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ビタミンDの生成だけじゃない。日光浴のスゴイ健康メリット
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ビタミンDの生成だけじゃない。日光浴のスゴイ健康メリット

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・光の明暗で概日リズムが設定される
・概日リズムの乱れは睡眠トラブルにつながる
・体内時計のリセットに室内の明かりは光量不足
・日光は心や脳の健康に不可欠
・免疫系疾患や癌にも日光が影響
 

 

太陽の光は健康の源。日光浴はビタミンDの生成という健康にとってとっても大切な働きがあるということは以前の記事で扱いました。でも日光の健康効果これだけではなく、もっともっと深いのです。例えば、概日リズム(体内時計)の調整、眠りや目覚めの改善、脳機能の活性化とアルツハイマーのリスク低下、免疫力の向上、などなど、心身ともに多くのメリットをもたらしてくれます。人の生活を大きく左右する概日リズムと日光の関係を中心に、太陽の光と人の健康との切っても切れない関係についてお話します。

 

体内時計を決定づけるのは光の明暗

紫外線のリスクなど日光はとかく悪者扱いされがちですが、太陽の光なくして人の健康はあり得ません。例えば、骨の強化や癌リスク低減のメリットで知られるビタミンDは、太陽の光を浴びることで体内で生成され、日々の生活の基本となる概日リズムも日光で設定されるのです。

概日リズムとは哺乳類に備わっている体内時計のことで、24時間周期で行動や身体機能を制御しています。体全体の概日リズムを決定づけるマスタークロックは脳内の視交叉上核という場所にあり、目から入る光の明暗により体内時計をセットします[#]Honma K “Biological clock and sleep” n.d. Accessed November 25, 2019. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22647471. 。朝の明るい光で体内時計にスイッチが入ると身体機能が活発に動き出し、日が暮れて光を感じなくなると体内時計がオフになり睡眠へと誘うのです。

近年は昼間の太陽を浴びずに薄暗い屋内で長時間過ごしたり、煌々と輝く光の中で夜間を過ごしたりなど、光同期生クロックを混乱させるような生活スタイルが一般的になっています。青年期や早期成人期はホルモン変化の影響もあり、概日リズムが一日2時間遅れるようなこともあるそうです[#]“Recent Worldwide Sleep Patterns and Problems during Adolescence: A Review and Meta-Analysis of Age, Region, and Sleep.” 2011. Sleep Medicine 12 (2): 110–18. 。朝起きるのが遅く夜寝るのも遅いのは、だらしがないのではなくて、概日リズムが乱れているせいかもしれません。

 

概日リズムが狂うと人の健康も狂いだす

睡眠と健康が密接な関係にあることは周知の事実ですが、睡眠の質を左右するのも概日リズムです。24時間の体内時計が正しく朝と夜を刻まなければ、「夜、眠れない」「眠りが浅い」「朝、きちんと目覚めない」などの睡眠障害につながります。

例えば、夕方以降に強い光の下で過ごすことで脳が昼間だと勘違いして安眠できなかったり、逆に朝の光をしっかりと浴びないために脳がしっかりと目覚めずに、身体機能がうまく働かなかったりすることも[#]Honma K “Biological clock and sleep” n.d. Accessed November 25, 2019. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22647471.

昼間は日光が不足し、夜間に過剰な光を浴びることが多い現代人は、知らず知らずのうちに太陽の恵みを遠ざけ、自分の健康も損なっている可能性が高いのです。特に夜間勤務の人は概日リズムの乱れが原因で健康被害に悩まされることが多く、昼間勤務の人と比べて最大で寿命が6年縮まる可能性が研究によって指摘されています[#]n.d. Accessed November 25, 2019. https://www.researchgate.net/publication/5322966_Do_Permanent_Night_Work....

