身体や心のセルフメンテナンスが浸透するにつれ、“メディテーション”という言葉もいたる所で見聞きするようになりました。しかし、「メディテーションって結局は何をすればいいの?」と今さら聞けない疑問を持たれている人も多いのではないでしょうか? 今回は自宅で簡単にできる5種のメディテーションの方法をご紹介。1日数分だけでも劇的にじぶん力が高まるメディテーションの力を経験してみましょう。
メディテーションは簡単でパワフルなセルフメンテナンス法
メディテーションとは、つまり“瞑想”のこと。目を閉じて静かに心を落ち着かせる瞑想は、日本では座禅という形でお馴染みの光景です。とはいえ、無心で瞑想した経験のない多くの人にとっては、瞑想やメディテーション、座禅、精神や心のメンテナンスと聞くと、どこか怪しい印象すら持ってしまうかもしれません。中には、仏教やビンドゥー教の厳しい修行を思い浮かべて、「自分にはとてもできない」と思い込んでいる人もいるでしょう。
でも、ご安心ください。メディテーションを行うのに山で修業する必要もなければ、高潔で禁欲的な生活を送る必要もありません。静かに精神を落ち着かせ、余計な心配事にとらわれないようにすることこそが瞑想の基本。心を平穏に保ち、ストレスに強い精神を作る手軽な自己メンテナンス法なのです。メディテーションで心を鍛えることで、自分の能力や魅力を磨くことにも役立ちます。
自宅で簡単に始められる代表的なメディテーションと効果的な実践方法をご案内していきます。
1.マインドフルネス呼吸法
自分の呼吸だけに心を集中して、今抱えている問題や心配事、イライラ、日常のストレスなどから精神を切り離します。瞑想中に気がそれたり、意識が脱線し始めたら、その度にゆっくりと再び呼吸に意識を戻しましょう。
このように脱線することは失敗ではありません。意識が脱線したあと、再び平穏に戻すのを繰り返すことこそがマインドフルネス力を鍛えることになり、普段からいつでも心を落ち着かせるための訓練になります。
マインドフルネス呼吸法の基本
初心者は自分の呼吸を数えると意識を集中しやすくなります。まず姿勢をまっすぐに正し、吸い込んだ息をゆっくりと吐き出して1回とカウントします。深呼吸で息を吐くたびにカウントしていき、10カウントまで深い呼吸を繰り返したらまた1に戻って10まで、これを繰り返します。カウントなしでも呼吸に集中できるようになったら、その後は呼吸のみにすべての意識を傾けます。
2.マントラ・メディテーション
瞑想の間に繰り返し暗唱する聖なる言葉のことを“マントラ”と呼んでいます。マントラは口に出しても、心の中で唱えてもよし。そのフレーズに全意識を集中して、あちらこちらに散らばった精神を統一していきます。また、マントラは瞑想を助ける手段ですが、マントラの言葉自体が強力なアファメーションにもなります。自分の好きな言葉や目指す理想を唱えることで、よりポジティブな日常が実現できそうです。
マントラ・メディテーションの基本
まずはマントラの言葉選びから始めましょう。ヨガでよく使用される『Om(オーム)』のような伝統的なサンスクリット語のマントラでも、自分の好きな言葉や格言でも構いません。ただし、ネガティブな言葉や心をかき乱すような言葉はNG。気持ちを穏やかにして明るくさせるような言葉を選びましょう。
マントラが決まったら、良い姿勢で座り、まずはマインドフルネス呼吸法の要領で呼吸に集中し、身体の緊張や抵抗を取り除きます。心と身体が整ったらマントラの暗唱を開始します。
3.ミュージック・メディテーション
心を音楽に集中させることで、精神統一を行う方法です。音楽の響きや音にのみ集中できる歌詞のないインストゥルメンタル音楽がより集中しやすいといわれています。音楽を聴いている間に意識が外にそれてしまった場合は、マインドフルネス呼吸法の時と同様に、ゆっくりと意識を音楽に戻すように試みましょう。
