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女性だけじゃない、男性の更年期障害「アンドロポーズ（男性更年期）」。気になる「中年の危機」との関係性は？

geefee ポイント

・男性の更年期障害「アンドロポーズ（男性更年期）」とは？
・テストステロンの低下だけが原因じゃないアンドロポーズ
・そもそもの要因が異なるアンドロポーズと中年の危機の関係性
・加齢と共に低下するテストステロン、成長ホルモン、メラトニンの上げ方

以前の記事でもお伝えした女性の更年期障害は、発症年齢が閉経期前後で比較的予測は付きやすく、症状や改善方法もある程度の情報は得ることができます。しかし、更年期障害は女性だけではありません。アンドロポーズもしくは男性の閉経とも呼ばれる男性の更年期障害は、中年期特有の心理的危機である中年の危機（midlife crisis）とも重なるためやや混同しがちに。今回は、特に中年男性やご家族に中年男性がいる人にも知ってもらいたいアンドロポーズにフォーカスしていきます。

アンドロポーズ（男性更年期）って何？

女性の場合、閉経を迎える前後10年間に更年期障害は発症しやすいと一般的に言われていますが、閉経がない男性の場合、男性ホルモンのテストステロンの低下に伴い40代後半から50代前半辺りの年齢で発症し始めると言われています。女性の急激なホルモンの低下とは異なり、男性の場合のテストステロンの低下は年に約2%未満と非常に緩やかなため、男性ホルモンの生産量の減少だけがアンドロポーズの原因になっているわけではないとも言われています^{[#]“The ‘Male Menopause.’” n.d. Accessed February 17, 2021. https://www.nhs.uk/conditions/male-menopause/.}。これについても後程説明します。

アンドロポーズの症状とは？

男性ホルモンバランスの低下、乱れが1つの要因となり発症するアンドロポーズの主な症状は^{[#]“The ‘Male Menopause.’” n.d. Accessed February 17, 2021. https://www.nhs.uk/conditions/male-menopause/.} ^{[#]Khosravi, S., H. E. Ardebili, B. Larijani, S. Nedjat, Nikbakht Nasrabadi A, M. E. Ardebili, S. Dabiran, and E. Samizadeh. 2015. “Are Andropause Symptoms Related to Depression?” Aging Clinical and Experimental Research 27 (6). https://doi.org/10.1007/s40520-015-0341-4. “The ‘Male Menopause.’” n.d. Accessed February 17, 2021. https://www.nhs.uk/conditions/male-menopause/.}

・気分のむらやうつ病
・筋肉量と運動能力の低下
・女性化乳房
・エネルギーや集中力、記憶力の欠如
・睡眠障害や不眠症

等が挙げられ、以前の記事でも掲載した女性の更年期障害の症状と類似していますが、閉経が伴う女性とは異なり、男性はアンドロポーズ発症後も生殖能力は保たれます^{[#]Therapy, Sottopelle®. 2015. “The Difference Between Menopause and Andropause.” May 15, 2015. https://www.sottopelletherapy.com/difference-between-menopause-and-andro....}。しかし、勃起不全を伴う性欲減退なども1つの症状。

テストステロンの低下だけじゃないアンドロポーズの原因とは？

上記で述べたように、男性ホルモンのテストステロンは、年齢と共に緩やかに減少するため、急激なホルモン分泌の低下は発生しにくい傾向にありますが、大豆製品^{[#] Nagata, C., N. Takatsuka, N. Kawakami, and H. Shimizu. 2000. “Relationships between Types of Fat Consumed and Serum Estrogen and Androgen Concentrations in Japanese Men.” Nutrition and Cancer 38 (2). https://doi.org/10.1207/S15327914NC382_4.}や植物油^{[#]Nagata, C., N. Takatsuka, N. Kawakami, and H. Shimizu. 2000. “Relationships between Types of Fat Consumed and Serum Estrogen and Androgen Concentrations in Japanese Men.” Nutrition and Cancer 38 (2). https://doi.org/10.1207/S15327914NC382_4.}などの食品や過度のアルコール摂取等がテストステロンの低下を誘発しアンドロポーズの発症原因となる可能性もあります。テストステロンに関する記事を参考にしてみてください。

しかし、年齢と共に低下するホルモンは性ホルモン（アンドロゲン）だけではありません。例えば、体のさまざまな機能をコントロールする成長ホルモンは、思春期後には10年ごとに14％減少^{[#] Sattler, Fred R. 2013. “Growth Hormone in the Aging Male.” Best Practice & Research. Clinical Endocrinology & Metabolism 27 (4): 541.}、睡眠をつかさどる睡眠ホルモンであるメラトニンも、思春期以降減少しはじめ70歳を超えるとピーク時の1/10にまで減少すると言われています。

