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最も身近な調味料の砂糖と塩。その関連性と向き合い方。
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最も身近な調味料の砂糖と塩。その関連性と向き合い方。

geefee ポイント geefee ポイント

・塩は減塩ではなく適塩、砂糖は完全カットが常識
・血圧に悪影響を与えるのは塩だけじゃなくて砂糖も
・減塩することでより砂糖の渇望を引き起こす可能性
・避けるべき砂糖と塩が多く含まれている加工食品

 

ブドウ糖と果糖が結合してできた二糖類の一種である砂糖(ショ糖)と塩化ナトリウムを主成分としたミネラルの塩の科学的な性質は全く違いますが、どちらも私たちの食生活とは切っても切れない調味料です。血糖値と関連しているのが砂糖、血圧と関連しているのが塩という印象が強く、糖質制限や減塩などの健康に関するキーワードを頻繁に見かけますが、健康的な食生活を送るために砂糖と塩をどのように扱えば良いのでしょうか。今回は、砂糖と塩についてフォーカスしていきます。

 

減塩ではなく適塩で。

さまざまなメディアや健康関連のサイトで何かと推奨されている減塩。主に高血圧緩和による心臓の健康維持が目的ですが、ただひたすら減塩を行えば良いというわけではありません。塩分が不足することで心血管代謝の疾患を悪化させたり、インスリン耐性や血清脂質などに悪影響を与える可能性も。特に常に体を動かしているアスリートや汗をかきやすい体質の人などは、季節にもよりますが、塩分の排出量が大幅に変わってきます。もちろん塩分の摂り過ぎは高血圧の原因にもなるので、個々で適切な塩分の摂取量を管理する必要があります。塩の摂取は減塩ではなく1日5~6g(小さじ一杯程度)の適塩で。詳しくは、以前の記事を参考にしてみてくださいね。

【関連記事】「「減塩」はもう古い!? 高血圧を防ぐ「適塩」生活のススメ

 

 

砂糖(ショ糖)は完全カットでも問題ない、は常識

ブドウ糖と果糖が結合した二糖類の一種である砂糖(ショ糖)は、炭水化物(糖質)という以外特に栄養素の供給源にはなりません[#]Galic, Bojana. 2010. “What Is Dextrose and Why Is It in Our Food?” October 9, 2010. https://www.livestrong.com/article/274155-what-is-dextrose-in-food/. 。むしろ、血糖コントロールの乱れ、体重増加、心臓病のリスクなどの健康リスクが伴うので、砂糖を完全カットしてもよいくらい。そうすることは健康的な体を維持するのを助けます。糖質制限をしていない人でも果糖と並び避けるべき糖質の1つです。

 


 

 

血圧に悪影響を与えるのは塩だけじゃなくて砂糖も

塩分過多は、血圧の上昇を誘発するのはみなさんもご存じのとおりですが、砂糖の摂取過多により引き起こされる可能性のある肥満、糖尿病も血圧を上昇させる引き金になりえます[#]He, F. J., and G. A. MacGregor. 2015. “Salt and Sugar: Their Effects on Blood Pressure.” Pflugers Archiv: European Journal of Physiology 467 (3). https://doi.org/10.1007/s00424-014-1677-x. 。血圧が高い状態が続くことで負担がかかるのが血管や心臓ですが、ある研究では、砂糖の方が塩よりも心臓病で死亡するリスクを高める可能性が示唆されています。血圧を気にして減塩ばかりにフォーカスするのではなく、むしろ砂糖の摂取量をより意識的に制限する必要があるかもしれないのです。

 

減塩はより砂糖の渇望を引き起こす?

