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この季節に試してみる価値がありそう。抗菌、抗ウイルス作用のある天然ハーブ。
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この季節に試してみる価値がありそう。抗菌、抗ウイルス作用のある天然ハーブ。

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・自然の抗酸化剤、抗炎症薬としてアーユルヴェーダ医学で使用されているニーム
・抽出物やオイルなどの形で万能なオレガノ
・ニンニクの成分アリシンの効果的な摂取方法
・副鼻腔炎の症状を和らげる効果があるペパーミント
・サプリメントで上手に摂取したいベルベリン

 

紀元前から人類と共に試行錯誤されながら使用されてきたハーブ。現在でも美容や調理や リラックス効果、治癒目的等で多種のハーブが生活の1部として世界中で使用されていますが、中には先日掲載したワームウッドのように摂取することで効果の有効性が高い種類も。今回は、数あるハーブの効能の中でも注目したい抗菌性・殺菌性の高いハーブをご紹介します。

 

・ニーム(neem)

インドセンダンとも呼ばれるインド原産のニーム。このニームの葉に豊富に含まれるリモノイドという成分は、抗菌、抗ウイルス、抗寄生虫、抗炎症、抗発ガン性が高いと言われています[#]“Azadirachta Indica.” n.d. Accessed December 23, 2020. https://www.sciencedirect.com/topics/pharmacology-toxicology-and-pharmac.... 。また、このニームの葉に含まれている糖タンパク質は、マウスの研究によると、人の免疫システムに必要なT細胞を活性化し全身の悪性腫瘍である肉腫の成長を阻害する抗腫瘍免疫応答を活性化させることが報告されています[#]Osada, Manabu. n.d. “ニームの葉の糖タンパク質は、CD8(+)T細胞を活性化して、マウス肉腫の成長を阻害する治療的抗腫瘍免疫を促進します。.” Accessed December 23, 2020. https://bibgraph.hpcr.jp/abst/pubmed/23326300.

このニーム抽出物は、オイル、石鹸、クリーム等の塗布剤として使用され、ダニの一種がしつこく皮膚に寄生する皮膚病である疥癬を改善する程の作用があると言われています[#]Charles, V., and S. X. Charles. 1992. “The Use and Efficacy of Azadirachta Indica ADR (’Neem') and Curcuma Longa ('Turmeric') in Scabies. A Pilot Study.” Tropical and Geographical Medicine 44 (1-2). https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/1496714/. また、ニームオイルは、皮膚の老化症状である菲薄化、乾燥、シワなどを改善する可能性も[#]“Topical Application of Neem Leaves Prevents Wrinkles Formation in UVB-Exposed Hairless Mice.” 2017. Journal of Photochemistry and Photobiology. B, Biology 169 (April): 161–70. 。比較的安全なハーブと言われていますが、非常に強力な作用があるので使用時は必ず当該製品のメーカー推奨の使用方法を確認するようにしましょう。

また、ニーム茶は、自然の抗酸化剤、抗炎症薬としてアーユルヴェーダ医学で使用されています。非常に苦みが強く強力な成分が含まれているため、妊娠中や授乳中の女性、糖尿病などの特定の疾患を持っている人にはオススメできません[#]Goodwin, Lindsey. n.d. “What Is Neem Tea? Benefits, Uses, & Recipes.” Accessed December 23, 2020. https://www.thespruceeats.com/what-is-neem-tea-765165. 。長期に渡る高用量のニームの摂取による影響は十分に研究されていないので、注意しましょう。

 

