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連載コラム カナダ在住薬剤師が伝授!実践サプリ講座(9)ポリフェノールの秘めたる力
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連載コラム カナダ在住薬剤師が伝授!実践サプリ講座(9)ポリフェノールの秘めたる力

 

ポリフェノールって何?

ポリフェノールは植物細胞の様々な生理作用を助ける働きを持つ有機化合物の総称でほとんどの植物に多かれ少なかれ含まれています。植物によってそれぞれ違った種類のポリフェノールが含まれています。

例としては

  • カテキン(緑茶)
  • アントシアニン(ベリー系)
  • ケルセチン(玉ねぎ、ブロッコリ等)
  • クルクミン(ウコン)
  • ショウガオール(ショウガ)
  • クロロゲン酸(コーヒーポリフェノール)
  • ルチン(主にソバの実に含まれる)

等等。種類は無数にあるのです。
 

植物性ポリフェノールには一般に苦みがあり、その苦みとは害虫や病原菌から逃げることができない植物が生み出した防御機能だという専門家もいます。昆虫や動物が嫌うこの苦み成分を人が微量に摂取すると、体内のストレス反応によりホルミシス効果と呼ばれる作用を誘起します。このホルミシスとは軽度のストレスを体にかけると体内で生存能力を強化する反応が起こり、ストレス前に比べその能力が強くなるという作用です。エクササイズによる心臓、筋肉への負担、医師の指示の元に行われる絶食療法などもこのホルミシス作用を利用した身体の強化作用だといえます。ポリフェノールを摂取することにより体内で生存能力を強化するエクササイズ反応が行われているなんて本当に興味深く、これからもっと研究してほしい分野ですね

ところで、ポリフェノールといえば皆さん何をイメージしますか?やはり赤ワインではないでしょうか?1990年代にボルドー大学の教授が、フランスやスイスに住む人々は肉やチーズなどの乳製品等と動物性脂肪を大量に摂取しているにも関わらず心疾患系による死亡率が少ない理由の一つとして、一緒に摂取している赤ワインのポリフェノールであるレスベラトロールの作用ではないかという説を発表しました。これがいわゆる「フレンチパラドックス」の始まりなのです。

そして、その後日本を含む世界中で赤ワインブームが到来しましたね。

さて、赤ワインにポリフェノールが多く含まれているのは事実ですが、やはりお酒ですので、効果が期待できるような量のポリフェノールを赤ワインで摂ろうとするととんでもない量のアルコールも一緒に飲むことに。なので、健康にいいからと思ってワインを無理して飲むのではなく、サプリなどを活用するのがおススメ。そこで今回は特にgeefeeとして注目しているポリフェノールの種類を中心に、サプリや食事でのおススメの摂取法をご紹介します。

 

レスベラトロール

ポリフェノールの一種で赤ブドウに多く含まれています。そのためフレンチパラドックスとの関係でこのレスベラトロールの秘めた健康効果を探ろうと多くの研究がなされています。
現在研究されているレスベラトロールの効果には次のようなものがあります。

 

その中でも現在最も注目すべき研究として、レスベラトロールが脳の海馬に作用し脳の加齢性変化防止する効果に関する研究が挙げられます。(詳しくはこちらの記事)

脳の海馬とは記憶、学習、気分といった脳機能に関与していますが、加齢に従いその機能が低下して記憶障害や、鬱傾向などの症状が引き起こされることがあります。ですが、このレスベラトロールが海馬の神経細胞を再生させ、認知機能を改善させるのではないかと多くの研究者が注目しています。

マウスを使った研究でレスベラトロールを多く含んだ赤ワインを3週間飲ませたマウスの海馬の神経細胞が飲ませていないマウスに比べて2倍に増加していたといったとても興味深い結果も発表されています[#]Dias, Gisele Pereira, Graham Cocks, Mário Cesar do Nascimento Bevilaqua, Antonio Egidio Nardi, and Sandrine Thuret. 2016. “Resveratrol: A Potential Hippocampal Plasticity Enhancer.” Oxidative Medicine and Cellular Longevity 2016. https://doi.org/10.1155/2016/9651236.  [#]Kodali, Maheedhar, Vipan K. Parihar, Bharathi Hattiangady, Vikas Mishra, Bing Shuai, and Ashok K. Shetty. 2015. “Resveratrol Prevents Age-Related Memory and Mood Dysfunction with Increased Hippocampal Neurogenesis and Microvasculature, and Reduced Glial Activation.” Scientific Reports 5 (January): 8075.  [#]“Website.” n.d. Accessed January 2, 2019. https://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/2010791718.pdf.

