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早すぎない!骨粗鬆症を予防するために今からあなたが行なうべきこと
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早すぎない!骨粗鬆症を予防するために今からあなたが行なうべきこと

・70代の女性で2人に1人が患っているといわれている骨粗鬆症
・カルシウムだけではなくビタミンDやケイ素が骨密度に大きく関連
・カルシウムの吸収を妨げるフィチン酸は要注意

 

今日は特に女性の皆様に意識して頂きたい病気「骨粗鬆症」の予防方法についてシェアしていきたいと思います。まだ先の話だから大丈夫と思っている貴女も、予防を心掛けることの大切さが分かってくると思います。そのために必要な、もしくは避けた方がよさそうな栄養素・ミネラルを正しく理解していきましょう!

 

骨粗鬆症とは?その原因とは??

骨も皮膚などと同じように新陳代謝を繰り返しています。約3年で全て作り替えられると言われ、その過程(リモデリング)で骨の吸収(破壊)と形成が行なわれています[#]江澤郁子. 骨粗鬆症. 化学と生物. 1992; 30(10): 642-648. 。しかしながら、骨の吸収が形成を病的に上回ってしまうと、骨密度の低下が引き起こされます。その結果、骨が脆くなり、骨折のリスクが増大している状態を骨粗鬆症と言います[#]Kanis JA, Melton III LJ, Christiansen C, Johnston CC, Khaltaev N. The diagnosis of osteoporosis. Journal of bone and mineral research. 1994; 9(8): 1137-1141.  [#]小林正. カルシウムとビタミンDの栄養学. 健康の科学シリーズ4 成人病とビタミン. 東京; 学会出版センター: 1996. 。高齢化の進展に伴い、2015年時点で日本の骨粗鬆症患者の数はおよそ1,280万人、60代の女性で3人に1人、70代の女性で何と2人に1人といわれており、これからも増えることが予測されています[#]川口浩. 骨粗鬆症の基礎と最近の話題. 脊髄外科. 2015; 29(3): 259-266.  [#]Yoshimura N, Muraki S, Oka H. Prevalence of knee osteoarthritis, lumbar spondylosis, and osteoporosis in Japanese men and women:the research on osteoarthritis/osteoporosis against disability study. The Journal of Bone and Mineral Metabolism. 2009; 27:620‒628.

その原因として最も挙げられるのが、骨形成促進作用のある女性ホルモン(エストロゲン)の減少です。閉経後のエストロゲン減少が骨密度の低下を引き起こし、手首や背骨、大腿骨などの骨折リスクを増大させます[#]D'Amelio P, Grimaldi A, Di Bella S, Brianza SZ, Cristofaro MA, Tamone C, Isaia G. Estrogen deficiency increases osteoclastogenesis up-regulating T cells activity: a key mechanism in osteoporosis. Bone. 2008; 43(1): 92-100.  [#]Cooper C, Atkinson EJ, Jacobsen SJ, O’Fallon WM, Melton III LJ. Population-based study of survival after osteoporotic fractures. American journal of epidemiology. 1993; 137(9): 1001-1005.

次に挙げられる代表的な原因は、カルシウムの不足。ヨーロッパ人よりアジア人には骨粗鬆症が多いという結果が出ています[#]江澤郁子. 骨粗鬆症. 化学と生物. 1992; 30(10): 642-648. 。特に日本人の食生活は、乳製品を多く摂る欧米の食生活に比べカルシウム摂取量が少ないようです。また、火山国である日本の土壌が影響し、同種の食物でも欧米に比べカルシウム含有量が少ないようです[#]小林正. カルシウムとビタミンDの栄養学. 健康の科学シリーズ4 成人病とビタミン. 東京; 学会出版センター: 1996.

 

 

また、肝臓や腎臓で活性化されたビタミンDが食物や腸管からのカルシウム吸収に関与しています[#]江澤郁子. 骨粗鬆症. 化学と生物. 1992; 30(10): 642-648. 。ビタミンDの不足も近年主要な要因の1つとして挙げられています[#]Holick MF. Vitamin D: importance in the prevention of cancers, type 1 diabetes, heart disease, and osteoporosis. The American journal of clinical nutrition. 2004; 79(3): 362-371.