・オレガノ

イタリア料理などでもよく使用されているオレガノ。ただの香辛料のような印象がありますが、免疫システムをサポートし毒素から体を保護するチモール[#]Castro, Ricardo Dias de, Trícia Murielly Pereira Andrade de Souza, Louise Morais Dornelas Bezerra, Gabriela Lacet Silva Ferreira, Edja Maria Melo de Brito Costa, and Alessandro Leite Cavalcanti. 2015. “Antifungal Activity and Mode of Action of Thymol and Its Synergism with Nystatin against Candida Species Involved with Infections in the Oral Cavity: An in Vitro Study.” BMC Complementary and Alternative Medicine 15 (1): 1–7. 、フリーラジカルによって引き起こされる損傷の改善を促進するロスマリン酸等[#]Bakota, E. L., J. K. Winkler-Moser, M. A. Berhow, F. J. Eller, and S. F. Vaughn. 2015. “Antioxidant Activity and Sensory Evaluation of a Rosmarinic Acid-Enriched Extract of Salvia Officinalis.” Journal of Food Science 80 (4). https://doi.org/10.1111/1750-3841.12837. 、さまざまな化合物が含まれ天然の抗生物質として体に有意に働くと言われるスーパーハーブです。中でも、抗菌作用を有するカルバクロールと呼ばれる化合物は、2017年の研究で、インフルエンザウイルスや呼吸器系ウイルスに対する抗菌、抗ウイルス効果があることが分かっています[#]Nostro, A., and T. Papalia. 2012. “Antimicrobial Activity of Carvacrol: Current Progress and Future Prospectives.” Recent Patents on Anti-Infective Drug Discovery 7 (1). https://doi.org/10.2174/157489112799829684.  [#]Han, Fei, Guang-Qiang Ma, Ming Yang, Li Yan, Wei Xiong, Ji-Cheng Shu, Zhi-Dong Zhao, and Han-Lin Xu. 2017. “Chemical Composition and Antioxidant Activities of Essential Oils from Different Parts of the Oregano.” Journal of Zhejiang University. Science. B 18 (1): 79.

オレガノはスパイスとして一般のスーパーなどでも比較的簡単に手に入れることができますが、オレガノオイル抽出物はカプセルや錠剤のような形でサプリメントとしても購入可能です。その他のオイルが配合された濃度の低いサプリメントも多く販売されているので品質には注意。また、鉄、銅、亜鉛などの吸収を妨げる可能性があるので、特にこれらのサプリメントとの併用は避けるようにしましょう[#]“Oregano.” n.d. Accessed December 23, 2020. https://medlineplus.gov/druginfo/natural/644.html.

また、喉などに吹きかけるスプレータイプのオレガノオイルも市販されています。喉の痛みや、咳症状等が軽減された研究結果もあるので[#]Ben-Arye, Eran, Nativ Dudai, Anat Eini, Moshe Torem, Elad Schiff, and Yoseph Rakover. 2010. “Treatment of Upper Respiratory Tract Infections in Primary Care: A Randomized Study Using Aromatic Herbs.” Evidence-Based Complementary and Alternative Medicine: eCAM 2011 (November). https://doi.org/10.1155/2011/690346. 、使用方法に十分気を付けて風邪の予防対策などに使用してみるのも良いかも。

また、皮膚に直接塗布が可能です。ニキビ、水虫、フケや歯周病、歯痛geefee point character  コメント 個人的な経験としては、ひどい歯痛でもう歯根を抜くしかないと歯医者に言われたものの、オレガノオイルを歯と周辺の歯茎に数日塗っていたら痛みが消え、通常の詰め物だけで済んだことがあります。これには歯医者も本人もびっくり。虫歯菌が参ってしまうくらい強力な抗菌作用があるのです。 、防虫剤としても効果の可能性が示唆されています[#]“Oregano.” n.d. Accessed December 23, 2020. https://medlineplus.gov/druginfo/natural/644.html. 。使用の際は、ココナッツオイルなどのキャリアオイルで希釈する必要があります。しっかりと使用方法を読むことを忘れずに。

 

 

