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奮発して食べるべき?健康の観点からみた和牛とは。
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奮発して食べるべき?健康の観点からみた和牛とは。

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・育てる環境や地域によって変わる一般的な牛肉や和牛の飼料とは?
・セットで考えるべき飼料のGMOとグリホサートが肉用牛に与える影響。
・霜降り部分に含まれるオレイン酸含有量が高い和牛のちょっとした落とし穴

 

スーパーや外食で目にする牛肉のほとんどはアメリカ産やオーストラリア産などの外国産です。値段的にも和牛と比べてお手頃ですが、たまに奮発して食べたくなるのが霜降りが特徴的な和牛。世界中の多くの人が美味しいと感じ、牛肉の中でも特別な存在ですが、意外と知られていないのが和牛の健康へのインパクトです。値段が高いからといって果たして健康にも良いのでしょうか?検証していきます。

 

一般的な牛肉や和牛の飼料って何?

ほとんどの人が気にしていないのが家畜の飼料の種類。豚や鶏、牛が何を食べて育っているかということは実はとても重要。先日の養殖魚の記事でもお伝えした魚介類に含まれる有害物質の重金属の場合のように、私たちが食べる肉が育つ環境や飼料は、間接的に私たちの体にも影響を与えるので、無視はできません。では、私たちが普段食べている肉用牛は何を食べて育っているのでしょうか?

日本の牛肉消費量の6割はオーストラリアやアメリカを中心とした輸入物。スーパーなどで和牛もしくは国産牛と書かれていない限り、ほとんどが輸入物になりますが、国によって若干飼料が変わってきます。例えば、オージービーフとして知られているオーストラリア産牛の場合、牧草を食べて育ったグラスフェッドビーフもありますが、日本への輸出用の牛肉は特別にグラスフェッドと記されていない限りグレインフェッド(穀物飼育)であると考えてください[#]“オーストラリアにおける穀物肥育による大規模牛肉生産と牛枝肉格付評価” n.d. https://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/2010921181.pdf. 。主に大麦や小麦、ソルガム(たかきび)などを食べて育っています[#]“Grass Fed vs. Grain Fed Beef Explained.” 2017. The Neff Kitchen. June 1, 2017. https://theneffkitchen.com.au/inspiration/grass-fed-vs-grain-fed-beef-ex.... 。一方、アメリカの肉用牛の飼料は、主にトウモロコシや大豆やサイレージ(飼料作物をサイロなどで発酵させたもの)[#]“[CORN-FED VERSUS GRASS-FED BEEF FACT SHEET].” n.d. Accessed January 26, 2022. https://www.meatinstitute.org/index.php?ht=a/GetDocumentAction/i/93607. 。これらの粗飼料に加え生産者によっては、ミネラルやタンパク質などが混合された配合飼料を使用するケースも。では、和牛はどうなのでしょうか?

黒毛和種・褐毛和種・無角和種・日本短角種の4品種及びそれらの交雑種が和牛と定義されています[#]“特集1 和牛(1).” n.d. Accessed January 26, 2022. https://www.maff.go.jp/j/pr/aff/1608/spe1_01.html. 。例えば褐毛和種の場合、稲ワラを中心にトウモロコシや大麦、ふすまなどが与えられていますが[#] “黒毛和種の飼養管理.” n.d. Accessed January 26, 2022. http://www.nlbc.go.jp/tottori/rensai/kurogewashusiyoukanri/text.html. 、生産者によっては乾燥とうもろこしが混ざったペットフードのような配合飼料も使用しています。後程詳しく説明しますが、あの美しい霜降りを作り出すための方法の1つが、トウモロコシのような高カロリー飼料なのです。

 

 

でも、トウモロコシと言えばすぐに思い浮かぶのが、みなさんもご存じの通りGMO(遺伝子組み換え)やカビ毒のリスク。次のセクションでみていきます。

 

セットで考えるべき飼料のGMOとグリホサート

トウモロコシでアメリカ産と言えば、まず思い浮かぶのがGMO。FDA(アメリカ食品医薬品局)によるとアメリカで生産されているトウモロコシの90%近くがGMOで、加工食品や飼料などに使用されています。そのため、トウモロコシの輸入の約70%をアメリカ(平成27年)に頼っている日本のトウモロコシの大部分が遺伝子組み換えであると言えますが、GMOの作物を食べて育った家畜からGMO関連物質は検出されていないため、GMO農作物の飼料の安全性は農林水産省でも認めています。しかし、ここで疑問視されるのが残留農薬。そもそもGMOが誕生した経緯に、世界で一番使用されている除草剤のラウンドアップの存在があるというのは以前の記事でもお伝えした通りですが、このラウンドアップの主成分であるグリホサートの耐性植物であるGMOトウモロコシや大豆などの飼料を消費し育った家畜を私たちが食べることで、少なくともグリホサート残留物を体に取り入れることによる健康上のリスクがある可能性が指摘されています[#]Van Eenennaam, A. L., and A. E. Young. 2017. “Detection of Dietary DNA, Protein, and Glyphosate in Meat, Milk, and Eggs.” Journal of Animal Science 95 (7). https://doi.org/10.2527/jas.2016.1346. 。和牛に関するグリホサート残留物のデータはありませんが、GMOトウモロコシを中心に生産されている和牛であれば、残留農薬摂取のリスクの可能性はあるでしょう。

 

