私たちの毎日は、スマートフォン、会社でのコンピューターを使ったデスクワーク、電車の中でさえLEDスクリーンを使った広告など目を酷使するものばかり。今や寝ている時以外目を休ませることがほとんど不可能になってきました。子供たちの近視になる年齢も年々若くなり[1] 、裸眼視力は年々低下している悲しい現状があります[2]。
目の健康を保つには?
- コンピューターの使用は15分毎に遠くを見て目を休める
- 目の周りの血管の血行をよくするために適度な運動をする
- タバコは吸わない
- 目に良い栄養を含んだ食事をとる
など色々と健康法があります。特に目の健康維持には必要な栄養の摂取が非常に有効だという研究が多くあります。目に良い栄養素にはビタミンCやE、ベータカロテン、亜鉛、銅などがあります。2013年にAREDS(Age-Related Eye Disease Study)はルテインを含んだ特別な配合の目のサプリAREDS 処方を発表し、そのサプリを摂取しているとAMD(加齢黄斑変性)の進行を25%減少させることができると発表しました。
そのため、北米の眼科はその配合サプリを処方箋として発行することもあります。
参考文献 [3] [4]
さてこのAREDS 処方 は以下の栄養素が含まれています。
最近ではAREDS2処方として
が追加され、ますます目サプリに対する関心、研究が進んでいます。
参考文献 [5]
目のためのサプリ、残念ながら日本では欧米ほど認識されていませんので、目に良いといわれているサプリを現在研究中の注目サプリも合わせて紹介したいと思います。
- ルテイン
- ゼアキサンチン
- イデべノン
- アスタキサンチン
ルテイン
ルテインとは緑黄色野菜に多く含まれるカロテノイドのうちの一つで、ほうれん草、ケール、ニンジンなどの植物に多く含まれますが、卵黄などの動物性脂肪にも含まれています。目の黄斑部に多く存在し、ルテインを多く摂取すると(1日20mgのルテインか1日10mgづつのルテインとゼアキサンチン)網膜内にある青色光に対する防御機構である黄斑色素が大幅に増加するとの報告もあり、最近ではルテイン摂取が白内障進行のリスクを減少させるとの興味深い研究発表も出ています。
参考文献 [6] [7]
推奨摂取量
経口サプリ 1日に6−10mg

ゼアキサンチン
ゼアキサンチンも網膜部位に多く含まれるカロテノイドの一つです。ゼアキサンチンはとうもろこしやパプリカ、スピルリナにも多く含まれています。ゼアキサンチンは網膜の特に中央部に局在しており、ルテインとゼアキサンチンを組み合わせて摂取することにより、黄斑色素の増加に有利だといわれています。
参考文献 [8]
推奨摂取量
経口サプリ 1日に2mg
イデべノン
イデベノンは天然の栄養素ではありませんが化学的に合成されたコエンザイムQ10の類似物質です。かつてはその認知機能向上効果を期待してアルツハイマー型認知症などの治療薬として販売されていました。現在はその強い抗酸化力やミトコンドリア内で電子伝達物質としての働きなどから様々なアンチエイジングの効果を期待した製品が開発されています。最近ではレーベル遺伝性視神経症による中心視力低下に対してイデベノンの有効性を示した研究結果も報告されています。研究では1日900mgのイデベノンが投与され、特に目立った副作用も見られなかったと報告されていますので、近い将来イデべノンがサプリとして広く流通する日が来るかもしれません。
参考文献 [9]
アスタキサンチン
アスタキサンチンはベータカロテンやリコピンなどのカロテノイドの一種であり、一部の藻類やエビや鮭の赤色の筋肉部分に多く含まれており、甲殻類では殻に存在しています。実はこのアスタキサンチンは非常に強い抗酸化作用を持ち、その抗酸化力はAREDS処方の一つであるBカロチンの10倍だといわれ、その他にもビタミンEやビタミンCと比べても非常に強い抗酸化作用があるとの研究結果もあります。また、アスタキサンチンを使って目に光ストレスを与えた後のラットの目の回復度がステロイドを投与した目の回復度と同等だったというとても興味深い研究結果もあり、また藻抽出性アスタキサンチンを1日6mg摂取することの安全性も安全試験で確認されてます。
参考文献 [10]

ブルーベリーと目の健康の関連性は?
ブルーベリーが目に良い、と聞いたことはありませんか?実際に、ブルーベリーに含まれているポリフェノールの一種であるアントシアニンが、白内障の予防や目の機能の改善、視力の低下の防止等、一般的な目の健康に良いと考えられています。また、ビタミンAも、網膜内の細胞には必要な栄養素。ブルーベリーにはこのビタミンAも含まれています。やっぱりブルーベリーは良さそうですね!でも残留農薬が多めですので、できれば有機のものをお選びください。
参考文献 [11]
目薬などの外用薬に頼りがちな目の健康ですが、目が喜ぶ栄養をしっかり摂ることが重要な根本ケアーの柱。サプリを利用すると便利です。目の健康の改善よって、頭痛や疲れなどその他の症状も改善されるかもしれません。
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