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話題のメラトニンサプリ、その効果は本当?
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話題のメラトニンサプリ、その効果は本当?

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・メラトニン分泌のメカニズム
・メラトニンサプリの効能・副作用
・サプリに頼らずメラトニン対策をする方法
 

 

現在、日本人の約4人に1人が睡眠に何らかの問題を抱えているといわれています。事実、OECD加盟国の平均睡眠時間を比較した2011年の調査では、男性は7時間45分とワースト2、女性は7時間36分でワースト1という結果が出ました。世界の都市に住む人々の平均睡眠時間を比較したデータでは、東京に住む人の平均睡眠時間は5時間45分で世界ワースト1位という結果まで出ています。

 

人体が自然に作り出す「入眠ホルモン」メラトニン

日本人の睡眠時間は年々短縮傾向にあり、その傾向は成人だけではなく、子供たちにまで波及しています。こうした睡眠不足や睡眠に関する問題の一部は「メラトニン」にかかわるものかもしれません。

メラトニンは人体が自然に作り出すいわば「入眠ホルモン」です。このメラトニンは光、特に青い色の光(いわゆるブルーライト)にあたることによって分泌が抑制されることが知られており、メラトニン不足に陥ると、寝つきの悪さを感じ、途中で目が覚めてしまう、などの症状が現れます。メラトニンがきちんと分泌されるようになるだけで、私たちの睡眠は改善されるといわれ、アメリカでは多くの種類のメラトニンサプリメントが販売されています。

でも、果たしてそれは正しい解決法なのでしょうか? 今回は睡眠ホルモンメラトニンについてその概要と、メラトニンサプリの効能・副作用、またサプリに頼らずメラトニン対策をする方法を解説します。

 

メラトニン分泌のメカニズムとは?

ヒトには、生まれつき、地球の自転と朝夜の明暗に合わせた24時間サイクルの「サーカディアンリズム」、つまり体内時計が備わっています。サーカディアンリズムは睡眠と覚醒のリズムを保つ役割を担っていて、メラトニンは特にその中でも入眠を促すリズムを作り出しています。メラトニンは、脳の松果体から分泌され、このサーカディアンリズムの動きに従い、夜間に分泌されます[#]服部淳彦. メラトニンとエイジング. 比較生理生化学. 2017; 34(1): 2-11.

通常、メラトニンは習慣となっている入眠の時刻の約2時間ほど前から分泌が始まります。分泌されると人は眠気を感じ、緩やかに眠りに入りやすくなります。メラトニンの分泌メカニズムは光にとても敏感で、日中分泌されることはありません。夜であっても、街灯下の明かりのレベルである100ルクス以上の光を浴びると分泌が抑制されることが分かっています。現代社会に生きる人々は、シフトワークや時差、夜間に高照度の光を浴びることなど、簡単にこのリズムが破壊されてしまう環境に置かれているのです[#] Boivin DB, Duffy JF, Kronauer RE, Czeisler CA. Dose- response relationships for resetting of human circadian clock by light. Nature. 1996; 378: 540-2.  [#]Gooley JJ, Chamberlain K, Smith KA, Khalsa SBS, Rajaratnam SMW, Van Reen E, Zeitzer JM, Czeisler CA, Lockley SW. Exposure to room light before bedtime suppresses melatonin onset and shortens melatonin duration in humans. The Journal of Clinical Endocrinology & Metabolism. 2011; 96: E463-72.  [#]Zeitzer J, Dijk D, Kronauer R, Brown E, Czeisler CA. Sensitivity of the human circadian pacemaker to nocturnal light: Melatonin phase resetting and suppression. The Journal of physiology. 2000; 526: 695-702.

メラトニン分泌量は 年齢によっても変化します。幼児期に最も多く分泌され、それ以降分泌量は年々減少していきます。高齢者が不眠に悩まされることが多い理由の一つが、このメラトニン分泌不足なのです。規則正しい生活をしている健康な人であれば、一般に50代くらいまでは日常の睡眠に支障のない程度の量が分泌されます。

一方、加齢により、多くの場合十分な睡眠を維持するためのメラトニンが分泌されなくなります[#]Waldhauser F, Weiszenbacher G, Tatzer E, Gisinger B, Waldhauser M, Schemper M, Frisch H. Alterations in nocturnal serum melatonin levels in humans with growth and aging. The Journal of Clinical Endocrinology & Metabolism. 1988; 66(3): 648-652. 。メラトニンの分泌不足が続くと、不眠以外にも、体に炎症が起きやすくなったり、免疫力が低下したり[#]Guerrero JM, Reiter RJ. Melatonin-immune system relationships. Current topics in medicinal chemistry. 2002; 2(2): 167-179.  [#]Reiter RJ, Calvo JR, Karbownik M, Qi W, Tan DX. Melatonin and its relation to the immune system and inflammation. Annals of the New York Academy of Sciences. 2000; 917(1): 376-386. 、さらにはガンのリスクが高まったりすると考えられています[#]Blask DE. Melatonin, sleep disturbance and cancer risk. Sleep medicine reviews. 2009; 13(4): 257-264.