気になる家畜飼料のカビ毒

さまざまな健康リスクのあるマイコトキシン(カビ毒)。家畜の飼料などでも確認されていますが、マイコトキシンで汚染された飼料を食べた家畜の肉を介して人が摂取する可能性も指摘されています[#]“食環研コラム.” n.d. Accessed January 26, 2022. https://www.shokukanken.com/column/foods/002300.html. 。特に、トウモロコシはマイコトキシンの一種であるアフラトキシン汚染が比較的多い食品の1つで、特にアフラトキシンが生成されやすい気候条件などが整ったアメリカのトウモロコシは収穫前と収穫後の両方で生成されているという報告も[#]Mahato, Dipendra K., Kyung Eun Lee, Madhu Kamle, Sheetal Devi, Krishna N. Dewangan, Pradeep Kumar, and Sang G. Kang. 2019. “Aflatoxins in Food and Feed: An Overview on Prevalence, Detection and Control Strategies.” Frontiers in Microbiology 10. https://doi.org/10.3389/fmicb.2019.02266. 。輸入時の検査では、トウモロコシのアフラトキシン違反事例は農作物中第5位。国産トウモロコシでも汚染事例があるため、トウモロコシを飼料とした和牛が他の肉に比べて特に健康に良いわけではなさそう。

和牛繁殖農場で日常的に給与されているサイレージでアフロトキシンを含めたマイコトキシンの汚染の報告例もあります[#]“Website.” n.d. https://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/2010752940.pdf. 。せっかく奮発して食べるわけですから、どのような飼料で、どのような環境で育てられたかなど、生産過程の透明性を明確に伝えている生産者の情報をしっかりと理解した上で選ぶとより安心です。

 

オレイン酸含有量が高い和牛のちょっとした落とし穴

赤身に交じった霜降り部分のオレイン酸含有量が高いことでも知られている和牛。オレイン酸の摂取は、HDLコレステロールを増加させ心臓病のリスクを軽減させると言われていますが、和牛のオレイン酸含有量を他の食品と比べてみると、

 

和牛 100g中 約 22g~23g
オリーブオイル 大さじ一杯中 約 11.6g
マカデミアンナッツ 10粒 約 3g

 

と確かに高め。でも、このオレイン酸含有量が多い理由は、上記でも説明したトウモロコシ飼料に起因します[#]“Website.” n.d. https://www.researchgate.net/publication/339065142_Producing_high-oleic_.... 。トウモロコシを中心とした飼料を与えられる時間が長ければ長い程、牛肉のオレイン酸の含有量が増加します[#] Today, Agrilife. 2008. “Study Healthy ‘Depots’ Discovered in Beef Brisket.” AgriLife Today. April 30, 2008. https://agrilifetoday.tamu.edu/2008/04/29/study-healthy-depots-discovere.... 。残留農薬やカビ毒が懸念されるトウモロコシ飼料から最終的に生成されたオレイン酸、、。霜降り部位からグリホサートなどが検出された例はありませんが、少々不自然な感じがしますよね。オレイン酸は必須脂肪酸ではないので特に目安摂取量は定められていませんが、体内でも生成されるため、わざわざオレイン酸の摂取のために和牛を食べるくらいであれば食用油にオリーブオイルを使用する程度で十分かも。

 

 

そもそも、牛に運動不足、筋肉組織に過剰なカロリーを与えて合理的に作られた脂肪の霜降り、いわゆるメタボ肉は、牛が本来持つ自然な肉の形ではないのです。
 

 

肉はグラスフェッドが一番安心。

これまで説明してきた牛は、グレインフェッド(穀物飼育)のものでしたが、本来、牛は牧草や野草を食べることでビタミンやミネラルを得て育ちます。いわゆるグラスフェッドビーフ(牧草飼育牛)です。野生の牛を食べるということは現代社会ではありませんが、先日の記事で説明した養殖魚と天然魚で例えると、トウモロコシや大麦、その他糖質が多くカロリーの多い飼料でより脂肪分が多く美味しくするために育てられたグレインフェッドミートは例えるなら養殖魚で、より自然由来の食べ物で育ったグラスフェッドミートは、天然魚に近い食品。加工食品の添加物を避けるように、肉からも余分な成分や物質を避けたいのであれは、和牛でもなく輸入牛でもなく、グレインフェッド・ビーフの約2~3倍多く含まれている共役リノール酸(CLA)による脂肪燃焼作用や豊富なステアリン酸による血中コレステロール値の調整などの健康効果も期待できるグラスフェッドミートが最も適切です。値段も和牛よりも安い場合が多いです。グラスフェッドミートの詳しい記事はこちらを参照に。

 

 

まとめ~奮発して食べるべき?健康の観点からみた和牛とは。~
味の好き嫌いはあるにせよ、和牛といわばかなり贅沢な肉の代名詞。オレイン酸の含有量が高いことから、健康に良いということが伝えられていますが、そのオレイン酸もGMOによる残留農薬やカビ毒が気になるトウモロコシ飼料などを使用したことに由来することが多いのです。とはいえ、健康リスクが特に高いわけではありませんので、健康効果を期待するというよりは、ただ単純に味わいを楽しむ程度で考えておきましょう。でも、牛肉を食べるのであれば、牧草飼料で育ったグラスフェッドミートが断然おススメ。健康効果だけではなくより自然な肉本来の味が楽しめますよ。
 

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