アメリカの心臓血管研究科学者で減塩に異議を唱える本「The Salt Fix」の著者のDr. James DiNicolantonio博士は、塩分不足の状態で砂糖を摂取するとより砂糖依存症を引き起こす可能性を示唆しています。また、中毒性の高い砂糖を多く摂取することで、脳内に天然のオピオイドとドーパミンが放出され、砂糖の消費量を増やし甘くない食べ物を受け入れなくなる傾向があると言われています[#] “Book Summary: The Salt Fix, James DiNicolantonio.” 2019. May 28, 2019. https://www.memosmine.com/the-mine/book-summary-the-salt-fix-james-dinic... 。また、ある研究では、砂糖の入った飲み物を飲んでいる人が塩気のあるスナック菓子や食事を多く摂り血圧の上昇を誘発するという報告も[#]He, F. J., and G. A. MacGregor. 2015. “Salt and Sugar: Their Effects on Blood Pressure.” Pflugers Archiv: European Journal of Physiology 467 (3). https://doi.org/10.1007/s00424-014-1677-x. 。よって、砂糖は食べれば食べるほど砂糖への渇望が増し、また結果的に塩分過多をも引き起こすことにつながります。単純に私たちの食生活を振り返ってみても、塩辛い物を食べるとご飯のような炭水化物を食べたくなり、甘いアイスクリームなどを欲しますよね。塩分過多も結局のところ砂糖を含んだ糖質過多を誘発する可能性があるので、塩の摂取量は適塩、砂糖は極力控えるのが良いと言えます。

 


 

 

加工食品は砂糖と塩がいっぱい。

砂糖や塩がたくさん含まれているファーストフード、菓子はスナックなどのジャンクフード、パン、揚げ物、お弁当などの加工食品や外食を中心とした食生活を送っている人にとって、実際の自分の塩と砂糖の摂取量を測定するのは非常に困難です。CDC(アメリカ疾病予防管理センター)によると、アメリカ人の塩の総摂取量の約70%が加工食品からということが報告されています[#]“[GET THE FACTS:Sodium’s Role in Processed Food].” n.d. Accessed March 24, 2021. https://www.cdc.gov/salt/pdfs/sodium_role_processed.pdf. 。飲み物やお菓子、調味料などの加工食品に含まれる添加糖に関しては、約90%がこうした加工食品からになります[#]Steele, Eurídice Martínez, Larissa Galastri Baraldi, Maria Laura da Costa Louzada, Jean-Claude Moubarac, Dariush Mozaffarian, and Carlos Augusto Monteiro. 2016. “Ultra-Processed Foods and Added Sugars in the US Diet: Evidence from a Nationally Representative Cross-Sectional Study.” BMJ Open 6 (3). https://doi.org/10.1136/bmjopen-2015-009892. 。加工食品に頼った食生活を送ることで塩や砂糖の摂取量が必然的に上がり、摂取量管理も困難になるため、加工食品は極力避けるべき。

 


 

 

断食中は砂糖ではなく塩を摂取。

16時間程度のプチ断食であれば、多少お腹が空く程度で体に支障はほぼ起こりませんが、長時間の断食や厳格な糖質制限の場合、頭痛や悪寒、下痢などの症状が伴うケトフルーという症状を起こすことがあります。これは糖質制限によるエネルギー不足が主な原因の1つですが、電解質の喪失も原因の1つです。ナトリウム、カリウム、マグネシウムといった電解質ミネラルが不足することで、人の心拍や筋肉の収縮、脳細胞に悪影響を与えます[#]“Electrolytes and Fasting: Benefits and Best Sources.” n.d. Accessed March 24, 2021. https://drinklmnt.com/blogs/health/electrolytes-while-fasting-benefits-a.... 。この症状が起きた際に、まず摂取してみるべきは砂糖ではなく少量の塩。黒砂糖を勧める専門家もいますが、ショ糖をメインに含む黒砂糖も血糖値を急上昇させますのであまり推奨はできません。そのほかにはMCTオイルの摂取もよいでしょう。詳しくは過去の記事を参考にしてみてくださいね。

【関連記事】「ケトン体ダイエットの副作用、つらい「ケトフル―」を避けるには?

 

まとめ~最も身近な調味料の砂糖と塩。その関連性と向き合い方。~
塩は減塩ではなく適塩。誰もが減塩をする必要はなく、個々で塩の摂取量を考えながら量を調節するようにしましょう。また、中毒性の高い砂糖の制限を怠っていると、血糖値の乱れだけでなく血圧の上昇も引き起こしてしまいます。また、主な塩や砂糖の摂取源になりえる加工食品や外食は極力控え、自炊をする際も、砂糖の使用量には十分注意をしましょう。砂糖を一切使用せずに作れる献立を考えるのも意外と楽しいですよ。
 

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