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免疫力が鍵。3人に1人が発症する可能性のある帯状疱疹との向き合い方。
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免疫力が鍵。3人に1人が発症する可能性のある帯状疱疹との向き合い方。

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・熱や寒気、頭痛や倦怠感といった症状が出る帯状疱疹
・免疫力の低下は帯状疱疹の発症の危険因子
・注意したい精神的疾患などの合併症
・帯状疱疹に関連した食事やサプリメントとは?

 

ストレス、加齢、疲労等による免疫力の低下が発症の原因と言われている帯状疱疹。アメリカの記事では、コロナ禍の精神的苦痛、睡眠障害、うつ病などが帯状疱疹のトリガーになる可能性も示唆されています。日本では、80歳までに3人に1人が帯状疱疹を経験するというデータもあり、高齢化が進む日本では、誰もがいずれ発症する可能性が高い疾患の1つです。今回はこの帯状疱疹にフォーカスしていきます。
 

 

帯状疱疹とは?

体内の水痘(すいとう)・帯状疱疹ウイルスの再活性化によって引き起こされるウイルス性疾患である帯状疱疹は、過去の水疱感染後、脳神経の感覚神経節または後根神経節で休眠していたウイルスが、免疫力の低下等で再び活動、増殖し発症します[#]Nair, P. A., and B. C. Patel. 2017. “Herpes Zoster,” July. https://europepmc.org/article/med/28722854?client=bot. 。通常、体の片側に発疹が現れ胴体や首、時には顔やお尻にも赤い斑点や水膨れが発生します[#]Sampathkumar, Priya, Lisa A. Drage, and David P. Martin. 2009. “Herpes Zoster (Shingles) and Postherpetic Neuralgia.” Mayo Clinic Proceedings. Mayo Clinic 84 (3): 274. 。一般的な初期症状は、皮膚に起こる神経痛のようなピリピリした痛みと灼熱感。その後、水膨れを伴う赤い発疹が帯状に現れます。人によっては、熱や寒気、頭痛や倦怠感といった症状も。帯状疱疹として伝染性はありませんが、水痘帯状疱疹ウイルスが水疱が未発症の人に伝染するので、免疫力の低い妊娠中の女性や、子供への伝染には注意が必要です。

 

 

帯状疱疹の発症の危険因子は免疫力の低下

水疱にかかったことがある人であれば誰でも帯状疱疹を発症する可能性がありますが、ほとんどの場合、免疫力の低下が発症のトリガーになります。よって、発症のリスクは免疫力が低下する高齢者、特に50歳以上からが高く、HIV / AIDSや癌などで免疫力が低下している人もリスクが高まる可能性があります[#]“Shingles.” 2020. October 6, 2020. https://www.mayoclinic.org/diseases-conditions/shingles/symptoms-causes/.... 。しっかりとした免疫力を備えることで発症を防ぐことにも繋がります。

 

予防はワクチンのみ

帯状疱疹はワクチンで予防することができますが、2020年から新種のサブユニットワクチン(シングリックス®)の投与が開始されました。従来使用されていた水痘ワクチンよりも保護率、持続性が高く、アメリカのCDC(米国疾病予防管理センター)では、サブユニットワクチンの接種を推奨しています。このサブユニットワクチンに大きな副作用の報告は特にないとされています。アレルギー反応などの可能性もありますので、ワクチン接種は医師と相談することをおススメします。

 


 

 

帯状疱疹の合併症

帯状疱疹に関連した一般的な合併症はPHN(帯状疱疹後神経痛)です[#]Thyregod, H. G., M. C. Rowbotham, M. Peters, J. Possehn, M. Berro, and K. L. Petersen. 2007. “Natural History of Pain Following Herpes Zoster.” Pain 128 (1-2). https://doi.org/10.1016/j.pain.2006.09.021. 。これは、帯状疱疹が現れた体の部位で発生する長期的な神経痛で、アメリカのCDC(米国疾病予防管理センター)により帯状疱疹の発症患者の約10〜18%に発症し高年齢になればなる程リスクが高まると報告されています。痛みの種類や期間は人や年齢によって異なりますが、生活に支障を与えるほどの痛みや不快感によるうつ病など精神的疾患を伴う恐れもあるので、十分な睡眠はもちろんメディテーションやヨガなどを実践することで心のケアーも行うように心がけてください[#]Meize-Grochowski, Robin, George Shuster, Blake Boursaw, Michelle DuVal, Cristina Murray-Krezan, Ron Schrader, Bruce W. Smith, Carla J. Herman, and Arti Prasad. 2015. “Mindfulness Meditation in Older Adults with Postherpetic Neuralgia: A Randomized Controlled Pilot Study.” Geriatric Nursing 36 (2): 154. 。こういった合併症のリスクもふまえ、帯状疱疹の治療は必ず医師の指示に従うようにしてください。

 


 

 

食事やサプリメントで帯状疱疹と向き合う

帯状疱疹の発症の原因は免疫力の低下が大きく関連しています。よって、日常から免疫力を高めることを心掛ける必要があります。みなさんもご存じの通り、免疫力を高めることは、帯状疱疹を防ぐことに繋がるだけでなくその他の病気の予防効果も期待できるので、過去の記事を参考に免疫力を高める生活習慣を積極的に心がけましょう。

また、帯状疱疹が発症した際に、揚げ物、砂糖、精製された炭水化物などの一般的に言われている免疫システムを弱める可能性のある食事をはじめ、ウイルスの繁殖を引き起こす可能性のあるアミノ酸のアルギニンが含まれるチョコレートや、ゼラチンやナッツは避けるべき食品です[#]Griffith, R. S., D. C. DeLong, and J. D. Nelson. 1981. “Relation of Arginine-Lysine Antagonism to Herpes Simplex Growth in Tissue Culture.” Chemotherapy 27 (3). https://doi.org/10.1159/000237979.

逆に、必須アミノ酸であるリジンのサプリメントであるL-リジンは、口唇ヘルペスを緩和する働きを持つと言われています。口唇ヘルペスを引き起こすウイルスと帯状疱疹のウイルスは同じものであるため、帯状疱疹を緩和する可能性が示唆されていますが、帯状疱疹とL-リジンの直接的な研究結果はありません。しかし、L-リジンは、上記で述べたアルギニンをブロックする働きがあるため、特に副作用が報告されていないL-リジンのサプリメントの摂取は帯状疱疹のトリートメントの一環として適切だと言われています[#]Graedon, Joe, and Read Joe’s Full Bio. 2015. “Using L-Lysine Against Shingles.” January 12, 2015. https://www.peoplespharmacy.com/articles/using-l-lysine-against-shingles.

 

 

まとめ~3人に1人が発症する可能性のある帯状疱疹との向き合い方。~
自分は大丈夫だと思っていても、免疫力が低下した隙に襲ってくる帯状疱疹。その他の疾患の発症を防ぐ目的も含め免疫力を高めるように心がけることは最優先にすることで発症を防ぐことができます。3人に1人という非常に多くの人が苦しんでいるこの疾患が発症した際は、必ず医師の指示に従い、また、長引かせないように適切な食事と睡眠を心掛けてください。

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