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『お肌のお悩みに合わせた食の処方箋』林 佳奈
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『お肌のお悩みに合わせた食の処方箋』林 佳奈

 

健康なお肌の状態とは

鏡を見てお肌の状態が良いと気分が上がりますし、いっそう社交的になれますよね。誰しもが健康的で美しい肌でいたいと思うはずです。

美肌の5つの条件「う・な・は・た・け」をご存知でしょうか。これは「潤い」「なめらかさ」「ハリ」「弾力」「血色の良さ」を満たす肌が理想的だとする考え方です。このような状態の肌は若々しく印象が良い、化粧のりが良くなるといった見た目の美しさを持つだけでなく、私たちの身体をウイルスや細菌、アレルゲンから守ってくれるバリア機能が高くて丈夫な肌でもあるのです。

肌の基質はタンパク質でできており、その合成や新陳代謝に必要となるさまざまな栄養素も食事から摂取する必要があります。いくら高価な基礎化粧品を使用して外側からスキンケアをしても、肌をつくる材料が無ければうまく生まれ変わっていきません。美しく健康なお肌をつくる最重要ポイントは、十分な栄養摂取をすることなのですね!

 

 

肌は大きく分けて外側から「表皮」「真皮」「皮下組織」の3つの層で成り立っています。

肌の上層部にある「表皮」の表面には、油分や水分が混ざった皮脂膜、天然保湿因子(アミノ酸や尿素から構成される)、角質細胞間脂質(セラミドや脂肪酸から構成される)が存在し、肌の水分量を一定に保ちながらバリア機能を保持しています。

その下にある「真皮」の主成分はコラーゲンやエラスチンであり、肌の明るさや透明感、弾力を作り出します。また真皮には肌細胞に栄養素や酸素を運ぶ血管、分泌物の出口である皮脂腺や汗腺、熱さや痒みなど肌感覚を感じるセンサーである神経が存在し、生理的な機能も営んでいます。

最も深部の層にある「皮下組織」は外部からの衝撃を和らげるクッションの役割や、体温調節をしています。

肌は約28日周期で生まれ変わるとされており、これをターンオーバーと言います。加齢によってターンオーバーの速度は遅くなり、肌がくすんでトーンダウンしたり、手触りが硬くなりがちに。逆に、乾燥や紫外線、強すぎるクレンジングケアなどによる刺激を受けた肌はターンオーバーが早まりすぎて、角化が追い付かず敏感な状態になってしまいます。

美しく健康な肌をつくるための正常な角化サイクルに必要な栄養素は、ビタミンAやビタミンDです。どちらも脂溶性ビタミンで、無理なダイエットで脂質をカットしすぎると吸収不全となり不足しがちになります。

 

お肌のお悩み別 食事・栄養処方箋

年齢や性別、生まれ持った肌質、月経サイクル、生活パターンによって生じやすい肌トラブルは異なってきますが、お悩み改善に役立つ食事や栄養摂取のポイントをまとめます。日々の食生活の参考にしてみてくださいね。

 

乾燥肌

皮膚膜の材料となる良質なタンパク質や脂質を摂取し、正常な皮膚のターンオーバーを促すビタミンA、乾燥の予防に亜鉛の摂取を意識しましょう。「美肌づくりのために植物性タンパク質の摂取を中心にして、野菜や果物をしっかりとる」ことを意識されている方は多いですが、肉や卵、魚などの動物性タンパク質の摂取が不十分な野菜中心の食事では、これらの栄養素が不足しやすくなってしまいます。

レバー、卵、鰻、シシャモは良質な脂質とビタミンA、亜鉛が全て含まれる食品です。ただしレバーにはビタミンAが大変多く含まれるため、串焼き1本を週に1回食べる程度までにしましょう。

 

シミ・ソバカス

鉄不足に注意しましょう。シミやソバカスの原因となる活性酸素を除去する酵素「カタラーゼ」に鉄が含まれています。月経のある女性では、鉄の十分な摂取ができている方が6割程度にとどまっていることがわかっています(平成29年 国民健康・栄養調査より)。

鉄は、レバー、牛や豚の赤身肉、カツオなどの赤身魚、小松菜やほうれん草、ホタテやアサリなどの貝類、プルーンに含まれます。酢やレモン果汁、梅干、ミカンなど酸味のある食べ物との食べ合わせは、鉄の吸収率を上げます。

もちろん、鉄の摂取に加えて、日傘や帽子、適切な量の日焼け止めクリームの塗布といった紫外線対策を行うことも重要です。

 

 

ニキビ

オイリー肌と呼ばれる皮脂分泌の多い方は、毛穴が詰まったり、皮脂が酸化されて細胞が炎症を起こしニキビができやすくなります。酸化した脂質を多く含む揚げ物やポテトチップス、ファストフードや菓子パンの多食は避けた方が良いでしょう。

【関連記事】「揚げ物がタバコと同じくらい健康に悪いと言われる理由
 

ビタミンB2、ビタミンB6は脂質代謝を促すので、これらを含む納豆や卵、鰻、アナゴ、レバーはお勧めの食材です。

また、ビタミンB2とB6は腸内細菌によって合成されます。便秘による毒素の貯留もニキビの原因になるため、食物繊維を摂って腸内環境を整えましょう。玄米や麦、雑穀をご飯に混ぜたり、野菜や海藻、納豆を使った副菜をプラス一品加えると良いでしょう。

 

美白したい

ビタミンCがメラニン合成酵素であるチロシナーゼの活性を阻害し、美白に寄与します。

ブロッコリーやパプリカ、芽キャベツなどの野菜、柿やキウイフルーツ、イチゴなどの果物に含まれます。ビタミンCは水溶性であり、茹でたり長く水にさらすことで流出しやすいため、サラダや野菜スティックなど生の状態で食べると無駄なく摂取できます。じゃが芋やさつま芋には熱に強く水に溶けにくいビタミンCが含まれるため、煮たり茹でたりしても摂りやすいです。

サプリメントでビタミンCを多量に(1000㎎~)摂取する場合は、一度に摂るよりも少量頻回、食後に摂ることで効率よく体内に吸収されます。

 

 

シワ・たるみ

コラーゲン合成に必要な栄養素はタンパク質、鉄、ビタミンCであり、上記にもある食材を摂取することに加えて、パンや麺、丼ものや菓子類、ジュース、甘いお酒など「糖質」の過食を避けて、コラーゲンが過剰な糖分と結びつき糖化することを防ぐことも大切になります。食事の際には主食を最後に食べることや、ゆっくり時間をかけて食べるようにすること、食後に運動をすることでも糖化を防ぐことができます。

揚げ物、焼き菓子、ドーナッツ、焦げができるほどしっかり焼いた肉、電子レンジ調理をした食材には糖化物質(AGEs:最終糖化産物)が多く含まれるため、食べ過ぎに注意しましょう。

【関連記事】「香ばしく焼けたホットケーキが老化の元!?AGEs(高度糖化最終産物)について知るべきこと

 

健康で美しい肌を目指せば同時に髪や爪の状態も良くなっていきます。ツヤやコシのある髪、割れづらく血色の良い爪はあなたの健康美人度を上げますし、ヘアアイロンやネイルのもちも良くなってオシャレをより一層楽しめるようになりますよ。男性も、清潔感が増して自分にいっそうの自信が持てるようになるかもしれません。

食事や栄養バランスに配慮して、体の内側から健康美肌をつくり上げていきましょう。