概日リズムの乱れが原因の睡眠障害には、昼間にしっかりと光を浴びて夜間はなるべく光を避けるなど、自然の状態に近い生活へと暮らしを改善することが大切です。ただし、概日リズムを正すには人工のライトでは一般的に光量が足りません。自然光は室内の光の約250倍。仕事のお昼休みの30分間だけでも外に出て太陽を浴びるように心がけましょう。

 

 

 

健康には太陽の光が不可欠

日光が人の概日リズムに深く関わっていることは上記の通りですが、太陽の光を浴びることで具体的に健康にどんな影響があるのでしょう。下記に代表的なメリットをご紹介します。

 

メンタルヘルスの改善・予防
日光が足りないと季節性情動障害(SAD)といううつ病を発祥することがあります。日照時間が短くなる冬の時期に多く見られますが、太陽の光が目から脳に伝わることで、幸せホルモンのセロトニンの生成が促進されます[#] Et al Lambert GW. n.d. “Effect of Sunlight and Season on Serotonin Turnover in the Brain. - PubMed - NCBI.” Accessed November 25, 2019. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/12480364. 。結果、うつ病の改善や予防に役立つと考えられるのです。

 

血圧の低下
皮膚に太陽光を浴びると血圧を低下させる一酸化窒素が血管に放出されることがエジンバラ大学の研究者グループにより発見されました。血圧が下がると脳卒中や心臓発作などの重大疾患のリスクが軽減します。

 

認知機能・アルツハイマーの症状を改善
 研究により、1700人を超える65歳以上の男女のビタミンDのレベルを評価したところ、被験者のビタミンDのレベルが低いほど認知機能テストでのパフォーマンスに悪影響を与えることが分かっています。高レベルのビタミンDの摂取量が、認知機能を軽減するというデータはありませんが、低レベルのビタミンDの摂取は、認知機能障害と深く関連しています。このことから、日光は脳の海馬の神経細胞の成長に一役買うと考えられています[#]Welland, Diane. n.d. “Does Vitamin D Improve Brain Function?” Accessed November 25, 2019. https://doi.org/10.1038/scientificamericanmind1109-14. 。海馬は記憶の形成や保存などをつかさどる重要な器官。海馬の機能が向上すると記憶力や学習機能がぐんと向上します。

また、アルツハイマーの患者に午前9時から午後6時まで明るい光を与え3年半過ごさせたところ、認知障害を5%軽減、うつ病の症状を19%減少、アルツハイマーの症状が改善することが研究により明らかになりました[#]Amanda Gardner “ Adding Light Eases Behavioral Problems of Dementia ” n.d. Accessed November 25, 2019. https://health.usnews.com/health-news/family-health/articles/2008/06/10/... 。光同期生クロックが正常に働き、概日リズムが整ったことが原因と考えられます。

 

皮膚疾患の改善
太陽の光を適切に浴びることで、乾癬やアトピー性皮膚炎、にきびなどの真菌性皮膚感染症の治癒に役立ちます。4週間の間、屋外で日光浴療法を行った乾癬患者の84%が大幅に症状が軽減したという報告があります[#]Et al Kazandjieva J. n.d. “Climatotherapy of Psoriasis. - PubMed - NCBI.” Accessed November 25, 2019. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/18755366. 。この日光浴療法は紫外線の影響などを考慮に入れつつ、医師の指導の下で行いましょう。

 

免疫システムの強化
太陽光は先に挙げた乾癬などの自己免疫疾患の治療に好影響を与えます。また、白血球を増加させることで病への抵抗力を高めて、乾癬や病原菌から身体を守ります。

 

癌リスクの軽減
ビタミンDが欠乏すると乳がんや大腸がんなど、癌の罹患リスクを高めます。適切な量の日光を浴びてビタミンDの生成を促進することで、癌のリスクを軽減することが期待できます。ビタミンDを十分に体内に供給することで、癌発症のリスクが60%も低下するという研究報告もあります[#]Lappe, Joan M., Dianne Travers-Gustafson, K. Michael Davies, Robert R. Recker, and Robert P. Heaney. 2007. “Vitamin D and Calcium Supplementation Reduces Cancer Risk: Results of a Randomized Trial.” The American Journal of Clinical Nutrition 85 (6): 1586–91.

 

 

 

質の良い睡眠をとることや、規則正しい生活を送ることは、人の健康に不可欠です。そして、その健康生活の軸となる概日リズムは太陽の光によってセットされるもの。脳に覚醒と安静を告げる太陽の光は人の健康の源です。一日のうちに自然の太陽を浴びる時間を取り入れると健康促進や能力アップにもつながりますので、室内で過ごすことが多い人は、ぜひ、朝方の15分~20分位を目安に、週に3回程度、直接肌を露出しての日光浴を習慣づけてみてはいかがでしょうか。