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うつ病と深い関係が!心と脳の健康に欠かせない栄養素“ビタミンD”
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うつ病と深い関係が!心と脳の健康に欠かせない栄養素“ビタミンD”

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・うつ病は10人に1人がかかる疾患
・ビタミンDの欠乏はうつ病と深い関わりが
・ビタミンDによるうつの治療効果はまだ不明
・ビタミンDサプリの摂取は容量に気を付けて

 

心の風邪といわれるほど身近な存在ながら、まだまだ未知の部分が多いうつ病。世界中で原因究明や治療法の研究が進む中、うつ病と体内のビタミンDの濃度に密接な関係があることがわかってきました。ビタミンDの欠乏とうつ病の関係とは? また、ビタミンDを利用したうつ病予防・治療とは? 世界の最新の研究報告に迫ります。

 

もしかして、うつ病? 臨床から見た“うつ”とは

うつ病の認知度が上がるにつれ、「最近、うつっぽいかも」と、心の不調を訴える声があちこちで聞かれるようになりました。アメリカや日本では10人に1人がうつ病といわれ、厚生労働省が行った2016年の調査では、111万6000人の日本人がうつ病で医療機関を受診していることがわかりました[#]厚生労働省. 患者調査の概況 [Internet]. [cited 21st August 2018]. Available from: https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kanja/14/index.html

気分が沈んだり悲しみがこみ上げたりというのは誰もが経験すること。一般的な落ち込みであれば、時が経つとともに悲しみが薄れ、やがて元気を取り戻すものです。うつ病が疑われるのは、心がどん底で苦しいまま全く気分が回復しない状態が数週間以上続いているとき。「生きることに興味を失い何も楽しめない」「決断力が鈍くなり物事に集中できない」「いつも気分が沈んでいる」「睡眠困難で疲れやすい」「絶望感を感じる」などのつらい状態がずっと続くようなら、うつ病かもしれません[#]Royal College of Psychiatrists. Depression [Internet]. [cited 21st August 2018]. Available from: https://www.rcpsych.ac.uk/mentalhealthinfoforall/problems/depression/dep... [#]Mind for better mental health. Depression [Internet]. [cited 21st August 2018]. Available from: https://www.mind.org.uk/information-support/types-of-mental-health-probl...

うつ病は投薬や適切なカウンセリングで症状の緩和や治療が可能ですが、薬が全く効かずに何年も何十年も絶望感や不安感に苦しむ人がいるのも事実。よくある病気ながら、反復性・難治性のある厄介な病でもあるのです。しかし、そんなうつ病も、世界中の研究者のたゆまぬ努力で疾患の謎が徐々に解明されており、最近ではビタミンDがうつ病の罹患と関係があることがわかってきました。

 

 

うつ病になりやすいのはどんな人? ビタミンDとの関係は?

ストレスフルな生活や急な環境変化など、うつ病が発症する要因は多々ありますが、糖尿病や心臓病など長期にわたる疾患を抱えている人、喫煙や過剰な飲酒など不健康な生活を送っている人、45~64歳の人、女性、黒人またはヒスパニック系の人が比較的罹患しやすいという調査結果があるそうです[#]U.S. Department of Health & Human Services. Centers for Disease Control and Prevention. Depression [Internet]. [cited 21st August 2018]. Available from: http://www.cdc.gov/features/depression/

また、今回新たに注目されているのが、血中のビタミンDの量。ビタミンDは幸福感や安定感をもたらすセロトニンなどのモノアミン神経伝達物質の量に影響を与えることから、血液中のビタミンDを増やすことでモノアミンも増加し、うつ病の治療に役立つのではないかと考えられているのです[#]Kjærgaard M, Waterloo K, Wang CE, Almås B, Figenschau Y, Hutchinson MS, Jorde R. Effect of vitamin D supplement on depression scores in people with low levels of serum 25-hydroxyvitamin D: nested case—control study and randomised clinical trial. The British Journal of Psychiatry. 2012; 201(5): 360-368.

3万1424人を対象に行われた調査では、うつ病の人は血中のビタミンDレベルが低く、ビタミンD濃度が高くなればなるほどうつ病の割合が減少することがわかりました。ただし、ビタミンDの欠乏がうつ病を招くのか、うつ病になったからビタミンDが少なくなるのかは残念ながら不明のままです[#]Anglin RE, Samaan Z, Walter SD, McDonald SD. Vitamin D deficiency and depression in adults: systematic review and meta-analysis. The British journal of psychiatry. 2013; 202(2): 100-107.

