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毎日のように使用するスプレー缶に潜む健康リスクとは?
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毎日のように使用するスプレー缶に潜む健康リスクとは?

geefee ポイント geefee ポイント

・あらゆるホームケア及びパーソナルケア製品等でみられるエアゾール缶とは?
・エアゾール缶の噴射ガスに使用されている有害物質のVOC(揮発性有機化合物)の含有量が低い商品の選び方
・注意すべき有害性の高いフタル酸エステルや合成ムスクやジクロロメタンなどのスプレー内容物

 

制汗スプレーや整髪スプレー、殺虫剤をはじめ消臭スプレーや美容スプレーまで、改めて家にある日用品を見てみるとスプレー缶が至るところにあることに気が付きます。別名エアゾール缶とも呼ばれているこのスプレー缶の市場規模は、右肩上がりということもあって一般家庭での需要もますます増えそう。確かに使い勝手が良いので、ついつい購入してしまうのもわかります。でも、このスプレー缶に含まれている有害性物質やその健康への悪影響はあまり知られていません。今回はホームケア、パーソナルケア製品として多用されているスプレー缶にフォーカスしていきます。

 

エアゾール缶とその健康リスクとは?

あらゆるホームケア及びパーソナルケア製品等でみられるエアゾール缶は、液化ガスあるいは圧縮ガスを利用して内容物を容器の外に噴射させる製品です。シューっと音のするスプレーのほとんどがこのエアゾール缶。

このエアゾール缶の噴射ガスに使用されている主な物質がベンゼン,ジクロロメタン,トリクロロエチレンなどの有機化合物の総称でもあるVOC(揮発性有機化合物)[#]https://www.city.niigata.lg.jp/iryo/shoku/syokuei/shokueishisetsu/eisei_.... 。大気汚染物質として着目されていますが、家具やカーペットなどからも生成されている室内空気汚染の原因物質として、少なからず住宅の中にも既に存在していると言われています。「シックハウス」という言葉を聞いたことがある人もいますよね?VOCの吸引により、頭痛やめまいをはじめ、中核神経や肝臓・腎臓機能障害、発ガン性を有する可能性が報告されていますが[#]“揮発性有機化合物(VOC)の分析.” n.d. Accessed December 15, 2021. https://www.jfe-tec.co.jp/envi-ene/kankyo/voc.html. 、子供を含めた喘息やアトピーなどのアレルギー症状の悪化原因になる可能性も大いにあるのです[#]O’Donovan, Anna. 2020. “Indoor Air VOCs, Asthma and Allergy, and the Effect of Air Cleaners.” August 29, 2020. https://www.allergystandards.com/news_events/indoor-air-vocs-asthma-and-....

 

 

また、製品表示にはこのVOCの含有量の表示義務がないため、低VOC製品を選ぶのは困難。東京都環境局では低VOC量の製品を選ぶための以下のようなヒントが紹介されています。

 

ヒント①

エアゾル製品ではない霧吹き、ポンプ式を選ぶ

ヒント②

表示チェック

VOCが少なめ
窒素ガス
炭酸ガス

VOCが多め
可燃性ガス
DME
LPG

 

また油性はVOCが多め、水性はVOCが少なめな傾向です。

更に詳しく知りたい人は東京都環境局のHPを参照してください。環境対策ももちろんとっても大切ですが、自分やその周りの人の健康を第一に考慮することで、結果的に環境にも配慮することになるのです。

 

スプレー内容物の有害性

スプレー缶の製品と言っても多種多様ですので、VOC以外の原材料についても有害性の高い物質が含まれていることもあります。

 

フタル酸エステルや合成ムスクなどの香料

ボディスプレーやヘアスプレーや消臭剤などは、ほとんどの人が日常的に使用しているパーソナルケア製品ですが、家庭に置いてある身の回りの製品を確認するとその多くがスプレー缶であることに気が付くと思います。天然成分を特別に使用していない限り、これらのスプレーのほとんどに合成香料が含まれていますが、その中でも特に注意すべきが、フタル酸エステルや合成ムスク。以前に特集した環境ホルモン物質のフタル酸エステルに関する記事を見た人は、成分表などをチャックをして極力避けるように心がけていると思いますが、人工的に合成された香料の合成ムスクは成分表に記載されていないことがあるので少々やっかい。この合成ムスクは、生体内に蓄積し、ヒトの母乳、体脂肪、血液、および臍帯で検出されている化学物質。フタル酸エステルと同様に環境ホルモン物質としてホルモン作用をかく乱し、細胞機能を損傷させる可能性が指摘されています。