更に、喫煙者や過度にアルコールを摂取している被験者に骨密度の低下がより多く見られたという結果も報告されています[#] Grainge MJ, Coupland CAC, Cliffe SJ, Chilvers CED, Hosking DJ, Nottingham EPIC Study Group. Cigarette smoking, alcohol and caffeine consumption, and bone mineral density in postmenopausal women. Osteoporosis International. 1998; 8(4): 355-363.  [#]Yoon V, Maalouf NM, Sakhaee K. The effects of smoking on bone metabolism. Osteoporosis International. 2012; 23(8): 2081-2092. 。特にアルコールは腸の粘膜を傷つけ、ビタミンD の働きを抑え、カルシウムの腸管からの吸収を阻害すると言われています[#]Krishnamra N, Limlomwonse L. The in vivo effect of ethanol on gastrointestinal motility and gastrointestinal handling of calcium in rats. Journal of Nutritional Science and Vitaminology. 1987; 33: 89-98. 。 

日頃の活動量も骨密度に関係しているようです。若い男女の間でも運動をしない人よりも競技などに参加している人の骨密度の方が高いことが分かっています[#]Drinkwater BL. Exercise in the prevention of osteoporosis. Osteoporosis International. 1993; 3: 169-171. 。運動することで骨に負荷がかかり、これが「負荷がかかるから骨をもっと強くしなければ」という体の反応を促すのです。若年期での骨密度が将来の骨粗鬆症リスクに繋がることを示唆する報告かもしれません。

様々な原因で生じる骨粗鬆症、若い時期にできるだけ最大骨量を高めておくことが重要と言われています[#]Kanis JA, Melton III LJ, Christiansen C, Johnston CC, Khaltaev N. The diagnosis of osteoporosis. Journal of bone and mineral research. 1994; 9(8): 1137-1141. 。次のセクションではその予防方法を紹介します。

 

どのように予防すればよいの?

皆さんも「骨の健康のためにはカルシウムの摂取が重要!」という話を以前から耳にしたことがあると思います。体の中のカルシウムの99%は歯と骨にあると言われており、やはり牛乳・乳製品からの摂取が効果的なようです[#]江澤郁子. 骨粗鬆症. 化学と生物. 1992; 30(10): 642-648.  [#]小林正. カルシウムとビタミンDの栄養学. 健康の科学シリーズ4 成人病とビタミン. 東京; 学会出版センター: 1996. 。飲食による摂取一回に500mgを超えない量で摂取すると最も効率よく吸収されるため、成人の1日当たりの摂取量1,000-1,200mgのカルシウムは、何回かに分けて服用する必要があります[#]厚生労働省. 『「総合医療」に係る情報総合発信等推進事業』「総合医療」 情報発信サイト. [Internet]. [cited 25th May 2019]. Available from: http://www.ejim.ncgg.go.jp/pro/index.html 。ここで注意が必要なのは、カルシウムばかりたくさん摂取するだけでは意味がないかもしれないこと。

カルシウム以外で骨の健康に重要な栄養素がいくつかありますのでご紹介します。その1つが先ほどもお伝えしたビタミンD、カルシウムの「運び屋」とも言われています[#]江澤郁子. 骨粗鬆症. 化学と生物. 1992; 30(10): 642-648. 。直射日光を20-30分ほど浴びることによっても皮膚で合成されます[#]杉晴夫. 人体機能生理学 改訂第4版. 東京: 株式会社南江堂; 2004. 。晴れた日に少し散歩をする、これも骨粗鬆症予防に大切なことだったんですね。

【関連記事】「日本人が不足しがちなビタミンDと日光との気になる関係

 

 
良質なタンパク質の摂取も大切です。一般的にタンパク質に含まれているリジン、アルギニンなどのアミノ酸がカルシウムの吸収を助けます[#]Kerstetter JE, O'Brien KO, Insogna KL. Dietary protein affects intestinal calcium absorption. The American Journal of Clinical Nutrition. 1998; 68: 859-865.

酢もカルシウムの吸収を高めるようです。胃酸分泌を増加させ、カルシウムが吸収されやすくなります。魚の骨なども柔らかくなることで、これに含まれるカルシウムを大量に摂取できるという利点もあります[#]Kishi M, Fukaya M, Tsukamoto Y. Enhancing effect of dietary vinegar on the intestinal absorption of calcium in ovariectomized rats. Bioscience, Biotechnology, and Biochemistry. 1990; 63: 905-910. 。 

