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私たちの記憶力、集中力、判断力、思考力を妨げる脳の霧 Brain Fog(ブレインフォグ)の対処法
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私たちの記憶力、集中力、判断力、思考力を妨げる脳の霧 Brain Fog(ブレインフォグ)の対処法

geefee ポイント geefee ポイント

・医学的症状ではない頭のモヤモヤであるブレインフォグ
・ブレインフォグの原因と対処法
・脳に必要な栄養素の不足がブレインフォグ引き起こしている可能性も

 

なんとなく集中できない、忘れっぽい、頭がうまく働かない…例えると頭に霧がかかったような感じ…になることはありませんか?欧米では、このように思考力が低下した状態を「brain fog(ブレインフォグ:脳の霧)」と呼んでいます。医学的に認められている疾患ではありませんが、上記のような状態の総称として使われています。今日はその症状と原因、解決方法についてご紹介します。

 

ブレインフォグに含まれる症状とは?

医学的な文献も見当たらず、日本ではまだ知名度の低いこの「ブレインフォグ」は、病気というよりはある種の症状の総称…不定愁訴に近い感覚で理解すると分かりやすいかもしれません。よく見られる症状としては、

 

  • ボーっとするなどの思考力の低下
  • 忘れっぽい
  • 集中力の低下
  • 言いたい言葉が出ない

 

など、精神疲労による認知機能の低下に類似した状態が挙げられます[#]Ross, A. J., Medow, M. S., Rowe, P. C., & Stewart, J. M. (2013). What is brain fog? An evaluation of the symptom in postural tachycardia syndrome. Clinical Autonomic Research, 23(6), 305-311. 。では原因や対処方法にはどのようなものが考えられるのでしょうか?

 

ブレインフォグの原因と対処方法

ブレインフォグの特定の原因は未だはっきりと突き止められているわけではありません[#]Ross, A. J., Medow, M. S., Rowe, P. C., & Stewart, J. M. (2013). What is brain fog? An evaluation of the symptom in postural tachycardia syndrome. Clinical Autonomic Research, 23(6), 305-311. 。ここでは考えられる要因、付随する症状とその対処法をいくつかご紹介します。

 

1. 砂糖(ブドウ糖)
体内へ取り込まれた糖分はブドウ糖に分解され、脳でも主なエネルギー源として働きます。したがって、ブドウ糖が不足すると思考や判断力の低下が生じます。糖質を摂るとすぐに血糖値が上昇しますが、これを受けて血糖値を下げるホルモンであるインスリンも分泌され、逆に血糖値が低下することで、脳がエネルギー不足となり、ボーっとする、という原理です。糖質たっぷりの昼食のあとの午後の強烈な睡魔はこれが原因。

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2.低脂肪ダイエット
私たちの脳は脂質を中心に作られており、多くのコレステロールを含みます[#]Chang, C. Y., Ke, D. S., & Chen, J. Y. (2009). Essential fatty acids and human brain. Acta Neurol Taiwan, 18(4), 231-41. 。その不足が抑うつや記憶力の低下、不安などをもたらすと考えられています。したがって、良質の脂質の源であるグラスフェッド肉、青魚、アボカド、ココナッツオイル、オリーブオイルなどの摂取が薦められています[#]Grain Brain: The Surprising Truth about Wheat, Carbs, and Sugar--Your Brain's Silent Killers Hardcover – September 17, 2013.

 

3.食物アレルギー
アレルギー体質の方は、アレルゲン摂取によってブレインフォグに該当する症状が出ることが示唆されています。代表的なアレルゲンとして、小麦やトウモロコシ、大豆、卵、甲殻類、ピーナッツなどのナッツ類が挙げられます[#]Food Allergy Research & Education. COMMON ALLERGENS. [Internet]. [Cited 24th November 2019]. Available from: https://www.foodallergy.org/common-allergens 。疑わしい食品があれば、2−3週間摂取を控えた時の気分を自身で感じてアレルゲンを特定することもできますが、より正確には自宅でできるこういうテストキットもあります。特に加工食品やレストランでの食事の際に潜んでいる可能性があります。

 

4.グルテン
小麦に含まれるタンパク質 「グルテン」 も、小麦アレルギーではない人であってもブレインフォグの原因の1つになりうると考えられます[#]Wheat Belly: Lose the Wheat, Lose the Weight, and Find Your Path Back to Health Paperback – June 3, 2014 。他にも小麦には1,000種類以上の身体にとってネガティブな反応の原因となりうるタンパク質が含まれており、統合失調症やADHD(注意欠陥多動性障害)の悪化を引き起こすことがあることもわかっています[#]Koehler, P., Wieser, H., & Konitzer, K. (Eds.). (2014). Celiac disease and gluten: multidisciplinary challenges and opportunities. Academic Press.  [#]Kraft, B. D., & Westman, E. C. (2009). Schizophrenia, gluten, and low-carbohydrate, ketogenic diets: a case report and review of the literature. Nutrition & Metabolism, 6(1), 10.  [#]Niederhofer, H. (2011). Association of attention-deficit/hyperactivity disorder and celiac disease: a brief report. The Primary Care Companion to CNS Disorders, 13(3).