 

香水、石鹸、ボディウォッシュ、スプレー、ローション、ヘアケア製品、洗剤、軟化剤

 

と、スプレー製品に限らす、ほとんどのパーソナルケア製品に含まれているといっても過言ではありませんが、スプレー式の場合、これらの化学物質を周囲にまき散らしてしまい、呼吸で吸引しやすい状況を作りやすいということを忘れないでください。

 

塗料スプレーなどのジクロロメタン(塩化メチレン)

こちらもVOCと同様に環境問題でフォーカスされがちなジクロロメタン(塩化メチレン)。アメリカのEPA(米環境保護庁)は、2019年に塗料やペイント剥離剤などでのジクロロメタンの使用を禁止していますが[#]Epa, U. S., and OCSPP. 2016. “Risk Management for Methylene Chloride,” January. https://www.epa.gov/assessing-and-managing-chemicals-under-tsca/risk-man.... 、日本では生産量は減少傾向にあるもののまだまだ使用されている化学物質の1つです。特に、趣味でハンドクラフトなどが好きな人はこういった製品を多用している可能性があります。このジクロロメタンはIARC(国際がん研究機関)が評価する発ガン性物質として

 

グループ2A ヒトに対しておそらく発ガン性がある。

 

と評価されています。研究では、高濃度のジクロロメタンを吸入したマウスに対して悪性の肺腫瘍および肝臓腫瘍の発生率を大幅に増加させたという報告や[#]Reitz, R. H. 1991. “Estimating the Risk of Human Cancer Associated with Exposure to Methylene Chloride.” Annali dell’Istituto Superiore Di Sanita 27 (4). https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/1820733/. 、ジクロロメタンを使用している工場の従業員のガンや心臓、中枢神経系および肝臓への悪影響も報告されています[#] “Methylene Chloride - Hazard Recognition.” n.d. Accessed December 15, 2021. https://www.osha.gov/methylene-chloride/hazards. 。もちろん、これらの例は一定の体重に対してかなりの量のジクロロメタンを吸引している結果ではありますが、毒性が強い化学物質を少量でも吸引を避けるのに越したことはありませんよね。特に何も知らない子供が工作で使用することもあるはず。十分に注意をするべきです。

 

換気やマスクは必須!

スプレー缶の使用環境を今一度思い返してみると、洗面所だったり、トイレだったりと密室であることが多いですよね?結構な量のスプレーがまき散らされている上に、顔の近くで使用するスプレーに関しては確実に吸引していると言えます。数年前の夏に、エアコンの掃除のためのスプレー缶を使用した際、顔に向けて誤噴射したスプレーによって、顔全体が赤くなり痒みを伴うという経験をしました。そういった刺激の強い物質を日常的に吸引していると考えるとゾッとします。使用の際は、スプレーの用途によっては直接肌への曝露を避けるのはもちろんのこと、換気の良い環境で使用し、マスクの着用は必須です。ちなみに、普段使用している感染対策のマスクでは意味がありません。揮発性溶剤使用のための専門の大型マスクが必要です。また、お子さんがいる家庭は、使用環境や頻度を特に注意し、そもそもの使用の是非も今一度検討してみるのも良いかもしれません。

 


 

 

まとめ~毎日のように使用するスプレー缶に潜む健康リスクとは?~
経皮クリームを自分自身に塗布することで有害な化学物質を体内に取り入れてしまうケースもありますが(LINK)、スプレーなどで有害物質をまき散らすことで、子供や家族、身の回りの人にも少なからず有害な物質を浴びせているということも認識する必要があります。タバコの害とスプレー缶の害を比べたデータはないにしろ、気が付かないうちに他人にも悪影響を与えているのです。特に既にアレルギー症状や慢性頭痛などを持っている人、もしくは身近でそういった人がいる場合は、なおさら配慮することをおススメします。
 

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