1日許容摂取量 450㎎/日 程度(体重60㎏として[#]Edwards JA et al., Safety of resveratrol with examples for high purity, trans-resveratrol, resVida((R)). Ann N Y Acad Sci, 1215, 131-137. (2011)

また、体重1kgにつき1mg(体重60㎏で60㎎の摂取量)が高用量のレスベラトールとして発表されていますが、1日1800㎎を投与した動物実験では3-4か月で使用動物が死亡するという結果や1日5000mg高用量摂取で患者の腎障害が認められ実験が中止された報告もあるため注意が必要です[#]Mukherjee, Subhendu, Jocelyn I. Dudley, and Dipak K. Das. 2010. “Dose-Dependency of Resveratrol in Providing Health Benefits.” Dose-Response: A Publication of International Hormesis Society 8 (4): 478. 。よって、ポリフェノールの適量投与でホルミシス効果が期待されますが多量投与では体内にかかるストレスが過度になり、毒性の方が強く出てしまう恐れがあります。

ここで買えます。geefeeスタッフも使用しているオーガニックのちょっと高級なサプリです。

 

マキベリー

南米パタゴニア地方を原産地とするベリー系のフルーツです。
日本でも流通はしていますが、知名度はまだまだ低いです。マキベリーはビタミンA、C、ミネラルを含みアントシアニンというポリフェノールを大変多く含んでいます。市場ではアサイに続く「スーパーフルーツ」ともいわれています。アントシアニンの強力な抗酸化作用が肌の老化抑制をはじめ様々な老化防止効果があるといわれています。

摂取量) 450㎎/日[#]“Website.” n.d. Accessed January 2, 2019. https://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/2010791718.pdf.

ここで買えます。オーガニックですが、比較的お求めやすい価格です。

 

ブルーベリー

皆さんにおなじみのブルーベリーですが、このブルーベリーもアントシアニンが多く含まれており、様々な抗酸化による老化防止についての研究がなされています。ただし、ブルーベリーは皮が付いたまま食べるため、残留農薬が気になります。オーガニックのブルーベリーは高価ですので、オーガニックのサプリなども活用できますよね。

geefeeスタッフが特に利用しているのがオーガニックのブルーベリーをフリーズドライした製品。サクサクして甘すぎず、手軽な健康スナックになります。

摂取量 40-90㎎/日 新鮮なベリー50gに含まれているアントシアニン量[#]Krikorian, Robert, Marcelle D. Shidler, Tiffany A. Nash, Wilhelmina Kalt, Melinda R. Vinqvist-Tymchuk, Barbara Shukitt-Hale, and James A. Joseph. 2010. “Blueberry Supplementation Improves Memory in Older Adults.” Journal of Agricultural and Food Chemistry 58 (7): 3996.

 

 

コーヒー・緑茶もポリフェノールの宝庫

最後に、皆さんが毎日楽しんでいるコーヒーや緑茶もポリフェノールを多く含んでいるのですよ!緑茶は日本ではカテキンとして紹介されて既に有名ですが、実はコーヒーもクロロゲン酸というコーヒーポリフェノールが多く含まれているのです。ポリフェノール含有量は赤ワインと同じくらい、緑茶の2倍ほどの含有量です。このコーヒーポリフェノールには様々な効能が発表されています[#]Tateishi, Emi, Li-Kun Han, and Hiromichi Okuda. 2004. “Effect of a Hot-Water Extract from Coffee Beans on the Postprandial Blood Glucose Concentration in Rats.” The Japanese Journal of Nutrition and Dietetics 62 (6): 323–27.

  • 糖質分解酵素阻害効果(糖質の吸収を穏やかにする)
  • 抗酸化作用
  • 血糖値の上昇抑制(食後のコーヒーは特にこの作用が期待されます)

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もともとポリフェノールは植物が外敵から身を守ったり植物細胞の活性化の為に作られる成分ですので、その成分に何か人間の健康維持を助ける秘めたる力があるというのは何か奥深いものを感じますね。

 

著者プロフィール

-マイルバガナム-
2004年からカナダ在住。薬剤師として働いている二児のママ。複雑な家庭環境で育ったため、幼少の時から哲学、思想に興味があり、自分自身の心身を保つ為いつも心に栄養がいくような生活を送れるように意識している。身体と脳が喜ぶ食事に興味があり。自分でできる範囲のホールフーズダイエット実践中。