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意外と話題にならない?食品中のヒ素の有毒性。
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意外と話題にならない?食品中のヒ素の有毒性。

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・多くの食品に含まれる有機ヒ素と無機ヒ素
・魚介類やお米、ひじきを食べる日本人はヒ素摂取量が多め
・精米よりも玄米の方が含有量が多い理由とは?
・注意すべきヒ素が含まれている離乳食

 

自然環境の中に微量に存在するヒ素。1950年代に日本で乳児用調製粉乳によるヒ素中毒事件が発生して以来[#]国内で発生した事故・事例を対象として食品安全に係る情報の収集と提供に関する調査報告書 、ヒ素の有毒性が広く認識され、規制や取り組みが行われているものの、食品中からヒ素を完全に取り除くことは難しく、実際には多くの食品にヒ素が微量ながら含まれているのが現状です。その中でも、含有量が多いのが魚介類や米やひじき。今回は、欧米人と比べて日本人の摂取量が特に高いと言われているヒ素についてお伝えしていきます。

 

食品に中に含まれるヒ素って?

原子番号33の元素であるヒ素は、発ガン性を含め、人体にとって非常に有毒な物質です。土壌や地下水などの自然環境に微量に存在するヒ素は、飲料水や農作物、魚介類に取り込まれるため、食品中のヒ素を完全に避けることは難しいとされています[#]“食品中のヒ素に関するQ&A.” n.d. Accessed October 5, 2020. https://www.maff.go.jp/j/syouan/nouan/kome/k_as/qa.html. 。ヒ素は主に有機ヒ素と無機ヒ素の2つに分類され、無機ヒ素より有機ヒ素の方が毒性が低いと言われていますが、あくまでも低いというだけの話で、有機ヒ素が有害ではないということではありません[#]Matschullat, J. 2000. “Arsenic in the Geosphere--a Review.” The Science of the Total Environment 249 (1-3). https://doi.org/10.1016/s0048-9697(99)00524-0.  [#]“Arsenic.” n.d. Accessed October 5, 2020. https://www.who.int/news-room/fact-sheets/detail/arsenic. 。食品にはこの両方が含まれ、両方合わせが含有量は「総ヒ素量」と呼ばれています。

 

欧米よりダントツ。日本人のヒ素摂取量。

食品安全委員会が発表している「海外での総ヒ素摂取量」によると[#]平成 20 年度 食品中に含まれるヒ素の食品影響評価に関する調査

国民一人当たりの1日総ヒ素摂取量

韓国 320μg
中国 210μg
日本 70~170μg
イギリス 89μg
ドイツ 83μg
オーストラリア 27μg
アメリカ 10μg

 

日本を含めたアジアの国が上位を占めています。日本については1日辺り199μgという他のデータもあり、欧米に比べてやはり非常に高いことが分かります。この数値は、日本人の食生活と深い関りがあります。次のセクションで見ていきましょう。

 

気を付けたいのは魚介類やお米、ひじきに含まれるヒ素の量。

日本人はお米や魚介類、海藻などを摂取する食習慣があるのはみなさんもご存じのとおり。これらの食品は、ヒ素が比較的多めに含まれている食品として知られています。

平成20年~29年度厚生労働科学研究の結果を元に、農林水産省が計算した日本人の1人当たりの食品別総ヒ素摂取量が以下のとおり。

 

合計 205.0μg
魚介 121.0μg
野菜・海藻 62.2μg
12.6μg
調味料 5.6μg
肉・卵 0.7μg

 

その他果物や砂糖菓子などにも少量含まれます。特に含有量が多いのが魚介類。そして、野菜・海藻類、米と続きます。魚介類には、ヒ素に限らず水銀やカドミウムなどの有害な重金属が含まれているので、ヒ素以外の理由からも食べる量や魚の種類には注意をしたいところですが、特にタコやカレイ、タイショウエビなどは総ヒ素量が多め。ブリやサンマ、マサバ、イワシ、サワラなどは少なめとなっています[#]“魚中のヒ素濃度” n.d. Accessed October 5, 2020. http://www.nihs.go.jp/hse/food-info/chemical/hiso_level/sakana.pdf. 。以前の記事でお伝えした、魚に含まれる水銀の含有量が低い魚もサバやイワシやサワラですので、これらの魚は比較的安全な魚と言えます[関連記事:魚介類の食べすぎで体に水銀が蓄積!?そのリスクを避ける方法とは]。野菜・海藻類の中でも特にヒ素が多いとされているのが海藻類のヒジキ。

 

 

また、ヒ素をはじめとした様々な微量成分が含まれる水田の土や水を吸収しながら成長する稲から採れる米には、必然的にヒ素が含まれます。これは、外部から散布された農薬とは異なり、米を作る上で避けることが出来ません。有機栽培などでヒ素の量を減らすような取り組みはされているものの、「ヒ素を含まない米を作ることは出来ない」と、農林水産省でも断言しています。また、精米よりも外側に糠がついた玄米の方が総ヒ素数、無機ヒ素数共に高め[#]“食品安全に関するリスクプロファイルシート ].” n.d. Accessed October 5, 2020. https://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/risk_analysis/priority/pdf/15012....

 

これが、白米より多くヒ素、残留農薬が含まれた玄米を避けるべき理由の1つです[関連記事:玄米VS白米、本当に健康にいいのはどっち?]。

 

 

では、どれくらいの量の摂取が安全とされているのでしょう?

