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連載コラム カナダ在住薬剤師が伝授!実践サプリ講座(2)摂るべきサプリメントトップ10

連載コラム カナダ在住薬剤師が伝授!実践サプリ講座(2)摂るべきサプリメントトップ10

 

今回は、『シリコンバレー式 自分を変える最強の食事』の著者で米国を代表するバイオハッカーの一人であるアスプリー氏のブログに紹介されている、摂るべきサプリメントトップ10をご紹介します。このトップ10リストは、主に北米人をベースに語っているので、すべてが日本人に当てはまるとはいえないのですが、食事が欧米化している人であればあるほどこのリストが有用であろう、ともいえます。日本人にも合ったアドバイスと思われる情報をこのブログ記事から紹介したいと思います。

 

サプリメントに対する考え方(読者の皆さんはどのグループに入りますか?)

1)サプリは自然のものではないので摂るべきではない。必要な栄養素はすべて食品から摂るべき!!
2)食事が偏ったり、ストレスの多いこの世の中ではサプリは必要。
3)1)でも2)でもなく中立的立場。

アスプリー氏は3)のスタンスで語っています。その個人に合ったサプリメントは健康状態を大幅に改善することができるが、間違ったサプリメントはかえって害になる、とも言っています。

 

まずは、マルチビタミン剤を捨てよう

アメリカ人の約半数がマルチビタミンを摂取しています。1錠で多くの栄養素をカバーできると思って摂取しているのか、実際カナダの私が働く薬局の患者さんも皆マルチビタミンを摂っています。ですがこのマルチビタミン剤には思わぬ落とし穴があるとここでは語られています。

理由1)配合
あなたにとって必要なビタミンの種類、量は決して他の人にとって最適な種類、量ではありません。考えてみましょう。たとえば2児のフルタイムママとプロのアスリートは同じマルチビタミン剤で必要分をカバーできるでしょうか?

理由2)品質
安いマルチビタミンでは、栄養素を錠剤にするために製造過程でたくさんの添加物が加えられます。また、個別の材料の品質にも疑問が残ります。

 

それならばどのように栄養素を摂取するのがいいのか?

答えは……
やはり食品から摂るのが最良の方法と語っています。

理由として、食品から摂取する栄養素のバイオアベイラビリティ(生物学的利用能)はサプリから摂るよりもずっと高いということ。ですから栄養素に注目した食品の選択、そして摂取が最重要だといえます。

ただ、食品でもしっかりと産地、そして製造過程をチェックすることも大切だといえます。いくら新鮮そうにみえる食品でも、その産地の土壌が汚染されていたら摂取する意味がありません。もし疑問に思ったら摂取しないことです。

 

 

1日に100種類以上のサプリを摂取しているアスプリー氏がおすすめするサプリトップ10

1. ビタミンD

アスプリー氏はビタミンDが最も重要なサプリだと語っています。このビタミンは日光を浴びることによって人間の体内で生成させることができますが、現代社会のライフスタイルでは十分な量のビタミンDを体内で作り出すことは難しいと考えられます。なお、ビタミンDにもいろんな種類がある中で、ビタミンD3が最も有効であるとしており、ビタミンK2と同時に摂ることも勧めています。朝に摂ることを推奨。

推奨摂取量 体重11㎏につき1000IU/日

【関連記事】「うつ病と深い関係が!心と脳の健康に欠かせない栄養素“ビタミンD”

【関連記事】「日本人が不足しがちなビタミンDと日光との気になる関係」               
 

 

2. マグネシウム

マグネシウムもビタミンDと共に大変重要なサプリです。このミネラルが不足すると、脈が乱れる、筋肉がつる、頭痛などのさまざまな症状が出てきます。それだけこのミネラルは体内においてさまざまな働きをしているのです。推奨する形態はMagnesium Citrate, Magnesium Malate, Magnesium Glycinate, Magnesium Threonate, Magnesium Orotate(薬剤師として一言:急に摂りすぎると下痢したりするのでゆっくりと量を増やしましょう)。就寝前に摂ることを推奨。

推奨摂取量 200-800㎎/日

 

3. ビタミンK2

ビタミンKは通常緑黄色野菜に含まれていますが、それはビタミンK1。K2はグラスフェッドの牛や羊の胃のなかでK1からK2に変換されます。アスプリー氏はビタミンK2は循環器系疾患防止に重要な役割を果たすと語っています。食事時に摂ることを推奨。

推奨摂取量 2000mcg/日

 

4. ビタミンC

おなじみのビタミンCは強力な抗酸化作用を持っています。多くの研究では1日120㎎まで副作用なく安全に服用できるといわれていますが、アスプリー氏はそれ以上の1000~2000㎎まで摂った方がより効果的だと語っています。実際日本でも美容皮膚科などで1000㎎のビタミンCを処方していますよね。朝と夜に摂ることを推奨。