ミュージック・メディテーションの基本
メディテーションで精神集中を促す音楽は心や感情を乱すような音楽ではなく、音と振動に集中できるようなものを選びます。小鳥のさえずりや川のせせらぎなど、自然の「音楽」もメディテーション向きです。また、精神統一に向くヒーリング音楽なども多数販売されていますので、自分がより心地よくリラックスできる音楽を選んでください。
4.チャクラ・メディテーション
チャクラとは精神とエネルギーを結ぶポイントで、気の出入り口と古来よりインドでは考えられています。非現実的なスピリチャル世界の話と思いがちですが、チャクラを開くことは瞑想の長い歴史の中で行われてきた方法です。チャクラは脊椎に沿って7つあるといわれ、それぞれを象徴するカラーと意味があります。
|
チャクラの場所 |
象徴する意味 |
象徴するカラー |
第一のチャクラ |
尾てい骨 |
安定、安全 |
レッド |
第二のチャクラ |
骨の上部、臍の下 |
想像力、性 |
オレンジ |
第三のチャクラ |
臍と胸骨の間 |
活力、思想、自信 |
イエロー |
第四のチャクラ |
心臓 |
愛、情緒、結びつき |
グリーン |
第五のチャクラ |
喉 |
表現力、コミュニケーション |
ブルー |
第六のチャクラ |
眉間 |
知識、直観力 |
インディゴ |
第七のチャクラ |
頭頂部 |
高次元の自己・他者・神との繋がり |
パープル |
チャクラ・メディテーションの基本
目を閉じて姿勢を正し、心を安静にして深い呼吸を繰り返します。エネルギーを高めたいチャクラを意識し、そこに息を送り込むように呼吸します。例えば、親子の愛を深めたければ、グリーンをイメージしながら心臓周辺に呼吸を送り込むなど、活性化したいチャクラを意識して瞑想を行います。
5.ガイド・メディテーション
メディテーションがいつでも開始できる気軽なセルフメンテナンスであることは前述の通りですが、問題となるのはモチベーションを維持して習慣化すること。時間もお金も必要としないセルフメンテナンスは始めやすい反面、サボるのも辞めるのもお手軽なのが困ったところです。でも、メディテーションをリードしてくれるガイドさんがいれば、自分のモチベーションを維持するのに役立ちますよね。
ジムやヨガスタジオで指導を受けながらメディテーションを行う方法もありますが、最近は非常に優れたガイド・メディテーションのアプリも注目されています。例えば、イギリスやアメリカで人気の瞑想ガイドアプリ“Headspace”は、瞑想経験に合わせた豊富なメニューを提供。「悲しい気分」「ストレス」などの今の心の状態や、どんな気分を目指しているかなどを選択して、その人に合ったメニューで瞑想をリードしてくれます。瞑想の基本となる呼吸法などもしっかりガイドしてくれるので瞑想のコツもつかみやすく、初心者には特におすすめです。
あれこれ悩まず、まず実践してみよう
瞑想用の部屋や空間が必要だとか、リラクゼーション効果を高める道具が必要だとか、ついつい形から入りたくなりますが、瞑想の基本は目を閉じて背筋を伸ばし、深い呼吸でリラックスすること。あれこれと余計な心配は横に置いて、目をつぶって自分の呼吸の音を聞いてみましょう。1日にたった数分だけでも、自分だけに向き合える時間を確保すると驚くほどの癒しが得られます。
また、メディテーションは多くの有名スポーツ選手や名だたる起業家もこぞって取り入れているセルフメンテナンス方法です。心を研ぎ澄まして自分と向き合うことは、自己啓発や能力開発にも結び付きます。
「スピリチャル系は自分に向かない」と敬遠する前に、まずは1週間だけでもメディテーションを続けてみては? 心が穏やかになったり、身体の不調が軽減したり、思いがけない効果が実感できるかもしれませんよ。
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