アンドロポーズは、男性ホルモンの低下が原因であるように思われがちですが、こういったさまざまなホルモンの減少が引き金となり発症の原因となりうる可能性があると言われています^{[#]Morales, A. 2004. “Andropause (or Symptomatic Late-Onset Hypogonadism): Facts, Fiction and Controversies.” The Aging Male: The Official Journal of the International Society for the Study of the Aging Male 7 (4). https://doi.org/10.1080/13685530400016664.}。

アンドロポーズと中年の危機の関係性とは？

人生の折り返し地点である40代前後から60代の定年退職期くらいの中年期に発生しがちであるいわゆる中年の危機は、家庭、職場、家計、社会不安などさまざまな要因により引き起こされる不安障害やうつ病、またはそれらに付随したアルコール、ギャンブル依存症などのことを指します。アメリカの心理学者であるダニエル・レビンソンによると、男性の80％が中年の危機を迎える可能性があると考えています^{[#]“[Test of Daniel Levinson's Theory of Adult Male Life Stages].” n.d. Accessed February 17, 2021. https://journals.aom.org/doi/pdf/10.5465/ambpp.1979.4975859.}。しかし、この中年危機はホルモンバランスの変化といった生理的な原因ではなく、社会的要因による心理的ストレスが原因で、アンドロポーズとは根本的な原因が異なるとの見解もあります^{[#]Charlotte. 2019. “No, Male Menopause Is Not Just a Midlife Crisis: Your Guide to Andropause.” BodyLogicMD. February 5, 2019. https://www.bodylogicmd.com/blog/no-male-menopause-is-not-just-a-midlife....}。両者は混同されがちですが、関連はあるかもしれないものの別な現象を指します。ホルモン低下により引き起こされるアンドロポーズの症状が深刻な場合は、医師の診断のもとでホルモン補充治療などを受ける必要もあるかもしれません^{[#]Charlotte. 2019. “No, Male Menopause Is Not Just a Midlife Crisis: Your Guide to Andropause.” BodyLogicMD. February 5, 2019. https://www.bodylogicmd.com/blog/no-male-menopause-is-not-just-a-midlife....}。また、中年の危機の最悪なケースは自殺なども誘発する可能性があるため、根本的な問題や原因と向き合い改めて人生設計を行う等、ポジティブなマインドを持つように心がける必要があります。中年期を迎える多くの男性が向き合うさまざまな心理的及び生理的な問題を受け入れ１つ１つ対処していくようにしましょう。

テストステロン、成長ホルモン、メラトニンの上げ方とは？

年齢を重ねるとホルモンレベルが全体的に下がるのは生理的に一般的な現象ですが、アンドロポーズの要因となりうるテストステロン、成長ホルモン、メラトニンレベルの低下を防ぐことで男性がより健康的な生活を送るための手助けとなるでしょう。