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5.グルタミン酸ナトリウム(MSG)
「うま味」成分として知られるグルタミン酸ナトリウム。多くの加工食品に含まれていますが、一種の神経毒と考えられていることをご存知でしたか?缶スープや塩っけのあるスナック、インスタントラーメンには要注意[#]U.S. Food & Drug Administration. Questions and Answers on Monosodium glutamate (MSG) [Internet]. [Cited 25th November 2019]. Available from: https://www.fda.gov/food/food-additives-petitions/questions-and-answers-... 。ブレインフォグの他にも頭痛や気分の変化、めまい、不安、抑うつなどを引き起こすこともあるようです[#]Schaumburg, H. H., Byck, R., Gerstl, R., & Mashman, J. H. (1969). Monosodium L-glutamate: its pharmacology and role in the Chinese restaurant syndrome. Science, 163(3869), 826-828

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6. 人工甘味料
砂糖の代わりとして使用される人工甘味料も多くの問題を引き起こす原因の1つです。合成甘味料アスパルテームやスクラロースはブレインフォグの他に頭痛、めまい、耳なり、不安、抑うつなどの副作用が報告されています[#]Oyama, Y., Sakai, H., Arata, T., Okano, Y., Akaike, N., Sakai, K., & Noda, K. (2002). Cytotoxic effects of methanol, formaldehyde, and formate on dissociated rat thymocytes: a possibility of aspartame toxicity. Cell biology and toxicology, 18(1), 43.

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7. 脱水
意外に思われるかもしれませんが、十分に水分を摂るだけでもブレインフォグを防ぐことができる可能性があります。私たちの脳の75%は水分、わずかな脱水でも私たちの思考力に影響します[#]Wilson, M. G., & Morley, J. (2003). Impaired cognitive function and mental performance in mild dehydration. European Journal of Clinical Nutrition, 57(S2), S24. 。例えば、たった2%の脱水で注意力や記憶力を主とする認知機能の低下をもたらすことが明らかになっています[#]Adan, A. (2012). Cognitive performance and dehydration. Journal of the American College of Nutrition, 31(2), 71-78.

 

8. カフェイン離脱
コーヒーや紅茶には集中力や注意力を高める効果がある一方、中毒症状や不安の悪化をもたらすことがあります。だからと言って急に止めてしまうとブレインフォグや頭痛、疲労などの症状を経験することがあるようです[#]Juliano, L. M., & Griffiths, R. R. (2004). A critical review of caffeine withdrawal: empirical validation of symptoms and signs, incidence, severity, and associated features. Psychopharmacology, 176(1), 1-29. 。カフェインの代謝能力は個人差が大きいのですが、自分にとっての適量を飲むことで副作用を防ぐことをお勧めします。

 

9. 睡眠
睡眠不足が記憶や視覚情報処理力、コミュニケーション能力に悪影響を与えることが研究で明らかになっています[#]Nir, Y., Andrillon, T., Marmelshtein, A., Suthana, N., Cirelli, C., Tononi, G., & Fried, I. (2017). Selective neuronal lapses precede human cognitive lapses following sleep deprivation. Nature medicine, 23(12), 1474. 。睡眠の不足を補う方法は睡眠をとること以外にはありませんので、しっかりと良質の睡眠をとることが必要です[#]American Academy of Sleep Medicine. Seven or more hours of sleep per night: A health necessity for adults. [Internet]. [cited 24th November 2019]. Available from: https://aasm.org/seven-or-more-hours-of-sleep-per-night-a-health-necessi...

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10. 慢性ストレス
慢性のストレスは血圧の上昇や自己免疫力の低下を引き起こします。精神的疲労の原因にもなり、それがブレインフォグの症状である思考力や集中力の低下につながっているようです[#]Ross, A. J., Medow, M. S., Rowe, P. C., & Stewart, J. M. (2013). What is brain fog? An evaluation of the symptom in postural tachycardia syndrome. Clinical Autonomic Research, 23(6), 305-311.

