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揚げ物がタバコと同じくらい健康に悪いと言われる理由

揚げ物がタバコと同じくらい健康に悪いと言われる理由

geefee ポイント geefee ポイント

・美味しいけど健康に悪い成分がたくさん
・フライドポテト等で使用される悪い油はタバコ同様不健康

 

揚げ物はカロリーが高いイメージや、漠然と健康に良くないイメージは、皆さんもお持ちかと思います。でも、その弊害を掘り下げると想像以上に恐ろしいことがどんどん明らかになります。geefee point character コメント ! 個人的には、普通の日本人の食事について、健康の観点から最も良いインパクトのあるアドバイスを挙げるとすれば、揚げ物を控えること、だと感じています。グルテンとか重金属とかカビ毒とか注意すべきポイントは色々ありますが、これらの効果が1とすれば揚げ物を控えることによる効果は10!それくらい重要なポイントと感じています。 

健康的な食事法とされているマクロビでは揚げ物について許容していることもあり、食事に気を付けている人でも揚げ物が盲点になっていることが多いのです。初回のgeefeeチャレンジが「揚げ物を控える」というテーマだったのは、揚げ物の健康への弊害が大きい割には日本においてそのことが比較的軽視されているから。

それでは、具体的になぜ揚げ物が健康に悪いのかをご説明します。
 

油は酸化によって劣化する

油脂は、光や酸素、加熱等で分解し劣化します。常温でも油の劣化は時間とともに進みますが、高温調理する揚げ物は特に油の劣化が速いのです。一般的に揚げ物で使われているのは植物由来の食用油です[#]Stott-Miller M, Neuhouser ML, Stanford JL. Consumption of deep-fried foods and risk of prostate cancera,b. Prostate. NIH Public Access; 2013;73: 960. 。植物由来と聞いたらヘルシーなイメージがあるかもしれませんが、実は植物由来の油(サラダ油、コーン油、ごま油など)の方が分子構造上、不飽和脂肪酸を多く含み、酸化しやすいのです。
劣化した油は栄養価が落ちるだけでなく、人体に有害な物質が生成されます[#]奥和之, 茶園博人, 福田恵温, 栗本雅司. 不飽和脂肪酸の加熱分解に及ぼすトレハロースの影響. 日本食品科学工学会誌 : Nippon shokuhin kagaku kogaku kaishi = Journal of the Japanese Society for Food Science and Technology. Japanese Society for Food Science and Technology; 1999;46: 749–753. 。腸から循環器に吸収される酸化した油は、循環器をはじめ、肝臓、腎臓、肺、そして腸などのあらゆる器官にダメージを与える炎症反応を活性化させる有害な化学物質として作用し、心臓病やがんなどの疾患になるリスクが生じます[#]Kanner J. Dietary advanced lipid oxidation endproducts are risk factors to human health. - PubMed - NCBI [Internet]. [cited 2 May 2018]. Available: https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/17854006

 

発がん性物質が生成される

ヘテロサイクリックアミン、アクロレインなどの毒性アルデヒド、多環芳香族炭化水素(PAH)、アクリルアミド (炭水化物を揚げる際にできる物質)、などなど……タバコにも含まれるようなさまざまな発がん性物質が酸化により生成されます[#]Stott-Miller M, Neuhouser ML, Stanford JL. Consumption of deep-fried foods and risk of prostate cancera,b. Prostate. NIH Public Access; 2013;73: 960.

 

ビタミン、アミノ酸、脂肪酸などの劣化

食品中のビタミンや必須アミノ酸、脂肪酸は高温で揚げることによって劣化してしまいます[#]Choe E, Min DB. Chemistry of deep-fat frying oils. - PubMed - NCBI [Internet]. [cited 26 Apr 2018]. Available: https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/17995742 。野菜からビタミン、肉から必須アミノ酸などを摂取しようとしても、揚げてしまっては本来摂れる量が摂れなくなってしまいます。
また、オメガ3脂肪酸などの必須脂肪酸は壊れ、有害なコレステロール酸化物(COPs)が生成されます[#]Ferreira FS E al. Impact of Air Frying on Cholesterol and Fatty Acids Oxidation in Sardines: Protective Effects of Aromatic Herbs. - PubMed - NCBI [Internet]. [cited 26 Apr 2018]. Available: https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/29125626 。COPsは動脈細胞への損傷を及ぼし、動脈硬化症および冠状動脈性心疾患に直接関連していることが分かっています。さらに、健康の維持のために必要なコレステロールの生成を阻害し、変異原性および発がん性も示すと考えられます[#]Min J-S, Lee S-O, Khan MI, Yim DG, Seol K-H, Lee M, et al. Monitoring the formation of cholesterol oxidation products in model systems using response surface methodology. Lipids Health Dis. BioMed Central; 2015;14. doi:10.1186/s12944-015-0074-6 。