ビタミンDのうつ病治療効果を検証したノルウェーの調査では、低ビタミンDの人は高ビタミンDの人に比べてうつ症状の強い人が多いことがわかったものの、血中のビタミンD濃度が低い人に1日40000IUのビタミンDサプリメントを6週間に渡り投与しても、うつの治療効果は確認できませんでした[#]Kjærgaard M, Waterloo K, Wang CE, Almås B, Figenschau Y, Hutchinson MS, Jorde R. Effect of vitamin D supplement on depression scores in people with low levels of serum 25-hydroxyvitamin D: nested case—control study and randomised clinical trial. The British Journal of Psychiatry. 2012; 201(5): 360-368.

しかし、この実験結果を受けて、ビタミンDサプリメントがうつ病に効果がないと決めつけるのは早計です。うつ病は病歴が長ければ長いほど、治癒に時間が必要になります。ビタミンD投与の臨床実験もより長期間で実施するなど、さらなる調査報告が望まれます[#]Dean AJ, Bellgrove MA, Hall T, Phan WMJ, Eyles DW, Kvaskoff D, McGrath JJ. Effects of vitamin D supplementation on cognitive and emotional functioning in young adults–a randomised controlled trial. PloS one. 2011; 6(11): e25966

 

ビタミンDをサプリメントで補って幸せ気分に?

ビタミンDは食物から摂取する必要がある他のビタミンとは異なり、皮膚が太陽光を浴びることで体内で合成できる栄養素[#]大成浄志. 標準理学療法学・作業療法学 専門基礎分野 内科学 第2版. 東京: 株式会社医学書院; 2004.  [#]杉晴夫. 人体機能生理学 改訂第4版. 東京: 株式会社南江堂; 2004. 。日照時間の短い冬期にのみ発生する季節性うつ病などの存在を考えると、日照時間とビタミンD、うつ病の関係性が浮かび上がってきます[#]Holick MF. Vitamin D deficiency. New England Journal of Medicine. 2007; 357: 266-281. 。また、太陽の下で過ごすと心地よく、気分もリラックスしますよね。これは、主に太陽を浴びることで幸福ホルモンのβエンドルフィンが増加するから[#]Holick MF. Biological effects of sunlight, ultraviolet radiation, visible light, infrared radiation and vitamin D for health. Anticancer research. 2016; 36(3): 1345-1356. 。βエンドルフィンとビタミンDも関連性があるのです。

うつ病はいろいろな原因が重なり合って心と脳に支障をきたす病気です。治療や予防方法もその人それぞれで異なるため、誰にでも効く万能薬を見つけることは困難と思われますが、ビタミンDとうつ病の関連性は今後も目が離せないところ。ビタミンDによるうつ病の治療効果に関してはさらなる調査を待つ必要があるものの、ビタミンD量とうつ病が密接な関係にあることは、血栓による虚血性脳卒中を患った人を対象として行った中国の調査結果やフィンランドの横断研究など、さまざまな研究で報告されています[#]Yue W, Xiang L, Zhang YJ, Ji Y, Li X. Association of serum 25-hydroxyvitamin D with symptoms of depression after 6 months in stroke patients. Neurochemical research. 2014; 39(11): 2218-2224.  [#]Jääskeläinen T, Knekt P, Suvisaari J, Männistö S, Partonen T, Sääksjärvi K, Kaartinen NE, Kanerva N, Lindfors O. Higher serum 25-hydroxyvitamin D concentrations are related to a reduced risk of depression. British Journal of Nutrition. 2015; 113(9): 1418-1426.

いずれにしても、ビタミンDは体内で様々な重要な働きがあり、血中の低ビタミンDは好ましいことではありません。身体と心の健康のためにもビタミンDサプリメントを摂取して、ビタミンの濃度を高めてみてはいかがでしょうか。

 

 

ビタミンDカウンシルという米国の医師主催の非営利団体によれば、1日に5000IUの摂取を推奨しており、最大でも10000IUまでとのこと。水溶性ビタミンと違い、ビタミンDは過剰摂取すると体はそれを排出しにくいため、摂りすぎにはご注意を。ビタミンDにはいろいろな種類がありますが、特にビタミンD3という形態のもの(日光浴で体内で合成されるのと同じ種類のビタミンD)を同団体は推奨しています。信頼性が高いと評価されているメーカーのビタミンD3サプリには、例えばこのようなものがあります。もちろん適度な日光浴もおススメ。ただし、ビタミンDは抗うつ剤の代わりとなるものではありません。

すでにうつ病に罹患している人は、担当の医師に相談したうえでご対応くださいね。