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野菜や果物の皮って剥く?剥かない?
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野菜や果物の皮って剥く?剥かない?

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・野菜や果物の分厚い皮部や薄い皮を通して浸透する残留農薬
・高レベルの栄養素が含まれる皮を剥いて食べた時の対処法とは
・残留農薬だけではなくレクチンのリスクも懸念すべきトマトの皮

 

果糖の過剰摂取が懸念されるためgeefeeでは果物の食べ過ぎはおススメしていませんが、それでも多くの栄養価が期待できる野菜や果物は、ほとんど毎日のようにみなさんが食べている農産物です。タマネギやアボカドのようにそもそもその皮が明らかに食べるのに適さない場合は当然皮を剥くわけですが、ジャガイモのように剥いても剥かなくても食べれるような物に関しては、特に意識をせずに食べていたりしますよね?トマトに関しては日本では一切皮を剥かないのがほとんど。この皮を剥く、剥かないでは私たちの健康にどのような違いを与えるのでしょうか?検証していきます。

 

最初の懸念ポイントは残留農薬レベル

リンゴや梨やブドウなどの特定の農産物の皮を剥くか剥かないかの判断は結構迷うことがありますよね。その理由のほとんどが、味や食感を楽しむためだったり、手間を省く目的であったりと、特に健康については意識をしていない人がほとんどかと思いますが、農薬が散布された作物の表面部、すなわち皮の部分には農薬が高濃度で残留しその一部が果肉に浸透するのが一般的。例えば、アボカドやパイナップルなどの分厚い皮部には農薬が高濃度残留する傾向にありますが、その分果肉部には農薬が浸透しづらいため、残留農薬が低い傾向にあります。逆に、リンゴやさくらんぼ、梨のような皮の薄い農産物は農薬が果肉に浸透しやすいため果肉部分の残留農薬が高め[#]“Dirty Dozen, Clean 15 Lists Released for 2021 – Produce Blue Book.” n.d. Accessed January 19, 2022. https://www.producebluebook.com/2021/03/17/dirty-dozen-clean-15-lists-re....

よって、皮を剥くことで多少の残留農薬の摂取を回避することはできますが、結局のところ多くの場合果肉部からも残留農薬を摂取することになるため、皮を剥いたとしても完全に安心はできません。皮付きで残留農薬が高めなリンゴや梨、トマト(後程説明します)等を食べるのであれば、皮は剥いて食べるのが適切。リンゴを洗わないで服でゴシゴシして食べたり、ウサギの形にして子供に食べさせたりするのはちょっと控えましょうね。

【関連記事】「残留農薬の危険性。健康被害を避けるためにできること。

 

 

 

米国農務省と米国食品医薬品局(FDA)のデータに基づき、EWG(The Environmental Working Group)という団体が発表している2021年残留農薬ワースト12内で皮付きで食べる農産物のリストは以下のとおり。これらの農産物を極力食べないようにするというのが最も安心安全であると言えます。

 

  • ネクタリン
  • リンゴ
  • 葡萄
  • さくらんぼ
  • トマト

 

また、皮を剥いてしまっては、大切な栄養素を逃すことになる、と懸念する専門家の声も多数あります。次のセクションで見ていきます。
 

 

皮を剥くと栄養価を逃す?

果物や野菜の皮には、抗酸化物質、繊維、栄養素が高レベルで含まれていることが多く、多くの専門家や栄養管理士等が皮を食べることを勧めていますが、実際にどれ位の栄養価の差があるのでしょうか?

 

例えば茹でたジャガイモの栄養素レベルの変動をみてみると[#]“FoodData Central.” n.d. Accessed January 19, 2022. https://fdc.nal.usda.gov/fdc-app.html#/food-details/171688/nutrients.  [#]“FoodData Central.” n.d. Accessed January 19, 2022. https://fdc.nal.usda.gov/fdc-app.html#/food-details/170440/nutrients.

100g中 皮付き 皮無し
ビタミンC 13.0 mg 7.4 mg
カリウム 379.0 mg 328.0 mg
葉酸 10 µg 0 mg
マグネシウム 22.0 mg 20.0 mg

 

 

リンゴの場合は[#] “FoodData Central.” n.d. Accessed January 19, 2022. https://fdc.nal.usda.gov/fdc-app.html#/food-details/171688/nutrients.  [#] “FoodData Central.” n.d. Accessed January 19, 2022a. https://fdc.nal.usda.gov/fdc-app.html#/food-details/171688/nutrients. ———. n.d. Accessed January 19, 2022b.

 

100g中 皮付き 皮無し
ビタミンK 2.2 µg 0.6 µg
ビタミンC 4.6 mg 4.0 mg

 

と確かに栄養価は皮付きに軍配があがりますが、例えば、ジャガイモのビタミンCの差はたったの5.6 mg。この飽食の時代において、これ位の量であれば、他の野菜もしくはサプリメントでも十分に補える量。皮無しでは摂取できない葉酸も、ブロッコリー(220μg/100g)やアスパラガス(190μg/100g)等、葉酸が豊富に含まれている他の野菜を食べれば良いだけの話です。冒頭で述べた残留農薬のリスクを考慮したら、多少の栄養素が欠如したとしても皮を剥く、が適切な選択肢と言えそうです。

 

トマトはなるべく食べないが適切?

βカロテンやリコピンなどの抗酸化作用が期待できるカロテノイドが含まれていることで健康に良い野菜として知られているトマトは、EWGではワースト12位の残留農薬が多めの野菜の1つです。日本ではほとんどの人がそのまま皮付きで食べていますよね。

また、体に有害な物質のレクチン。トマトに限らずレクチンは皮や種子に多く含まれています[#]Andrews, Ryan, MS, MA, RD, RYT, and CSCS. 2009. “All about Lectins: Here’s What You Need to Know.” Precision Nutrition. August 10, 2009. https://www.precisionnutrition.com/all-about-lectins. 。イタリア料理ではトマトソースを多用するわけですが、皮と種子を除去して料理をしているということを知っていましたか?これは健康面から考えるとすごく合理的なことなのです。また、ピーマンも同様にレクチンが高めの野菜。皮が非常に薄く可食部の残留農薬は高め。レクチンは調理法次第である程度減少させることができるので、どうしても食べたいという人は過去の記事を参考にしてください。

 


 

 

まとめ~野菜や果物の皮って剥く?剥かない?~
残留農薬の観点からみると、皮に農薬が残留する傾向にあるため、皮を剥いて食べる癖を最低限付ける必要がありそうです。しかし、皮を剥いたところで、そもそもの残留農薬レベルの高い農産物は極力避ける方が無難です。また、トマトは、残留農薬に加えてレクチンも懸念材料の1つ。テレビ広告などで一般的に言われているトマトの健康効果を過信し過ぎず、食べる量を控えめにするか、食べないという選択肢も考慮に入れましょう。食べない野菜がある場合は、足りない栄養素をしっかりと認識し、他の野菜やサプリなどを活用して補うようにしてくださいね。

【関連記事】「食べ過ぎないほうがいい野菜。その種類と理由とは?

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