テストステロン

【関連記事】「テストステロン値を向上させる方法、教えます！」

成長ホルモン

体脂肪を減らす^{[#]Veldhuis, Johannes D., Daniel M. Keenan, Joy N. Bailey, Adebordurin M. Adeniji, John M. Miles, and Cyril Y. Bowers. 2009. “Novel Relationships of Age, Visceral Adiposity, Insulin-Like Growth Factor (IGF)-I and IGF Binding Protein Concentrations to Growth Hormone (GH) Releasing-Hormone and GH Releasing-Peptide Efficacies in Men during Experimental Hypogonadal Clamp.” The Journal of Clinical Endocrinology and Metabolism 94 (6): 2137.}
三日間のファスティング^{[#]Kerndt, P. R., J. L. Naughton, C. E. Driscoll, and D. A. Loxterkamp. 1982. “Fasting: The History, Pathophysiology and Complications.” The Western Journal of Medicine 137 (5). https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/6758355/.}
精製された炭水化物や砂糖の制限^{[#]Lanzi, R., L. Luzi, A. Caumo, A. C. Andreotti, M. F. Manzoni, M. E. Malighetti, L. P. Sereni, and A. E. Pontiroli. 1999. “Elevated Insulin Levels Contribute to the Reduced Growth Hormone (GH) Response to GH-Releasing Hormone in Obese Subjects.” Metabolism: Clinical and Experimental 48 (9). https://doi.org/10.1016/s0026-0495(99)90130-0.} ^{[#]Greenwood, F. C., J. Landon, and T. C. Stamp. 1966. “The Plasma Sugar, Free Fatty Acid, Cortisol, and Growth Hormone Response to Insulin. I. In Control Subjects.” The Journal of Clinical Investigation 45 (4): 429.}
負荷が高めの運動^{[#]Pritzlaff, C. J., L. Wideman, J. Y. Weltman, R. D. Abbott, M. E. Gutgesell, M. L. Hartman, J. D. Veldhuis, and A. Weltman. 1999. “Impact of Acute Exercise Intensity on Pulsatile Growth Hormone Release in Men.” Journal of Applied Physiology 87 (2). https://doi.org/10.1152/jappl.1999.87.2.498.}
十分な睡眠^{[#]Honda, Y., K. Takahashi, S. Takahashi, K. Azumi, M. Irie, M. Sakuma, T. Tsushima, and K. Shizume. 1969. “Growth Hormone Secretion during Nocturnal Sleep in Normal Subjects.” The Journal of Clinical Endocrinology and Metabolism 29 (1). https://doi.org/10.1210/jcem-29-1-20.}
GABAやクレアチンなどのサプリメント^{[#]Powers, M. E., J. F. Yarrow, S. C. McCoy, and S. E. Borst. 2008. “Growth Hormone Isoform Responses to GABA Ingestion at Rest and after Exercise.” Medicine and Science in Sports and Exercise 40 (1). https://doi.org/10.1249/mss.0b013e318158b518.} ^{[#]Schedel, J. M., H. Tanaka, A. Kiyonaga, M. Shindo, and Y. Schutz. 2000. “Acute Creatine Loading Enhances Human Growth Hormone Secretion.” The Journal of Sports Medicine and Physical Fitness 40 (4). https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/11297004/.}

メラトニン

ブルーライトを避ける
慨日リズムを保つ
メラトニンサプリメント

【関連記事】「話題のメラトニンサプリ、その効果は本当？」

といった、地道なライフスタイルの改善が重要であり、質の良い食事、運動、睡眠を意識的に高めることはホルモンバランスを保つためのキーポイントとなります。心当たりのある人は生活習慣を見直してみてください。

まとめ～女性だけじゃない、男性の更年期障害「アンドロポーズ（男性更年期）」。気になる「中年の危機」との関係性は？～
急激にホルモンが低下する女性と比べて、比較的緩やかにホルモンが低下していく男性でも発症する可能性のある更年期障害のアンドロポーズ。中年の危機というアンドロポーズの症状と重なる心理的ストレスによる問題に直面する可能性のある中年期は、第二の思春期さながら精神状態が不安定になりますが、テストステロンや、成長ホルモン、メラトニンレベルを保つことで精神肉体ともに男性的な健康を保つのに有意に働きますので、意識的に筋トレ、適切な食事、良質な睡眠で体を整えるようにしましょう。

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レクチンとは？
そもそもレクチンとは何でしょうか？　レクチンはタンパク質の一種で、「糖鎖に結合活性を示すタンパク質（糖鎖結合タンパク質）」の総称です。細胞の表面の糖鎖に結合しやすいタンパク質という意味です。ほぼ全ての動植物にさまざまな種類のレクチンが何らかの形で含まれています[1]。

植物においては、レクチンは昆虫などから自らの身を守るための防備の手段として進化の過程で備わったものです[2]。人間が植物を食べる際、このレクチンが人間の健康に害を及ぼすことがあるのです。

人に害のあるレクチンを含む食材は？
健康への悪影響があるレクチンを多く含む食材には次のようなものが挙げられます。

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・穀類（特にフスマや糠など外皮部分）[4]
・ナス科の野菜（ナス、トマト、ジャガイモ、ピーマン、唐辛子など）[5]
・瓜類（キュウリ、カボチャなど。特に種の部分）[6]
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結構身近なものばかりですよね。生のトマトを食べると痒くなるのに、火が通っていると大丈夫、という人、結構いませんか？　これはレクチンに反応している可能性があります。どの種類のレクチンに反応するかは個人差がとても大きいので、一人一人ご自分の体に問いかけながら、苦手な食材を特定していく必要があります。また、場合によってはレクチンを含む食材にアレルギー反応を起こすこともあり、アレルギーテストで判明することもあります。

これらの食材をよく見ると、日本でよく「アクが強い」と言われる食べ物が多いと思いませんか？　この「アク（灰汁）」はいろいろな物質について使用されている言葉ですが、レクチンこそがこのアクの主要な正体の一つなのです。

レクチンが及ぼす健康への悪影響には様々なものがあります。以下、一つ一つ見ていきます。