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高血圧や脳卒中の予防効果も!? 注目すべきミネラル「カリウム」
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高血圧や脳卒中の予防効果も!? 注目すべきミネラル「カリウム」

 

汗と共に出ていってしまい、不足すると夏バテの原因にもなってしまうミネラル「カリウム」。インスタント食品や加工食品を食べる頻度が多く、濃い味付けを好んで食べてしまう方が陥りやすい塩分過多の状況で塩分の排出を手助けしてくれるのもカリウムです。カリウムは人体に多く含まれる電解質ですが、近年カリウムの積極的摂取により様々な病気の予防が期待できるという研究結果も発表されています。今回はこの「カリウム」について紹介したいと思います。

 

体内でのカリウムの働きとは?

カリウムは、英語ではポタシウム(Potassium)と呼ばれています。ナトリウムとともに細胞の浸透圧を維持しているだけでなく、神経刺激の伝達、心臓や筋肉の機能を調節する働きなどもあります。また、腎臓においてはナトリウムの再吸収を抑制し、尿中への排泄を促進するため、血圧を下げる効果もあります。

 

カリウムの1日の目標摂取量

1日の目標摂取量は成人女性2600㎎以上、成人男性3000㎎以上と設定されています。腎機能が健常なら、腎臓の調節機能により過剰分は尿中に排泄されます。したがってカリウム濃度は抑制され過剰摂取になるリスクは少ないので、上限摂取量は特に定められていません[#]“Food Data Chart - Potassium.” n.d. Accessed September 10, 2018. http://apjcn.nhri.org.tw/server/info/books-phds/books/foodfacts/html/dat....

 

目標摂取量をサプリで摂るのは非現実的?

カリウムを補給するためのサプリは、主に塩化カリウム(potassium chloride)として流通しています。塩化カリウムは、利尿剤の副作用で血中のカリウム濃度が低くなるような症状を防ぐためによく処方されることがあります。

しかし食品に比べ、カリウムが凝縮して含まれる錠剤を服用すると、それが消化管に到達した際に粘膜を傷つけてしまうという副作用が懸念されます。そのため、アメリカ食品医薬品局(FDA)は、カリウムサプリメントのカリウム量を1錠につき100㎎未満にするよう定めています[#]“CFR - Code of Federal Regulations Title 21.” n.d. Accessed September 10, 2018. https://www.accessdata.fda.gov/scripts/cdrh/cfdocs/cfcfr/CFRSearch.cfm?f.... 。この容量ですと、1日の目標摂取量をサプリで摂るのは現実的ではありません。

 

カリウムを多く含む食品

カリウムは自然界に豊富に存在する元素で、多くの果物、野菜、海藻類に含まれています。食品から比較的容易に摂取できるミネラルといえます。前述したようにカリウムサプリに関してはカリウム含有量に厳しい制限が設けられていますので、カリウムを豊富に含んだ食品から摂取するのがお勧めです。

 

トマト缶(1カップ) 2600㎎
小松菜(100g) 350㎎~450㎎
玉露緑茶(1杯) 408㎎
アボカド(半個) 648㎎
昆布(100g) 1800㎎
大豆類(100g) 1800㎎~2000㎎
サツマイモ(100g) 337㎎
サトイモ(100g) 560㎎
ほうれん草(100g) 690㎎
かぼちゃ(100g) 340㎎
バナナ(100g) 360㎎

 

これを見ると、日本人がよく摂取している食品にはカリウムが豊富に含まれているのがわかりますね[#]“Wayback Machine.” n.d. Accessed September 10, 2018. https://web.archive.org/web/20081217043521/http://www.nal.usda.gov/fnic/....  [#]食品データーベースhttps://fooddb.mext.go.jp/  [#]“Food Data Chart - Potassium.” n.d. Accessed September 10, 2018. http://apjcn.nhri.org.tw/server/info/books-phds/books/foodfacts/html/dat....

 

Japanese mustard spinach

kelp

 

カリウム摂取量増加による病気の予防効果

高血圧の予防

前述したように、カリウムは摂取しすぎたナトリウムの排出を促す働きがあります。ナトリウム(つまり塩分)過多は、たくさんある高血圧の要因の一つでしかありません。しかし、塩分摂取量が多いといわれている日本においては、塩分過多が要因の高血圧を予防することが期待できるカリウムは非常に重要なミネラルといえます[#]“DASH Diet.” n.d. Canadian Diabetes Association. Accessed September 10, 2018. http://www.diabetes.ca/diabetes-and-you/healthy-living-resources/diet-nu...

【関連記事】「「減塩」はもう古い!? 高血圧を防ぐ「適塩」生活のススメ

 

脳卒中の予防

最近欧米では、ナトリウムとカリウムの摂取量の比率が循環器疾患による死亡とどれだけ関係しているかを調べた研究が多くなされています。ナトリウムの比率が高くなると脳卒中による死亡が増加し、カリウムの比率が高くなると脳卒中の予防に寄与するという発表もあります[#]Hunt, B. D., and F. P. Cappuccio. 2014. “Potassium Intake and Stroke Risk: A Review of the Evidence and Practical Considerations for Achieving a Minimum Target.” Stroke; a Journal of Cerebral Circulation 45 (5): 1519–22.

 

このように、食事による塩分摂取量が一般的に多く、蒸し暑い夏を乗り越えなければならない日本人にとって、カリウムは注目すべきミネラルといえます。減塩も意識しながらライフスタイルに合わせて上手に食事からカリウムを取り入れていきたいですね。

 

 

著者プロフィール

-マイルバガナム-
2004年からカナダ在住。薬剤師として働いている二児のママ。複雑な家庭環境で育ったため、幼少の時から哲学、思想に興味があり、自分自身の心身を保つ為いつも心に栄養がいくような生活を送れるように意識している。身体と脳が喜ぶ食事に興味があり。自分でできる範囲のホールフーズダイエット実践中。