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さまざまな症状からリーキーガット症候群を疑う。その後の改善策は?
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さまざまな症状からリーキーガット症候群を疑う。その後の改善策は?

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・腸の疾患だけではないリーキーガット症候群の兆候・症状とは?
・リーキーガット症候群の原因のアレルゲンを特定できる可能性のある遅延型のアレルギーテスト
・控えることで症状が改善できる可能性のあるグルテンやレクチン、炭水化物
・リーキーガット症候群の発症、悪化の原因となる可能性のある注意すべき常用薬

 

直訳すると「腸漏れ」を意味するリーキーガット症候群。腸の粘膜に穴が空き、そこから菌やウイルスやたんぱく質などの異物が血流内に漏れ出す疾患だということは以前の記事でもお伝えしました。このリーキーガット症候群は医学的な定義がされていないため、下痢や便秘等の症状のみではなかなか病院でも診断されることはないのが実情です。したがって、その発症を認識するには症状などを頼りに自らリーキーガット症候群の発症を疑い、生活の中でその原因を回避しながら改善するかどうかを見定めるか、重症の場合は、日本でも少しずつ増え始めた専門的な医師に診て貰うしか方法はありません。今回は、下痢や便秘等の消化器系の症状以外にも可能性のあるリーキーガット症候群の症状と、その症状に当てはまる人が取るべき解決策についてお伝えしていきます。

 

リーキーガット症候群の兆候・症状とは?

腸の透過性が増すことでさまざまな症状が発生・悪化するのがリーキーガット症候群で、主な症状は腹部膨満、ガス、下痢、過敏性腸症候群(IBS)などの胃腸の問題が多いパターン[#]Barbara, G., L. Zecchi, R. Barbaro, C. Cremon, L. Bellacosa, M. Marcellini, R. De Giorgio, R. Corinaldesi, and V. Stanghellini. 2012. “Mucosal Permeability and Immune Activation as Potential Therapeutic Targets of Probiotics in Irritable Bowel Syndrome.” Journal of Clinical Gastroenterology 46 Suppl (October). https://doi.org/10.1097/MCG.0b013e318264e918. 。しかし、腸は、消化をはじめ脳や代謝、免疫系、ホルモン系などさまざまな体の機能と関連性があるため、腸の疾患だからと言って胃腸だけの問題とは限らないのです。以下のような多岐に渡る症状や兆候も発症の判断基準とする必要があります。

 

  • 関節リウマチやセリアック病などの自己免疫疾患[#]Taneja, Veena. 2014. “Arthritis Susceptibility and the Gut Microbiome.” FEBS Letters 588 (22): 4244.  [#]Obrenovich, Mark E. M. 2018. “Leaky Gut, Leaky Brain?” Microorganisms 6 (4). https://doi.org/10.3390/microorganisms6040107.
  • 食物アレルギーや喘息[#]Rachid, R., and T. A. Chatila. 2016. “The Role of the Gut Microbiota in Food Allergy.” Current Opinion in Pediatrics 28 (6). https://doi.org/10.1097/MOP.0000000000000427.  [#]Farshchi, Masoumeh Kaboli, Farahzad Jabbari Azad, Roshanak Salari, Majid Mirsadraee, and Majid Anushiravani. 2017. “A Viewpoint on the Leaky Gut Syndrome to Treat Allergic Asthma: A Novel Opinion.” Journal of Evidence-Based Complementary & Alternative Medicine 22 (3): 378.
  • うつ病、不安神経症、その他の気分障害[#]Ohlsson, L., A. Gustafsson, E. Lavant, K. Suneson, L. Brundin, Å. Westrin, L. Ljunggren, and D. Lindqvist. 2019. “Leaky Gut Biomarkers in Depression and Suicidal Behavior.” Acta Psychiatrica Scandinavica 139 (2): 185.  [#]Clapp, Megan, Nadia Aurora, Lindsey Herrera, Manisha Bhatia, Emily Wilen, and Sarah Wakefield. 2017. “Gut Microbiota’s Effect on Mental Health: The Gut-Brain Axis.” Clinics and Practice 7 (4). https://doi.org/10.4081/cp.2017.987.
  • 思考、集中、記憶、学習能力を妨げるブレインフォグ[#]Zhu, Sibo, Yanfeng Jiang, Kelin Xu, Mei Cui, Weimin Ye, Genming Zhao, Li Jin, and Xingdong Chen. 2020. “The Progress of Gut Microbiome Research Related to Brain Disorders.” Journal of Neuroinflammation 17 (1): 1–20. 
  • クローン病や潰瘍性大腸炎などの炎症性腸疾患[#] Andrea Michielan, Renata D’incà. 2015. “Intestinal Permeability in Inflammatory Bowel Disease: Pathogenesis, Clinical Evaluation, and Therapy of Leaky Gut.” Mediators of Inflammation 2015. https://doi.org/10.1155/2015/628157.
  • 不安定な血糖値[#]Kort, S. de, D. Keszthelyi, and A. A. Masclee. 2011. “Leaky Gut and Diabetes Mellitus: What Is the Link?” Obesity Reviews: An Official Journal of the International Association for the Study of Obesity 12 (6). https://doi.org/10.1111/j.1467-789X.2010.00845.x.
  • 湿疹やにきびなどの皮膚の問題[#] “Leaky Gut and Atopic Dermatitis: Does the Concept Hold Water or Is It Full of Holes?” 2016. March 1, 2016. https://nationaleczema.org/leaky-gut/.  [#]Lee, Young Bok, Eun Jung Byun, and Hei Sung Kim. 2019. “Potential Role of the Microbiome in Acne: A Comprehensive Review.” Journal of Clinical Medicine Research 8 (7). https://doi.org/10.3390/jcm8070987.
  • 不眠症や睡眠の質の低下[#]Li, Yuanyuan, Yanli Hao, Fang Fan, and Bin Zhang. 2018. “The Role of Microbiome in Insomnia, Circadian Disturbance and Depression.” Frontiers in Psychiatry / Frontiers Research Foundation 9. https://doi.org/10.3389/fpsyt.2018.00669.
  • 起伏の激しい体重の変化[#] Nagpal, Ravinder, Tiffany M. Newman, Shaohua Wang, Shalini Jain, James F. Lovato, and Hariom Yadav. 2018. “Obesity-Linked Gut Microbiome Dysbiosis Associated with Derangements in Gut Permeability and Intestinal Cellular Homeostasis Independent of Diet.” Journal of Diabetes Research 2018. https://doi.org/10.1155/2018/3462092.