 

WHOが定めた、人が一生にわたり摂取し続けても健康への影響が現れない一週間あたりの摂取量の指標であるPTWI(暫定的耐容週間摂取量) による無機ヒ素の数値は、15μg/kg体重/週で、体重60Kgに換算すると約128μg/人/日。日本の厚生労働省では、毎日4.7gのヒジキを食べない限りPTWIを超えないとしています。上の表は有機ヒ素、無機ヒ素の両方を含む総ヒ素の値ですが、より有害な無機ヒ素の割合が高いのはダントツでヒジキと言われています。例えPTWI未満の摂取量であっても、やはり摂取量を抑えるよう意識することが大切でしょう。

現に、イギリスやカナダ、その他諸国では、ヒジキの摂食を控えるように勧告、スウェーデンの国立食品庁では、6歳未満の子供にお米関連の食品や飲料を与えないことを推奨し、また、大人でも毎日食べるべきではない、としています。これは白米を主食としている日本人にとっては衝撃的ですよね。
 

 

離乳食にも含まれているヒ素

みなさん、赤ちゃんや幼児の食事の材料などをチェックをしたことはありますか?赤ちゃんのための有害物質の分析や計測を行う非営利団体「HBBF(ヘルシーベイビーブライトフューチャーズ)」が実施した調査によると、米国の主要メーカーの168種類の離乳食の重金属テストでは、95%に鉛、73%にヒ素、75%にカドミウム、32%に水銀が含まれていることがわかりました。その食品には、乳児用シリアル、果物、野菜、ジュース、パフなどのスナック食品などが含まれているとのこと。確かに、離乳食の原材料を見ると、米などが含まれてることが多々あります。このように、離乳食も含めた多くの食品からヒ素が検出されています。

 


 

 

発ガン性の高いヒ素

さて、食事からだけでも毎日のようにヒ素を摂取していることが分かりましたが、ヒ素は私たちの体にどのような健康リスクをもたらすのでしょうか?

IARC(国際ガン研究機関)によると、無機ヒ素は疫学的に「ヒトに対する発ガン性が認められる」と認定されています[#]英機鰐渕, 民魏., 正喜藤岡, and アンナ梯. 2017. “ヒ素の発がんリスク評価.” In 日本毒性学会学術年会 第44回日本毒性学会学術年会, S27–3. 日本毒性学会. 。さまざまな研究でも、無機ヒ素とガンの関連性が報告されていることから[#]Gilbert-Diamond, D., Z. Li, A. E. Perry, S. K. Spencer, A. J. Gandolfi, and M. R. Karagas. 2013. “A Population-Based Case-Control Study of Urinary Arsenic Species and Squamous Cell Carcinoma in New Hampshire, USA.” Environmental Health Perspectives 121 (10). https://doi.org/10.1289/ehp.1206178.  [#]Hopenhayn-Rich, C., M. L. Biggs, A. Fuchs, R. Bergoglio, E. E. Tello, H. Nicolli, and A. H. Smith. 1996. “Bladder Cancer Mortality Associated with Arsenic in Drinking Water in Argentina.” Epidemiology 7 (2). https://doi.org/10.1097/00001648-199603000-00003.  [#]Smith, A. H., G. Marshall, Y. Yuan, C. Ferreccio, J. Liaw, O. von Ehrenstein, C. Steinmaus, M. N. Bates, and S. Selvin. 2006. “Increased Mortality from Lung Cancer and Bronchiectasis in Young Adults after Exposure to Arsenic in Utero and in Early Childhood.” Environmental Health Perspectives 114 (8). https://doi.org/10.1289/ehp.8832. 、高容量のヒ素の摂取、および長期の摂取は避けるべきとしています。

 

ヒ素を避ける方法。

ヒ素を含む多くの重金属は、尿や汗などで排出されますが、その摂取量が過剰になると体の軟組織でヒ素が蓄積されていきます[#]ATSDR. n.d. “Arsenic Toxicity Case Study: What Is the Biologic Fate of Arsenic in the Body?” Accessed October 5, 2020. https://www.atsdr.cdc.gov/csem/csem.asp?csem=1&po=9. 。あらゆる食品に含まれ、発ガン性など健康リスクの可能性のあるヒ素は極力体内に取り入れるのを避けたいところ。ヒ素が多く含まれる魚介類、海藻、お米(特に玄米)、などの摂取回数を減らし、特にお子さんには与えないようにしましょう。

また、ヒジキは生ヒジキは避け、水戻しでヒ素の5割、ゆでこぼしで9割減らすことのできる乾燥ヒジキを使用するのがおススメです[#]“[乾燥ヒジキのヒ素を減らす調理法の調査結果].” n.d. Accessed October 5, 2020. https://www.maff.go.jp/j/syouan/tikusui/gyokai/g_kenko/busitu/pdf/chousa.... 。なお、白米を炊く前に研いでもヒ素の量はほとんど減らないことがFDA(アメリカ食品医薬品局)の調査でわかっています。

また、体内の重金属・ミネラルを調べるテストもあります。geefeeでは、毛髪尿スキャンの3種類のテストを受けてそのことを記事で紹介していますので参考にしてみてください。

 

まとめ~食品中のヒ素の有毒性。~
いくら尿や汗から排出されるからといって、有害物質を体に取り入れるのはやはり極力避けたいところ。ほとんどの食品に微量含まれていますが、比較的多くの量のヒ素を含む魚介類や海藻類(特にヒジキ)、米(特に玄米)などの摂取頻度を調整するしかありません。特に、何も考えずに与えているお子さんへの食品のケアーも十分注意する必要があるでしょう。

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