. Qualitative and quantitative comparison of the cytotoxic and apoptotic potential of phytosterol oxidation products with their corresponding cholesterol oxidation products. Brit J Nutr. 2005;94:443–51. doi: 10.1079/BJN20051500. 。特に肉や魚などにも一部含まれる不飽和脂肪酸がコレストロールの熱酸化を早めます[#] Min, Joong-Seok, Sang-Ok Lee, Muhammad Issa Khan, Dong Gyun Yim, Kuk-Hwan Seol, Mooha Lee, and Cheorun Jo. 2015. “Monitoring the Formation of Cholesterol Oxidation Products in Model Systems Using Response Surface Methodology.” Lipids in Health and Disease 14. https://doi.org/10.1186/s12944-015-0074-6. 。また、植物油などの不飽和脂肪酸の調理油を使って調理した肉と、調理油無しで調理した肉の比較実験では、不飽和脂肪酸の調理油を使用した場合の方からより多くのCOPsが検出された結果もあります[#]Al-Saghir, S., K. Thurner, K. H. Wagner, G. Frisch, W. Luf, E. Razzazi-Fazeli, and I. Elmadfa. 2004. “Effects of Different Cooking Procedures on Lipid Quality and Cholesterol Oxidation of Farmed Salmon Fish (Salmo Salar).” Journal of Agricultural and Food Chemistry 52 (16). https://doi.org/10.1021/jf0495946.

肉をはじめ魚などを高温調理する際に使用する不飽和脂肪酸の調理油も健康リスクの1つとなりえるので注意しましょう。

 

 

また、このCOPsの植物性版とも言われているのがPOP(植物ステロール酸化生成物)。すべての植物由来の食品に存在する化合物のフィトケミカルの1種である植物ステロールが熱酸化したもの[#]Scholz, B., S. Guth, K. H. Engel, and P. Steinberg. 2015. “Phytosterol Oxidation Products in Enriched Foods: Occurrence, Exposure, and Biological Effects.” Molecular Nutrition & Food Research 59 (7). https://doi.org/10.1002/mnfr.201400922. 。フライドポテトや高温加工されたお菓子や加工食品などさまざまな食品に含まれています。体の炎症やアテローム性動脈硬化症、心血管疾患などとの関連も指摘されています[#]“Plant Sterols from Foods in Inflammation and Risk of Cardiovascular Disease: A Real Threat?” 2014. Food and Chemical Toxicology: An International Journal Published for the British Industrial Biological Research Association 69 (July): 140–49.

 

高温による酸化に弱い油

食材に含まれる油の酸化も健康にとって大きな問題です。特に酸化に弱いのが多価不飽和脂肪酸。多価不飽和脂肪酸由来の過酸化物質が熱で分解され、加熱調理に特有のあの香ばしい匂いの原因であるアルデビドや4-HNE(アルデヒド4-ヒドロキシノネナール)などの細胞毒性の強い有害物質が生成されます[#]“加熱した食用油に生じる有害アルデヒド4-Hydroxy-2E-nonenalおよび類縁化合物4-Hydroxy-2E-Hexenalの定量分析法.” n.d. Accessed May 10, 2021. https://www.naro.go.jp/project/results/laboratory/nfri/2011/180c0_10_01..... 。これらの有害物質は、アテローム性動脈硬化症、糖尿病、ガンなどの疾患とのリスクにも関連していると言われています[#]“Vegetable Oils – Potential Health Risk from Aldehydes.” 2020. March 8, 2020. https://agrolab.com/en/news/food-news/2567-vegetable-oils-potential-heal.... 。高温処理された油は、急速にこれらの有害物質を生成しピーク後の数値は横ばい[#]“加熱した食用油に生じる有害アルデヒド4-Hydroxy-2E-nonenalおよび類縁化合物4-Hydroxy-2E-Hexenalの定量分析法.” n.d. Accessed May 10, 2021. https://www.naro.go.jp/project/results/laboratory/nfri/2011/180c0_10_01..... 。古い油を使い続けるたびに高濃度の有害化学物質を摂取することになります。多価不飽和脂肪酸の中でも大豆油はこれらの有害化学物質をより多く生成するというデータも[#]“[食 用 油 脂 の熱 酸 化].” n.d. Accessed May 10, 2021. https://www.jstage.jst.go.jp/article/nskkk1962/34/11/34_11_771/_pdf.  [#] “Do Cooking Oils Present a Health Risk?” n.d. Accessed May 10, 2021. https://www.ift.org/news-and-publications/food-technology-magazine/issue.... 。また、その逆で一価不飽和脂肪酸のオリーブオイルや飽和脂肪酸のバターやラードはそれらの発生は少ないというデータもあります。しかし、過酸化物質やCOPsなど、ほとんどの油脂で高温で何らかの有害物質が多かれ少なかれ発生してしまうと言えるのです。