 

例えば、毎日下痢気味でお通じの悩みがある人などは、上記の症状があるかどうかを観察することでリーキーガット症候群の有無の判断材料となります。毎日お腹の調子が悪くて、気分にムラがあり、睡眠の質が悪く、アレルギー持ち、なんて人はリーキーガットを疑ってみるべきでしょう。

次のセクションでは、リーキーガット症候群の発症要因とその解決策についてお伝えしていきます。
 

 

リーキーガット症候群の症状を伴う人はどうしたら良い?

発症のメカニズムや予防、治療法などがまだまだ不明確なリーキーガット症候群。リーキーガット症候群の症状があっても、薬ですぐに治せるような単純な話ではありません。1つ1つの要因を丹念に探し、その要因をできるだけ生活から排除し経過を観察していく必要があります。
 

 

アレルギーテストはマスト

アレルギー体質の人が、アレルゲンを摂取することで、腸管内で炎症を引き起こし、腸の透過性が増加してしまう可能性があります。これがリーキーガット症候群の原因の一つと言われていますが、すでにアレルギーを持っている人は、腸管粘膜の損傷により症状が発生していて、症状が悪化している可能性もあります。まだアレルギーテストを受けたことがない人は、まずは遅延型のアレルギーテストを受けてアレルゲンがあるかを特定しましょう。アレルゲンは、「非常に低い」から「極めて高い」までクラス1~クラス6の段階に分かれています。好きな食べ物を毎日のように摂取していて特に症状はなくても、実はその食物がクラス3とかである可能性も大いにあります。遅延型のアレルギーはすぐに症状が出ないため、どの食べ物が症状の原因なのかを個人で特定するのはとても難しいのです。そういったアレルゲンを見逃さないためにも、是非一度、アレルギーテストを受けてみてくださいね。そのアレルゲンを食事から外すだけで症状が改善されるかもしれません。

 

 

また、免疫機能の80%は腸内に存在すると言われており、リーキーガット症候群と花粉症などの季節性アレルギーの関連性も指摘されています[#]Campbell, Pippa. 2019. “The Link between Hay Fever, Allergies and Gut Health.” Pippa Campbell Health. April 26, 2019. https://www.pippacampbellhealth.com/blog/the-link-between-hay-fever-alle.... 。花粉症持ちでその他の症状も当てはまる人は、腸の透過性が亢進している可能性も。花粉症かどうかは即時型のアレルギーテストで判断できますが、そもそも花粉症の人は既に症状を伴っているので花粉症持ちということは認識していますよね。よって、まずは遅延型のアレルギーテストで特定された食品を食事から排除し、腸管粘膜の損傷を抑えることが重要なのです。少々遠回りですが、長い間花粉症で苦しんでいる人は、やってみる価値はあります。

【関連記事】「検査もネットで自宅の時代?アレルギー検査キットに挑戦!

