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日本の食文化が誇る和食のダシ。でも実は思ったより不健康?
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日本の食文化が誇る和食のダシ。でも実は思ったより不健康?

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・注意すべき昆布などのヒ素含有量の高い海藻類
・有害物質が含まれている可能性のあるかつお節や煮干しダシ
・無農薬、無添加栽培の多い国産椎茸
・日常的に使用されているMSGや粉末のダシを避けるべき理由

 

美味しく和食を作るために欠かせないダシは、料理に豊かな風味を与える旨み成分として一般家庭で日常的に使用されています。いつの時代からか世界中で和食が健康的というイメージが持たれていますが、伝統的な和食にも不健康なものはいくつもあります。また、和食の味を支えるダシもよく検証していくと幾つかの疑問点が浮かび上がってきます。今回はほとんどの人が着目せずに日常的に使用しているダシにフォーカスしていきます。
 

 

ヒ素が気になる昆布だし

特定の魚介類をはじめ海藻類には多くの有害重金属が含まれているということは何度も以前の記事でもお伝えしていますが、特に海藻類の中でもその含有量が多いのがヒ素。厚生労働省が発表している「有害化学物質含有実態調査」によると、

 

  平均値(mg/kg)
ひじき(乾物) 93 mg
こんぶ(乾物) 53 mg
わかめ(乾物) 33 mg
のり(乾物) 25 mg

 

と、こんぶは海藻類の中でも結構高め。このヒ素は、こういった海藻類だけではなく、米などにも含まれているというのは以前の記事でもお伝えした通り。米が主食の日本人が更にこういった海藻類をベースにした料理を頻繁に食べているわけですから、欧米に比べてダントツにヒ素摂取量が多いのも納得[#]平成 20 年度 食品中に含まれるヒ素の食品影響評価に関する調査 。WHO(世界保健機関)でも飲料水や食品からのヒ素への長期暴露は、ガンや皮膚病変を引き起こす可能性及び心血管疾患や糖尿病との関連性も指摘されています[#]“Arsenic.” n.d. Accessed February 1, 2022. https://www.who.int/news-room/fact-sheets/detail/arsenic. 。基本的にヒ素は尿中に排泄されると言われていますが、肝臓、腎臓、心臓、肺などの多くの体組織に蓄積されることが研究で報告されているため、極力避けるに越したことはないのです[#]Singh, Amrit Pal, Rajesh Kumar Goel, and Tajpreet Kaur. 2011. “Mechanisms Pertaining to Arsenic Toxicity.” Toxicology International 18 (2): 87.

 

かつお節や煮干しの盲点

以前の記事「日本の伝統食分析シリーズ第2弾-geefeeがオススメできない和食ワースト4」でもピックアップしたかつお節はダシの代表的な材料と言えるでしょう。製造過程で燻製にしますが、その際に生成される1級発ガン性物質ベンゾピレンが含まれているため、EU諸国では日本のかつお節のほとんどが輸入禁止となっているのです。

また、主にカタクチイワシなどの魚を茹でて乾燥させて作られる煮干しは、乾燥させる時点で急激に脂質の酸化が進み、細胞毒性及び遺伝子毒性のあるアルデヒドが生成されます[#]“加熱 に よる煮干 しだ し汁低沸点香気成分の変化†].” n.d. Accessed February 1, 2022. https://www.jstage.jst.go.jp/article/jhej1951/25/5/25_5_355/_pdf.  [#]Moumtaz, Sarah, Benita C. Percival, Devki Parmar, Kerry L. Grootveld, Pim Jansson, and Martin Grootveld. 2019. “Toxic Aldehyde Generation in and Food Uptake from Culinary Oils during Frying Practices: Peroxidative Resistance of a Monounsaturate-Rich Algae Oil.” Scientific Reports 9 (1): 1–21. 。あの煮干しの独特な香ばしい臭いがアルデヒドですが、単に魚が劣化しているだけ。当然、酸化防止剤などで鮮度は保たれていますが、劣化した魚の鮮度を保っているだけにすぎず、時間の経過と共に多少なりとも酸化は進みます[#]中野克彦. n.d. “煮干の添加物は必要悪!?|鰹節 伏高.” 株式会社 伏高. Accessed February 1, 2022. https://www.fushitaka.com/. 。また、よく見かけるのが、酸化防止剤など未使用の無添加の煮干し。添加物がないのは良いとして、酸化防止剤を使用している煮干しよりも酸化が進んでいる可能性が指摘されているため注意が必要です。