 

また、油が酸化するのは調理の際だけではありません。熱の他に空気や光などでも時間が経てば酸化をするので、保管時には光を通しにくいガラス瓶の保存容器でしっかりと密閉し暗い場所での保管をおススメします。
 

 

トランス脂肪酸を生成する不飽和脂肪酸の調理油

マーガリンなどに含まれるトランス脂肪酸は心臓病の危険因子になることは良く知られていますが、揚げ物に使用された油に含まれる不飽和脂肪酸が高温加熱によってトランス脂肪酸を発生させる可能性が指摘されています[#]“食品に含まれるトランス脂肪酸の由来.” n.d. Accessed May 10, 2021. https://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/trans_fat/t_kihon/trans_katei.html.  [#]Song, Juhee, Joohyeok Park, Jinyeong Jung, Chankyu Lee, Seo Yeoung Gim, Hyejung Ka, Bora Yi, Mi-Ja Kim, Cho-Il Kim, and Jaehwan Lee. 2015. “Analysis of Trans Fat in Edible Oils with Cooking Process.” Toxicological Research 31 (3): 307.

【関連記事】「日本では先進諸国では珍しく規制されてない。でも絶対避けたい身近なトランス脂肪酸食品。

【関連記事】「おさらいしよう。ほとんどの植物油が健康的ではない理由。

 

茹でる、蒸す、煮込むを中心とした低温調理法を。

サクサクとした食感の揚げ物や香ばしい焦げ料理を食べたくなる気持ちは分かりますが、どのような素材を使用したとしても、結局のところ高温調理をしてしまうと有害物質がどうしても発生してしまうということが分かったと思います。食材によっては生で食べるのも1つのアイデアですが、生野菜は反栄養素が気になるところ。多少時間がかかっても茹でるや蒸すなどの低温調理であれば、高温調理によって発生する有害物質を回避しながら反栄養素の含有量を減らして美味しくいただくことができます。低温調理の温度の目安はだいたい60度前後。結構手間がかかりますが、最近では火力設定、時間設定などができる高性能のスロークッカーが多種販売されているので、上手に料理に取り入れてみましょう。外食数回分と思えば安い物です。また、高温調理よりも栄養素の熱による消失を回避できるのも低温調理のうれしい利点の1つです[#]Rosser, Kristie. 2017. “Cooking Food at Lower Temperature.” March 27, 2017. https://www.kristierosser.com/cooking-food-lower-temperature/.

 


 

 

中毒性が高い揚げ物

私たちが食べている食品は、脳とも深い関りがあります。中枢神経系に存在する神経伝達物質のドーパミンは、私たちに幸福感や意欲などを与えてくれる「幸せホルモン」と呼ばれていますが、脳が美味しいと感じた時にもこのドーパミンが分泌されます。しかし、このドーパミンはドラッグやギャンブルなどのように依存症を引き起こす可能性もあります。ピザやフライドポテト、ポテトチップなどの揚げ物がドーパミンを誘発する食品であると指摘する専門家がいます[#]“Food Addiction: How Do You Combat Those Cravings?” 2018. November 26, 2018. https://askthescientists.com/food-addiction/. 。また、これらの揚げ物を食べると自然とビールやコーラのような甘い飲料水を飲みたくなりますよね。逆に、低温調理に慣れてくると、自然と高温調理に興味を失います。これは砂糖への渇望も同じですが、1度断つことで食べ物への執着を取り除くことができるのです。

【関連記事】「揚げ物がタバコと同じくらい健康に悪いと言われる理由

 


 

 

まとめ~健康的な食材を使っても料理の仕方次第では逆効果。高温調理を避けるべき理由。~
1つの食材を高温で調理するだけで、場合によっては複数の有害物質を発生させてしまうことになります。シンプルな低温調理にシフトチェンジすることで、健康に悪い揚げ物などへの執着心がなくなります。高温調理はタバコを吸っているのと同じくらい健康に悪い、ということを意識して、せっかくの良質な食材を台無しにしないように料理を楽しんでくださいね。
 

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