 

炭水化物を制限する

過剰な糖質の摂取は、腸の炎症を引き起こし、腸漏れの原因となる可能性があります。特に、高糖質、高脂肪食の組み合わせが腸の内壁に損傷を与えるという研究結果も。大盛ご飯のおかずに肉をたくさん食べるような生活を続けていると腸内環境に悪影響を与えることになりかねません。また、特に腸の透過性が亢進する要因となるのが果糖などのフルクトース[#]Binienda, A., A. Twardowska, A. Makaro, and M. Salaga. 2020. “Dietary Carbohydrates and Lipids in the Pathogenesis of Leaky Gut Syndrome: An Overview.” International Journal of Molecular Sciences 21 (21). https://doi.org/10.3390/ijms21218368. 。豊富な栄養素が摂取できるからといってフルーツをたくさん食べているとリーキーガット症候群の悪化要因になる可能性も(もちろん果糖には他の悪い影響が多々あります)。糖質過多によって小腸内の細菌が増殖し、それによって炎症が起きてリーキーガットが発症することも[関連記事:おならやげっぷがよく出るあなた、SIBO(小腸内細菌異常増殖症)かも。]。また、バターなどの短鎖脂肪酸(脂質)は、逆に腸の透過性の低減につながる可能性も研究で報告されています。ケトジェニックダイエットがリーキーガット症候群の改善に良いと言われているのはこういった理由によるもの[#] Brooks, Spencer. n.d. “The Complete Leaky Gut Diet Guide: How To Heal Your Gut.” Accessed November 15, 2021. https://perfectketo.com/leaky-gut-diet/. 。糖質制限をしないにしても、リーキーガット症候群の症状がある人は、炭水化物などの糖質をできるだけ控えるようにしてみましょう。

 

 

グルテンやレクチンを疑う

グルテンやレクチンなどの反栄養素は、食物に含まれる必須栄養素やミネラルの吸収を妨げ、腸壁の炎症を起こしやすく、リーキーガット症候群の原因となっている可能性があります。特に、グルテンは、セリアック病ではなくグルテン不耐症の自覚のない人でも腸の透過性が亢進すると言われているため注意が必要。そもそもグルテン不耐性であることに気が付かずに生活している人も少なくはありませんので、リーキーガット症候群の症状に当てはまる人は、グルテンを控えることで体調が改善される可能性があります。また、意外と見逃してしまうのがレクチン。レクチンが豊富な食物を摂取するとレクチンが胃腸管に付着し腸の透過性が亢進する原因になることも指摘されています。レクチンはまた、糖質と結合して炎症反応を引き起こすと言われています。ここでも糖質が出てきましたが、米や小麦を主食としている人は、まずは、グルテン及び糖質が豊富な小麦の摂取を抑えることからはじめてみても良いかも。一歩踏み込むのであれば、思い切って低糖質な食事メニューに切り替えて経過を観察してみましょう。厳密な糖質制限は体がケトーシス状態に慣れるまでの1-2週間の期間、だるさなどの副作用(ケトフルー)が起こることが予想されますので、対処法は過去記事を参考にしてみてくださいね。

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抗生物質などの薬にも注意。

私たちがあまり躊躇せずに服用している経口薬が、リーキーガット症候群の発症、悪化の原因になっている可能性が専門家によって指摘されています[#]Jasmin. 2016. “5 Common Medications Linked with Leaky Gut (that May Surprise You).” October 25, 2016. https://www.wellnessvision.com.au/5-common-medications-cause-leaky-gut/. 。特に以下の薬は要注意。

 

・抗生物質
腸内細菌を破壊すると共に腸の内壁を直接損傷し、腸の漏れを引き起こす可能性のあるカンジダアルビカンスが増殖する環境を作り出すと言われています。

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・非ステロイド系抗炎症薬(NSAIDs)
アスピリンやイブプロフェンなどの鎮痛剤。24時間以内に腸透過性の増加を引き起こす可能性があると言われています。長期服用はその他の疾患にもつながります。

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・経口避妊薬(ピル)
長期服用する傾向にある外因性ホルモンの経口避妊薬は、クローン病や潰瘍性大腸炎などの炎症性腸疾患のリスクと関連があると言われています。

 

 

現在これらの薬を服用していて、且つ上記の症状からリーキーガット症候群の疑いがある場合は、一度医師に相談してみるようにしてください。上記のような薬を使用することでリーキーガット症候群が悪化している可能性もあります。

 

まとめ~さまざまな症状からリーキーガット症候群を疑う。その後の改善策は?~
上記で述べたリーキーガット症候群の改善策は、リーキーガット症候群と関連性のあるIBS(過敏性腸症候群)やセリアック病、食物アレルギーなどの腸の透過性を増す原因となる疾患の改善にもつながる可能性があります。リーキーガット症候群の症状が無くても、現在の体調よりもより良い健康状態が期待できるかもしれません。なかなか診断されにくいリーキーガット症候群ですが、1つ1つ原因を追究し、症状の緩和に努めるようにしてみてくださいね。
 

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