ビタミンD以外では、ビタミンBとKに骨粗鬆症予防との関連が示唆されています。ビタミンB12の欠乏が骨形成の抑制と関連しており摂取の必要性が報告されています。貝類、レバー、肉類全般などに多く含まれていますが、ベジタリアンが不足する栄養素の代表格です[#]厚生労働省. 『「総合医療」に係る情報総合発信等推進事業』「総合医療」 情報発信サイト. [Internet]. [cited 25th May 2019]. Available from: http://www.ejim.ncgg.go.jp/pro/index.html  [#]Tucker KL, Hannan MT, Qiao N, Jacques PF, Selhub J, Cupples LA, Kiel DP. Low plasma vitamin B12 is associated with lower BMD: the Framingham Osteoporosis Study. Journal of Bone and Mineral Research. 2005; 20(1): 152-158. 。ビタミンKは骨にあるタンパク質を活性化させ、骨の形成を促すことが知られています。納豆やワカメに多く含まれています[#]Booth SL, Broe KE, Gagnon DR, Tucker KL, Hannan MT, McLean RR, Kiel DP. Vitamin K intake and bone mineral density in women and men. The American journal of clinical nutrition. 2003; 77(2): 512-516.  [#]厚生労働省. 平成28年国民健康・栄養調査報告. 第1部 栄養素等摂取状況調査の結果. [Internet]. [cited 27th May 2019]. Available from: https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/eiyou/dl/h27-houkoku-04.pdf

 

 

また、近年注目されているのが ケイ素。骨の石灰化を促すことが報告されています[#]ugdaohsingh R. SILICON AND BONE HEALTH. The Journal of Nutrition Health and Aging. 2007;11(2): 99-110. 。研究参加者の骨密度を測定するととケイ素摂取量が多い人ほど骨密度が高いという結果が出ており、カルシウムよりケイ素摂取量の差の方が、骨密度に及ぼす影響が大きいと結論づけられています[#]Jugdaohsingh R, Tucker KL, Qiao N., Cupples LA, Kiel DP, Powell JJ. Dietary silicon intake is positively associated with bone mineral density in men and premenopausal women of the Framingham Offspring cohort. Journal of Bone and Mineral Research. 2004; 19(2): 297-307. 。これは大きなポイントですね。以前geefeeでも「肌、髪、骨の健康に効果絶大!?「ケイ素」を上手に摂取する方法」という記事で紹介しています。食物の中では、つくしなどの野草、ニンジンやジャガイモなどの根菜類、キビや小麦などの穀物に含まれていますがサプリもおすすめです[#]ugdaohsingh R. SILICON AND BONE HEALTH. The Journal of Nutrition Health and Aging. 2007;11(2): 99-110.

 

これは避けよう!骨粗鬆症予防の弊害となる成分

これまでは、予防に効果的な栄養素やミネラルについて説明しました。より効率的な摂取を行なうために、避けるべき成分についても知っておく必要があります。
 
よく「玄米を食べると骨粗鬆症になるのでは?」といわれます。これは玄米などの種子類や穀類に含まれる「フィチン酸」とカルシウムが結合すると吸収されにくくなるからだと考えられています。フィチン酸自体が避けるべき反栄養素であり、骨を形成するカルシウムの吸収も妨げるので、geefeeとしては玄米よりも白米をオススメします。

【関連記事】「玄米VS白米、本当に健康にいいのはどっち?

 

 

シュウ酸は野菜を茹でた時に出るいわゆる「アク」の正体の一つ。小松菜などにはカルシウムが多く含まれていますが、シュウ酸がカルシウムと結合して吸収を妨げます[#]山田惠子. 骨粗鬆症と食生活. ビタミン. 2003; 6: 1-8. 。主にホウレンソウ、ツルナ、ツルムラサキ、ミョウガ、ミツバ、ショウガ等に含まれますが、加熱調理によって破壊されますので、これらの野菜を食べる場合には火を通してからにしてくださいね。

食塩の主成分であるナトリウムですが、過剰な摂取は血中のカルシウムを尿中に放出させる効果があります。その結果、骨に蓄えられたカルシウムが血液中に溶け出て濃度を補おうとしてしまう、という現象が起きます[#]森本茂人. 高血圧と骨粗鬆症. 日本医師会雑誌. 1993; 112(3): 21.  [#]荻原俊男. 老年者高血圧の特徴と対策. 日本老年医学会雑誌. 1993; 30(11): 932-940. 。やっぱり適度な減塩が体に色々な意味でよさそうです。

 

今回は骨粗鬆症を引き起こす骨密度の低下をいかにして予防し、健康で丈夫な骨を作るかをシェアしました。多くは食物に関することでしたが、運動も積極的に行ないましょう。座っている時間や寝ている時間を減らし、骨に体重がかかる機会を増やすことで、カルシウムの骨への沈着が促進されます[#]杉晴夫. 人体機能生理学 改訂第4版. 東京: 株式会社南江堂; 2004.  [#]楊鴻生. 骨粗鬆症と運動療法. 産婦人科治療. 2002; 84: 429-435. 。 その相互作用が将来の健康的な生活の土台となることでしょう。