推奨摂取量 1000-2000㎎/日

 

5. ヨウ素

甲状腺の働きに大きな役割を果たすヨウ素。海藻などに多く含まれていて日本人は欧米人に比べて摂取できているケースも多いと思いますが、それでも甲状腺機能低下症などで悩んでいる方も多くいます。ただし、甲状腺異常の方は服用の前に必ず医師に確認してください。1日1回、食事と共に。

推奨摂取量 150mcg-1000mcg(1g)/日 (薬剤師から一言:これはヨウ素を食品から摂ることが比較的少ない欧米人の推奨摂取量です。海藻等をよく摂る日本人はヨウ素摂取には注意が必要です。)

【関連記事】「冷え症や疲労は、もしかしたらヨウ素不足かも?和食好きはヨウ素過多の可能性も?

 

6. クリルオイル(EPA・DHA)ーオメガ3

オメガ3脂肪酸はみなさんにもおなじみの言葉ですよね。エゴマ、青魚などにも含まれていて炎症などを鎮める作用があるといわれています。アスプリー氏はグラスフェッドの肉や天然の小魚などを食べることによってこのEPA・DHAを摂取できると語っていますが、それが難しい場合は粗悪な魚油からのサプリを摂るよりクリルオイルから抽出されたサプリを勧めています。重金属を含んだり酸化しているような粗悪品は摂らない方が余程健康に良いです。食事時に摂ることを推奨。

推奨摂取量 500㎎-1000㎎/日

【関連記事】「欠乏すると心と身体に大ダメージ!オメガ3の重要性と摂取法
 

以上が、アスプリー氏が推奨する、多くの人に有効なベーシックなサプリ。7番以降は、さらにその先を追求したい人向けです。

 

7. ビタミンA

ビタミンAは摂取しにくいビタミンです。なぜなら動物の腎臓、肝臓、心臓などに含まれていて日常的に私たちの口にはあまり入らない食品に存在しているからです。人参などに多く含まれているベータカロチンは体内でビタミンAに変換されますが、変換率がとても低いのでベジタリアンの方はとくにサプリとして摂取することを勧めています。推奨形態はレチノール。食事時に摂ることを推奨。

推奨摂取量 10000-15000IU/日(薬剤師から一言:ビタミンAは脂溶性ビタミンですので過剰摂取すると副作用を起こします。また妊婦などは高用量のビタミンAを摂取すると出生異常を起こすこともあります。摂取量には非常に注意が必要です)

 

8. チロシン(アミノ酸)

アスプリー氏はこのアミノ酸を精神的、肉体的なストレス、また心の状態(気分)をもちあげる作用があると語っています。ある研究では、戦闘訓練中の軍隊にこのサプリを投与すると精神的なダメージが少ないという結果も出ているようです。摂るタイミングは特に気にしないでよいとのこと。

推奨摂取量 500-2000/日

 

9. 亜鉛と銅

亜鉛は免疫系を高める作用があり、不足すると体にさまざまな支障が出ます。また、食事から十分な量を摂取することが難しく、そして亜鉛を摂取しすぎると銅欠乏が生じるので、亜鉛と銅の両方を含んだサプリを摂ることを勧めています。鉄分やカルシウムやフィチン酸と同時に摂ると吸収が阻害されるので要注意。

推奨摂取量 15㎎の亜鉛と1-2㎎の銅/日(薬剤師から一言:亜鉛を摂取すると銅が減少するので亜鉛銅の合剤が良いのですが、銅自体は食品から摂取できているので銅単体のサプリは取らない方が良いでしょう。)

 

10. 葉酸とビタミンB12

ビタミンB12はDNA合成やエネルギー産生などの多くの代謝に関与しており、また、脳の健康にも重要。ビタミンB12は体内で葉酸の再生産に利用されています。アスプリー氏は、葉酸を摂取しないことによるビタミンB12欠乏症の危険性を挙げ、ビタミンB12と葉酸の両方を摂る重要性を強調しています。食事時に摂ることを推奨。

推奨摂取量 5㎎のビタミンB12と800mcgの葉酸
 

 

このようなサプリは個人のライフスタイル、食生活に合わせた摂り方をしないといけないとアスプリー氏は語っています。みなさんも上記を参考に、自分に必要だと思われるサプリを日々の生活に取り入れてみてはいかがでしょう。

※記載されている推奨摂取量は体質や体重等などの個人差で大幅に変わってきますので、あくまでも目安としてご参考ください。

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著者プロフィール

-マイルバガナム-
2004年からカナダ在住。薬剤師として働いている二児のママ。複雑な家庭環境で育ったため、幼少の時から哲学、思想に興味があり、自分自身の心身を保つ為いつも心に栄養がいくような生活を送れるように意識している。身体と脳が喜ぶ食事に興味があり。自分でできる範囲のホールフーズダイエット実践中。

 

 

 

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