 

メラトニンサプリの副作用と注意点

アメリカをはじめとする一部の欧米諸国では、現代人のメラトニン不足を補い入眠を補助するためにメラトニンサプリメントが販売されています。日本ではメラトニンはサプリメントとして販売することは規制されており、利用したい場合にはアメリカなどから個人使用分を個人輸入する、といった方法が採られています。

これらのメラトニンの錠剤は、英国では処方箋薬とみなされ、ヨーロッパでは55歳以上の患者にのみ処方されます。メラトニンはアメリカで2017年、サプリメントのトップトレンドとして、乳酸菌、コラーゲン、プロテインと並び話題に上がっており、メラトニンサプリの普及率は増加しています。しかしながら、安易にメラトニンサプリメントに手を出す前に考慮しなければいけないことがいくつかあります。

手軽で、一般の睡眠導入剤のような依存性の問題もなく、効き目も穏やかなことから、アメリカでとても人気の睡眠補助サプリのメラトニンですが、副作用もあります。メラトニンの過剰摂取は、入眠を促進するどころか、不眠を悪化させてしまう可能性があります。これは自然に備わる体内時計のリズムが破壊されるためです。メラトニンを摂取し過ぎた場合には、次の日にもだるさが残ったり、悪夢を見たりすることもありますので、初めて服用する場合には容量を少なめにし、注意深く自分の体を観察しましょう。その他の副作用には以下のようなものがあります。
 

  • 服用翌日の眠気
  • めまい
  • 頭痛
  • 胃のむかつき
  • 不安
  • イライラ
  • うつ
  • 下痢
  • 関節痛

 

成人であれば、0.2~5mgが推奨されている服用量です。Source?安全な摂取量に関しては、自身の体重、年齢、そしてメラトニンの感度によって異なります。Mayo Clinicという米国の最先端医療機関では、以下のような摂取量がすすめられています。
 

  • 通常の入眠補助:0.3~10mgで様子を見る。
  • 老人性の不眠:0.1~5mgでおおよそ十分な摂取量。
  • 時差ぼけ治療:0.1~8mgを目的地の就寝時刻で一度摂取し、その後数日摂取を続ける。

 

個人輸入でメラトニンサプリを利用する際には、その摂取量に注意してください。米国で販売されているメラトニンサプリはメラトニン含有量が1粒当たり3mg、もしくは5mgが一般的です。そのため1粒飲んでしまうと、効果が強力すぎて副作用が出てしまうという可能性もあります。1錠から始めるのではなく、1/4錠や半錠から試してみるほうが良いでしょう。

メラトニンは本来は自然に我々の体から分泌される物質です。生活習慣が理由でメラトニン分泌が弱まっているだけで、分泌量や分泌機能に問題のない人がメラトニンサプリを恒常的に摂取した場合、メラトニンの自然な分泌が抑えられてしまう可能性もあります。体は「もうメラトニンを作らなくてもいいんだ」と勘違いしてしまい、分泌量を減らしてしまいます。そのような状況に陥った場合、メラトニンサプリの摂取をやめてしまうと深刻な不眠に陥る可能性も否定できません。

基本的には、時差ぼけや、老人性の不眠などで、どうしてもメラトニンを摂取する必要がある場合のみ、効果を感じる最小限の容量でサプリメントを服用することをオススメします。しかも、長期の服用ではなく、可能な限り短期の服用で済むよう工夫をすべきと考えます。

個人の許容量を超えてサプリを飲んでしまうと、副作用の問題が出やすくなるため、摂取する場合には用法・容量には細心の注意を払いましょう。血圧の薬や経口避妊薬、血液希釈剤などとの飲み合わせが悪いとされていますので、どうしてもサプリメントを摂取したいという場合には、必ず医師や薬剤師に相談してから服用するようにしてください。また、妊婦や授乳中の場合も必ず医師と相談してからにしてくださいね。

 

メラトニンの分泌を促すには?

サプリが要注意だとすると、残された手段は自然な分泌を促すこと。その方法ですが、決定的な方法があるというよりは、一般的に睡眠によいとされる多くの習慣が実はメラトニンの分泌に作用していて、これらを守ることの有効性を再認識させられます。
具体的には、以下の快眠習慣はメラトニン分泌を促すと考えられています。
 

  • 就寝前のブルーライトの除去
  • 朝や日中の日光浴
  • 就寝前の入浴

 

快眠のための生活習慣について、より詳しくは睡眠の「睡眠を知ろう!貯まった睡眠不足を解消!」と「睡眠をハックする」をご参照ください。