 

栄養不足もブレインフォグを引き起こす!?

上記で紹介したブレインフォグの原因に当てはまらないけどどうも頭がスッキリしていない方は栄養素の不足が一因となっているかも知れません。脳はスムーズに働くためには数多くの栄養素が必要ですが、以下の栄養素はその不足がブレインフォグを引き起こすことがよくあることで知られています [#]Kesse-Guyot, E., Fezeu, L., Jeandel, C., Ferry, M., Andreeva, V., Amieva, H., ... & Galan, P. (2011). French adults’ cognitive performance after daily supplementation with antioxidant vitamins and minerals at nutritional doses: a post hoc analysis of the Supplementation in Vitamins and Mineral Antioxidants (SU. VI. MAX) trial–. The American journal of clinical nutrition, 94(3), 892-899.  [#]Macpherson, H., Silberstein, R., & Pipingas, A. (2012). Neurocognitive effects of multivitamin supplementation on the steady state visually evoked potential (SSVEP) measure of brain activity in elderly women. Physiology & behavior, 107(3), 346-354.  [#]Harris, E., Macpherson, H., Vitetta, L., Kirk, J., Sali, A., & Pipingas, A. (2012). Effects of a multivitamin, mineral and herbal supplement on cognition and blood biomarkers in older men: a randomised, placebo‐controlled trial. Human Psychopharmacology: Clinical and Experimental, 27(4), 370-377.  [#]Summers, W. K., Martin, R. L., Cunningham, M., DeBoynton, V. L., & Marsh, G. M. (2010). Complex antioxidant blend improves memory in community-dwelling seniors. Journal of Alzheimer's Disease, 19(2), 429-439.

 

 

また、以下のようなサプリメントでも効果があるようです。

・Arctic root(Rhodiola rosea:イワベンケイ)
「Versatile Adaptogen(多様な抵抗能力を高める働きのある天然のハーブ)」に分類されるハーブで、効率的なエネルギーの代謝、甲状腺・心臓・筋肉の機能改善のみならず脳の働きを改善する効果があることが知られています[#]Khanum, F., Bawa, A. S., & Singh, B. (2005). Rhodiola rosea: a versatile adaptogen. Comprehensive reviews in food science and food safety, 4(3), 55-62.

・Citicoline(シチコリン)/Gotu kola(ゴツコラ)
「シチコリン」と「ゴツコラ」は、神経の保護作用や神経細胞の成長促進作用、脳細胞や神経系の修復作用を持っているため、記憶力・認知力の向上が期待できると考えられています[#]Alvarez, X. A., Laredo, M., Corzo, D., Fernandez-Novoa, L., Mouzo, R., Perea, J. E., & Cacabelos, R. (1997). Citicoline improves memory performance in elderly subjects. Methods and findings in experimental and clinical pharmacology, 19(3), 201-210.  [#]Farhana, K. M., Malueka, R. G., Wibowo, S., & Gofir, A. (2016). Effectiveness of gotu kola extract 750 mg and 1000 mg compared with folic acid 3 mg in improving vascular cognitive impairment after stroke. Evidence-Based Complementary and Alternative Medicine, 2016.  [#]Mas’adah, S. M., & Djaelani, M. A. (2019, May). Application of cinnamon and gotu kola supplements for increasing quail hematological status (Coturnixcoturnix-australica). In Journal of Physics: Conference Series (Vol. 1217, No. 1, p. 012163). IOP Publishing.

・Vinpocetine(ビンポセチン)
ヒメツルニチニチソウから抽出される「ビンポセチン」、脳血管を拡張し脳への血流を増加させるため、記憶力を向上させる可能性が示唆されています[#]Coleston, D. M., & Hindmarch, I. (1988). Possible memory‐enhancing properties of vinpocetine. Drug Development Research, 14(3‐4), 191-193.

 

まだまだその原因の全てが明らかになっていないブレインフォグですが、日常の生活習慣だけでなく食生活の環境が大きく影響しているようです。頭がスッキリしない生活が続いている方は、1度生活を振り返ってみてはいかがでしょうか?気づかないうちに通常の生活や良いと思ってやっていたことが悪影響をおよぼしているかも知れません。また、症状を自覚していない方も、いざ食習慣を改善するだけで、実はそれまで「普通」だと思っていた頭のモヤモヤが一気に晴れ渡って、それまでの自分は一体何だったのかと愕然とすることもよくあることです。geefeeで推奨している食事法も、ブレインフォグを減らす効果があることがわかっています。ブレインフォグに身に覚えのある方もない方も是非お試しを!