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森林浴が今海外でブーム!?漠然としたイメージの森林浴を科学的に解説!
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森林浴が今海外でブーム!?漠然としたイメージの森林浴を科学的に解説!

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・海外で今話題の日本で生まれた森林浴
・ガン細胞やウィルス感染を発見し攻撃するリンパ球であるNK細胞を活性化
・フラクタル効果にも期待

 

木々や山々に囲まれた土地へ足を運び、なんとなく気分が良くなって癒される、、森林浴と聞くとそんな漠然としたイメージが思い浮かびます。1980年台に日本で生まれた森林浴は、日本人である私たちとっては特別な健康法という感じはしませんが、この森林浴によるリラックス効果が、実は今海外で健康志向な人たちの間で話題になっています。科学的データに基づいて解説されている「Shinrin-Yoku」と題された本が16か国で出版され、CNNやファッション誌をはじめ多くのメディアでも取り上げられ、時にはマインドフルネスと組み合わせて実践されています。今回は、科学的な根拠も多々あるこの森林浴の魅力に改めて目を向けたいと思います。

 

そもそも森林浴の定義って何?

排気ガスなどにより空気が汚染された都会から離れ、森林を歩いたり、樹木に触れることを森林浴と言います。木々の香りや森の音を聴くことでのリラックス効果、日常離れした空間での転地効果などが期待できると言われています。特に、木の種類や森林の規模などは定義されていませんが、遠い山奥へ行く必要はありません。身近な木々に囲まれている小道や公園でも効果があると言われています。例えば、都内であれば、代々木公園の奥の方へ進んでいくと、360度木々に囲まれたエリアがあります。そういった身近な場所でも森林浴は可能なのです。一方、森林浴の効果をフルに発揮させるには、やはり都会の喧騒から離れ、電磁波や公害も少ない地方の森林に越したことはありません。

 

NK(ナチュラル・キラー)細胞を活性化する森林浴!

さまざまな種類がある免疫細胞ですが、その1つにNK(ナチュラル・キラー)細胞があります。このNK細胞は、ガン細胞やウィルス感染を発見し攻撃するリンパ球で[#]Wu J E al.“Natural killer cells and cancer. ” n.d. Accessed December 4, 2019. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/14710949. 、三日間の森林環境の中の生活により、ヒトNK細胞数とヒトリンパ細胞内の抗ガンたんぱく質が増加したという研究報告があります。結果的に1日目に26.5%、2日目で52.6%NK活性が増強したのです[#]“森林浴がヒト NK(ナチュラル・キラー)細胞を活性化する!” n.d. Accessed December 4, 2019. http://www.rinya.maff.go.jp/puresu/h17-10gatu/1013-b1.pdf. 。これは、木や植物から放出され微生物の活動を抑制する作用をもつ化学物質フィトンチッドによる免疫システム機能の改善効果であると言われていて[#]武田, 淳史、近藤, 照彦「森林浴の健康増進効果」『リハビリテーションスポーツ』第28巻第1号、医療体育研究会、2009年6月30日、 30-35頁、 NAID 110007612600。 、病気の発症の予防効果があると結論付けられています。

この研究結果は海外でも多く取り扱われ、森林浴がただのレクリエーションではなく、健康法の1つであることが世界に広まるきっけかになりました。

また、ストレス軽減[#]宮崎芳文 森林浴 研究 、血圧を下げる効果の可能性[#]pubmeddev, and Et al Ideno Y. n.d. “Blood Pressure-Lowering Effect of Shinrin-Yoku (Forest Bathing): A Systematic Review and Meta-Analysis. - PubMed - NCBI.” Accessed December 4, 2019. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28814305.  [#] pubmeddev, and Et al Park BJ. n.d. “The Physiological Effects of Shinrin-Yoku (taking in the Forest Atmosphere or Forest Bathing): Evidence from Field Experiments in 24 Forests Across... - PubMed - NCBI.” Accessed December 4, 2019. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/19568835. 、気分の改善、副交感神経活動の増加及び交感神経活動の低下の促進[#]pubmeddev, and Et al Park BJ. n.d. “The Physiological Effects of Shinrin-Yoku (taking in the Forest Atmosphere or Forest Bathing): Evidence from Field Experiments in 24 Forests Across... - PubMed - NCBI.” Accessed December 4, 2019. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/19568835. 等の効果も分かっています。

 

 

携帯電話の電源を切ってEMFを断つ!

スマートフォンやパソコン、モバイル機器などあらゆるテクノロジーが現代の生活には溢れています。これらのテクノロジーから発生する電磁波であるEMFは、DNAと遺伝子を傷つけ、脳や神経、免疫システムにも悪影響を与えるのではないかと警鐘が鳴らされています。森林浴をする際は、携帯電話の電源をオフにし、EMFから体に休憩を与えてあげる絶好のチャンスです。

【関連記事】「電磁波が危険というのは本当? EMFから身を守る方法

 

森林に存在するフラクタルパターンのストレス軽減効果

幾何学の概念で、図形の一部分と全体が自己相似性を持ったフラクタルパターンが森林には多く存在します。このフラクタルパターンを見るだけで最大60%ストレスレベルが低下する、というにわかに信じがたいようなすごい効果が報告されています[#]Taylor, Richard P., Adam P. Micolich, and David Jonas. 1999. “Fractal Analysis of Pollock’s Drip Paintings.” Nature 399 (6735): 422. 。森林浴はフラクタルな観点からも効果が期待できると言えるでしょう。

【関連記事】「ストレスを軽減する、話題のフラクタルを体験!

 

 

 

現代テクノロジーに囲まれた生活を送っている私たちにとって、自然界に身を置くことは本能的に健康に良いと感じていても、なかなか時間をかけて実行する機会がありません。しかし、都心ですら木々に囲まれた安らかな場所は身近に存在し、また、電車に1時間でも乗れば、空気がきれいで緑に囲まれた土地はたくさんあります。より積極的に森林浴を意識して活用することで、ストレスの軽減だけでなく、免疫細胞も増強できると考えれば、この1時間の道のりも大したことはないのでは?また、ちょっと寒いかもしれませんが、お正月などで帰省した際など、森林浴を試す良い機会かもしれませんね!

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