・ニンニク

一般家庭やレストランなどでも多くの料理で使用されるニンニク。特にサプリメントのような形で抽出されたニンニクは、免疫システムの機能を高め[#]Josling, P. 2001. “Preventing the Common Cold with a Garlic Supplement: A Double-Blind, Placebo-Controlled Survey.” Advances in Therapy 18 (4). https://doi.org/10.1007/BF02850113. “Oregano.” n.d. Accessed December 23, 2020. https://medlineplus.gov/druginfo/natural/644.html. 、血圧を下げ[#]Ashraf, R., R. A. Khan, I. Ashraf, and A. A. Qureshi. 2013. “Effects of Allium Sativum (garlic) on Systolic and Diastolic Blood Pressure in Patients with Essential Hypertension.” Pakistan Journal of Pharmaceutical Sciences 26 (5). https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/24035939/. 、心臓病の危険因子でもあるトリグリセリドレベルを抑える等[#]Silagy, C., and A. Neil. 1994. “Garlic as a Lipid Lowering Agent--a Meta-Analysis.” Journal of the Royal College of Physicians of London 28 (1). https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/8169881/. 、さまざまな健康効果が期待できます。これらの効果の主要因として、ニンニクの成分の1つであるアリシンが挙げられます。カンジダ症を引き起こす真菌であるカンジダ・アルビカンスに対する抗真菌活性、腸内原虫寄生虫に対する抗寄生虫活性等、強い抗真菌抗寄生虫剤として作用することも分かっています[#]Ankri, S., and D. Mirelman. 1999. “Antimicrobial Properties of Allicin from Garlic.” Microbes and Infection / Institut Pasteur 1 (2). https://doi.org/10.1016/s1286-4579(99)80003-3. 。このアリシンは、植物が紫外線や害虫から身を守るために作るフィトケミカル。自生のニンニクには存在しませんが、ニンニクを刻んだり、すりおろしたり、砕いたりした際に生成され短時間しか存在しません[#]Borlinghaus, J., F. Albrecht, M. C. Gruhlke, I. D. Nwachukwu, and A. J. Slusarenko. 2014. “Allicin: Chemistry and Biological Properties.” Molecules 19 (8). https://doi.org/10.3390/molecules190812591. 。調理したてのニンニクを摂取するとよりアリシンの恩恵を得ることができます。

サプリメントでの摂取の場合、ニンニクのサプリメントでは十分な量のアリシンの摂取が期待できないので、アリシンが高用量含まれたアリシンサプリメントを選ぶようにしましょう。

 

 

・ペパーミント

お茶や抽出物で摂取できるペパーミントも、IBS(過敏性腸症候群)などの消化器症状の改善[#]Khanna, R., J. K. MacDonald, and B. G. Levesque. 2014. “Peppermint Oil for the Treatment of Irritable Bowel Syndrome: A Systematic Review and Meta-Analysis.” Journal of Clinical Gastroenterology 48 (6). https://doi.org/10.1097/MCG.0b013e3182a88357. 、片頭痛の緩和等[#]McKay, D. L., and J. B. Blumberg. 2006. “A Review of the Bioactivity and Potential Health Benefits of Peppermint Tea (Mentha Piperita L.).” Phytotherapy Research: PTR 20 (8). https://doi.org/10.1002/ptr.1936. のさまざまな健康効果が期待できますが、ペパーミントの活性化合物の1つであるメントールには高い抗菌性があり、ペパーミントティーは一般的な風邪の症状、鼻づまりなどの副鼻腔炎の症状を和らげる効果があると言われています[#]Rakover, Y., E. Ben-Arye, and L. H. Goldstein. 2008. “[The Treatment of Respiratory Ailments with Essential Oils of Some Aromatic Medicinal Plants].” Harefuah 147 (10). https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/19039907/.

また、ペパーミントオイルの吸入は、主に細菌やウイルス感染により発症する急性副鼻腔炎などの症状を緩和する効果も[#]Hamoud, R., F. Sporer, J. Reichling, and M. Wink. 2012. “Antimicrobial Activity of a Traditionally Used Complex Essential Oil Distillate (Olbas(®) Tropfen) in Comparison to Its Individual Essential Oil Ingredients.” Phytomedicine: International Journal of Phytotherapy and Phytopharmacology 19 (11). https://doi.org/10.1016/j.phymed.2012.05.014. 。細菌感染を防ぐペパーミントの抗菌効果は、風邪やインフルエンザの予防に有意に働く可能性があります。