 

 

海外では健康的とはされていない食材を毎日のように食べている日本の食文化はそろそろ見直されるべきでしょう。
 

 

できるだけ避けたい旨味成分MSG。

海藻から抽出されたグルタミン酸をナトリウムと結合させて作られた化学調味料のMSG(グルタミン酸ナトリウム)。「味の素」の調味料でも知られていますよね。本来のダシとは異なりますが、合理的に調合されたこの調味料は振りかけるだけで手軽に味に深みを与えるため、中華料理や和食などでも頻繁に使用されています。わざわざダシをとるのが面倒な時には便利ですよね。でも、このMSGは、以前の記事でもお伝えした通り、興奮毒として、脳の神経細胞に損傷を与えるなど、多くの専門家がその危険性を唱えてる化学物質。調味料(アミノ酸)と表示されている調味料にはほとんどがこのMSGが含まれていますので、今一度ご家庭の調味料を確認してみては?
 

 

椎茸ダシは国産なら比較的安心?

無農薬ではない限りほとんどの農産物には少量にしろ残留農薬が含まれる傾向にありますが、EWG(The Environmental Working Group)という団体が発表している2021年残留農薬の評価調査では、キノコ類はクリーンな農産物として第12位。比較的安全な農産物として報告されています。特に日本産の椎茸は無農薬、無添加栽培が多いです。でも、最も多い輸入先の中国産は残留基準値を超えたピレスロイド系殺虫剤のフェンプロパトリン検出例もあるため、椎茸でダシをとるのであればできるだけ国産を選ぶようにしましょう。

 


 

 

食品添加物だらけの粉末のダシは最悪

伝統的な食材を使ってダシを取るのは結構一苦労。ほとんどの人がその手間を省くために既製品の粉末のダシを使用しているのではないでしょうか?でも、原材料表示をみればちょっと躊躇するかも。例えば、

 

原材料:風味原料(かつお節粉末、さば節粉末、アジ粉末、昆布粉末、しいたけ粉末、煮干し粉末、根昆布粉末、焼きあご粉末)、食塩、砂糖、酵母エキス粉末、発酵調味液(魚しょう、焼酎、穀物発酵液)、しょうゆ、(原材料の一部に小麦、大豆を含む)

 

といった商品。MSGが原材料に含まれていないだけマシなほうですが、酸化した魚脂や重金属やアルデヒドなど、上記で述べた問題のある材料のコンビネーションであることが分かります。こういった簡単かつ美味しいとされる調味料を毎日のように使用することは決して健康には有意に働かないので、日常化しないように心がけましょう。
 

 

まとめ~日本の食文化が誇る和食のダシ。でも実は思ったより不健康?~
ダシの材料のほとんどは健康に悪い影響を与える可能性のあるものと言えるのです。そもそもダシを使用する大きな目的は料理に風味を出すため。ただ単純にその味に慣れてしまっているだけであって、欧米ではこういったダシはほとんど使用しなくても美味しく食事をしています。そこで、例えば、さまざまなスパイスの組み合わせをアレンジしたり、スープ系であればボーンブロスのような動物性由来のダシにチャレンジしてみるなど、健康にマイナスに働く可能性のあるダシの味からシンプルでもより健康的な味に移行するようにしてみては。どうしても伝統的なダシにこだわるのであれば、比較的体に優しく、ビタミンDも豊富な干しシイタケベースのダシが良いでしょう。鰹節を使用した濃厚なダシなどと比べると最初は多少退屈な味だとしても、段々そのほのかな優しい味に慣れてきます。手間を省くために化学調味料やさまざまな添加物が入った加工食品のダシはそろそろ卒業しましょうね。

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