 

トランス脂肪酸の増加

トランス脂肪酸は、血液中の悪玉コレステロールを増加させ、善玉コレステロールを減らすことが報告されています。トランス脂肪酸を日常的に多く摂取している人は、トランス脂肪酸を避けている人と比べて心臓病のリスクが高まります。
植物油を精製する工程で、高温で処理することがありますが、これによりトランス脂肪酸が増えます。アメリカなどでは、トランス脂肪酸を含む部分水素添加油脂の食品への添加が禁止されていますが、日本ではまだ、トランス脂肪酸の使用規制がないため、揚げ物で使われている油は多くの場合、トランス脂肪酸が含まれています[#]すぐにわかるトランス脂肪酸:農林水産省 [Internet]. [cited 26 Apr 2018]. Available: http://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/trans_fat/t_wakaru/#3 。そのため、食品中のトランス脂肪酸が増え、当然摂取量も増えます。

 

AGEs(エイジス)=終末糖化産物の発生

AGEsとは、タンパク質と糖が加熱されてできる物質のことで、強い炎症作用を持ち、身体への酸化ストレスを促すため、老化を進める原因とも言われています[#]Stott-Miller M, Neuhouser ML, Stanford JL. Consumption of deep-fried foods and risk of prostate cancera,b. Prostate. NIH Public Access; 2013;73: 960. 。さらに、AGEsの蓄積は、白内障の発症[#]Franke S E al. Increased levels of advanced glycation end products in human cataractous lenses. - PubMed - NCBI [Internet]. [cited 26 Apr 2018]. Available: https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/12781289 、心筋梗塞[#]Hegab Z, Gibbons S, Neyses L, Mamas MA. Role of advanced glycation end products in cardiovascular disease. World J Cardiol. Baishideng Publishing Group Inc; 2012;4: 90. 、そして骨粗しょう症[#]Vashishth D. Advanced Glycation End-products and Bone Fractures. IBMS boneKEy. NIH Public Access; 2009;6: 268. などにも関わっているという報告もあります。

【関連記事】「香ばしく焼けたホットケーキが老化の元!?AGEs(高度糖化最終産物)について知るべきこと

 

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揚げ物を食べ続けると健康にどんな影響が出る?

さて、ここまでは食品中に起こる変化について紹介しましたが、揚げ物を食べ続けることによって健康にどのような影響を与えるかを簡単に見てみましょう。

  • 血中悪玉コレステロールが増加し、動脈硬化の原因の一つとされている血中ホモシスチン値も上がり、心血管疾患の因子となる[#]Ng CY E al. Heated vegetable oils and cardiovascular disease risk factors. - PubMed - NCBI [Internet]. [cited 26 Apr 2018]. Available: https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24632108
  • 2型糖尿病のリスクが上がる[#]Cahill LE, Pan A, Chiuve SE, Sun Q, Willett WC, Hu FB, et al. Fried-food consumption and risk of type 2 diabetes and coronary artery disease: a prospective study in 2 cohorts of US women and men. Am J Clin Nutr. American Society for Nutrition; 2014;100: 667.
  • 腸内環境の悪化につながる[#]Zhou Z, Wang Y, Jiang Y, Diao Y, Strappe P, Prenzler P, et al. Deep-fried oil consumption in rats impairs glycerolipid metabolism, gut histology and microbiota structure. Lipids Health Dis. BioMed Central; 2016;15. doi:10.1186/s12944-016-0252-1

 

油脂の劣化度合いや酸化の進み具合については、日本でも食品衛生法上で規制値が定められているものの、実際にはスーパーなどで売られている揚げ物やレストランで使用されている揚げ物用の油に、この規制値を超えるものも報告されています[#]Totani N, Ohno C, Yamaguchi A. Is the frying oil in deep-fried foods safe? [Internet]. 2006. Available: https://www.jstage.jst.go.jp/article/jos/55/9/55_9_449/_pdf/-char/en

たとえ規制値を超えていなくても、揚げ物には基本的に上記のような健康に悪い要素が存在するのです。揚げ物などを含む悪い食生活は、タバコと並んで寿命に大きく影響を与える要因になると考えられています。ある研究では、タバコを吸わない人でも揚げ物の摂取によって肺腺がんになるリスクが増加することが示されました[#]Butler LM, Montague JA, Koh W-P, Wang R, Yu MC, Yuan J-M. Fried meat intake is a risk factor for lung adenocarcinoma in a prospective cohort of Chinese men and women in Singapore. Carcinogenesis. Oxford University Press; 2013;34: 1794.

 

確かに揚げ物は美味しいと感じますよね。そこはグッと我慢! でも、どうしても食べたいという人は、この記事でご紹介した弊害を十分に認識してからであってほしいとgeefeeは思うのです。

 

 

 

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