ペパーミントティーは比較的安全ですが、胃食道逆流症(GERD)を患っている人は悪化する可能性があるので注意が必要です[#]Mirosław Jarosz, Anna Taraszewska. 2014. “Risk Factors for Gastroesophageal Reflux Disease: The Role of Diet.” Przegla̜d Gastroenterologiczny 9 (5): 297. 。また、ペパーミントオイルには有効成分が非常に濃縮されています。製品に記載されている推奨量を守り吸入量には注意をしましょう。

 

・ベルベリン

以前の記事でもお伝えしたベルベリンは、血糖値の低下、コレストロール値の低下や体脂肪の減少など多くの健康効果が期待できるスーパーハーブですが[関連記事:調合薬を超えたアンチエイジングサプリメント?天然由来のベルベリンが今米国で流行っている理由]、細菌の細胞膜の構造を損傷し、最終的には細菌を死滅されるほどの抗菌作用がある可能性が研究で分かっています[#]Peng, Lianci, Shuai Kang, Zhongqiong Yin, Renyong Jia, Xu Song, Li Li, Zhengwen Li, et al. 2015. “Antibacterial Activity and Mechanism of Berberine against Streptococcus Agalactiae.” International Journal of Clinical and Experimental Pathology 8 (5): 5217. 。また、マウスの研究では、マウスの肺内のウイルス複製を強く抑制したという結果も。インフルエンザウイルスを撃退する天然薬として機能する可能性が大いに期待されています[#]Wu, Y., J. Q. Li, Y. J. Kim, J. Wu, Q. Wang, and Y. Hao. 2011. “In Vivo and in Vitro Antiviral Effects of Berberine on Influenza Virus.” Chinese Journal of Integrative Medicine 17 (6). https://doi.org/10.1007/s11655-011-0640-3.

主な摂取方法はサプリメント。詳しい摂取量などは以前の記事を参考にしてみてください。

また、ベルベリンが成分に含まれた北米東部に自生する多年草のゴールデンシールも抗菌性と抗炎症性を有するハーブの1つ[#] Gurley, B. J., E. K. Fifer, and Z. Gardner. 2012. “Pharmacokinetic Herb-Drug Interactions (part 2): Drug Interactions Involving Popular Botanical Dietary Supplements and Their Clinical Relevance.” Planta Medica 78 (13). https://doi.org/10.1055/s-0031-1298331.  [#]Ettefagh, Keivan A., Johnna T. Burns, Hiyas A. Junio, Glenn W. Kaatz, and Nadja B. Cech. 2011. “Goldenseal (Hydrastis Canadensis L.) Extracts Synergistically Enhance the Antibacterial Activity of Berberine via Efflux Pump Inhibition.” Planta Medica 77 (8): 835. 。一般的な風邪を含む上気道感染症の自然療法として使用されています[#]“[The Common Cold: An Integrative Approach: A Natural Standard Monograph].” n.d. Accessed December 23, 2020. https://www.liebertpub.com/doi/abs/. 。このゴールデンシールはサプリメントや、ローション、スプレーなどさまざまな形態で販売されています。他のハーブと同様にさまざまな効果が期待できるので、使用用途にあった適切な製品を選ぶようにしましょう。

 

 

まとめ~この季節に試してみる価値がありそう。抗菌、抗ウイルス作用のある天然ハーブ。~
天然成分であるこれらのハーブには、抗菌、抗ウイルス効果が期待できますが、特に成分が凝縮されたエッセンシャルオイルは刺激が強く副作用を伴う可能性があるのでしっかりと製品の使用方法を確認し安全に使用するようにしましょう。風邪やインフルエンザが流行するこれからの季節、薬に頼らずハーブを上手に活用してウイルスや細菌を撃退できるかも。また、その他の感染症で悩まれていても、抗生物質の副作用が気になる方は、上記のハーブを一種類か複数使用することで改善が期待できる場合も多々あります。医者との相談も必要なものの、ネットで検索して当該感染症に有効性があるとされているハーブをサプリ形式で使用してみては?

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