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美しい “魅せバスト” を手に入れよう!魅せ胸(みせむね)ストレッチ&エクササイズ
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美しい “魅せバスト” を手に入れよう!魅せ胸(みせむね)ストレッチ&エクササイズ

 

残念ですが、太らずに乳房を“大きくする”ことは不可能かもしれません……。でも、太らずにバストを美しく“魅せる”ことは可能です。

みなさんは“乳房を大きくしたい”のでしょうか? それとも、“バストを美しくみせたい”のでしょうか? 今回は、多くの女性のみなさんが気にされているバストに関する簡単な知識を学びながら、美しい “魅せバスト” を手に入れるための運動をシェアします!

 

女性の乳房は胸の皮膚や筋肉から伸びる靭帯(じんたい)で吊り下げられている

女性の乳房は、主に”乳葉や乳腺”という赤ちゃんが飲むミルクを分泌する部分と、その乳腺を守るための”乳房内脂肪組織”という脂肪の集まりからなっています。そしてこの乳房は、表面の皮膚やその下にある筋肉(みなさんマッチョな上半身、腹筋の上にあって胸の前で左右2つに分かれている筋肉、”大胸筋” をご存知ですよね?)から “クーパー靭帯” という靭帯によって吊られています[#]Standring, S. Grey's Anatomy: The Anatomical Basis of Clinical Practice. The 40th ed. Edinburgh: Churchill Livingstone; 2008.

 

 

じゃあ、乳房の脂肪を増やして大胸筋を鍛えればバストは大きくなるの?

当然ながら脂肪や靭帯は筋肉とは違って、鍛えて大きくすることは不可能です。脂肪を増やすためには太ればいいのですが、「女性ホルモンの摂取などによって乳房に集中的に脂肪をつけることができる」といった情報は、その科学的な根拠が見つかっていないのが現状です。 

また、大胸筋には肩を内側に巻き込む働きと胸(専門的にいえば“胸郭 [ きょうかく]”)を前に引き下げる働きがあります[#]Neumann, D.A. Kinesiology of the musculoskeletal system: foundations for rehabilitation. 2nd ed. St. Louis, Mo: Mosby; 2010. 。この筋肉をストレッチをせずに鍛えすぎるとどうなるでしょうか?……はい、“猫背”の完成です。
 
猫背の原因は鍛えすぎだけではありません。長時間のスマートフォンやパソコンの使用など、現代社会には猫背の要因になることがたくさん[#]Janwantanakul P, Sitthipornvorakul E, Paksaichol A: Risk factors for the onset of nonspecific low back pain in office workers: a systematic review of prospective cohort studies. Journal of manipulative and physiological therapeutics. 2012; 35(7): 568–577. 。海外には下の画像のような人間の進化と退化を表している面白い風刺画もあるくらいです。

 

 

結果として乳房の位置は下がってしまい、 みなさんの美しいバストを台無しにしているのかもしれません。

 

じゃあ、バストアップって無理? いえ、違います! 

ここで少し視点を変えてみてはいかがでしょうか? この記事のはじめに“太らずにバストを美しく魅せることは可能”と書いています。

先ほど説明した大胸筋は胸(胸郭)の前側についています[#]河上敬介, 礒貝香. 骨格筋の形と触察法. 熊本: 大峰閣; 1998. 。つまり乳房はクーパー靭帯を通して筋肉に支えられ、その筋肉は胸郭を土台にしているわけです。女性の美しいバストは、

“乳房” ―“靭帯・筋肉による引き上げ” ―“胸郭のきれいな姿勢”

の3つからなっていたんですね。

では、脂肪を増やさず、筋肉を鍛えすぎず、バストを大きく美しく見せるためには? 

そうです、“猫背を治して胸郭の姿勢をきれいに”すれば、より美しい “魅せバスト”を手に入れることができるのです!

 

魅せ胸のための猫背改善ストレッチ&エクササイズ

猫背を改善するために必要なこととして、

  1. 胸の前についている筋肉をほぐす・のばす(2分)
  2. 胸をひらき、肋骨の動きを柔らかくする(1分)
  3. 胸のきれいな姿勢をキープするための筋肉を活性化する(1分)
    が挙げられます。これから1つずつシェアしていきましょう。

 

1. 胸の前についている筋肉をほぐす・のばす

猫背の原因の1つである大胸筋を柔らかくします。まず大胸筋のマッサージ(左右30秒)では、写真のように肘より先をテーブルの上に置き、胸の筋肉をリラックスさせます。脇の下に反対の手を入れて大胸筋をつかみ、そのままぐるぐると回すようにほぐします。徐々に胸にそって下に移動します。なお、写真は男性ですが、これは筆者ですのでご勘弁を(笑)。

 

 

次に大胸筋のストレッチ(左右30秒)をします。写真のように、肘を90度に曲げて壁に前腕を当てた姿勢をとり、首と体を上げた腕とは反対の方向に、胸をひらく感じでひねります。 

 

 

2. 胸をひらき、肋骨の動きを柔らかくする

先ほど紹介した胸郭には、胸椎と呼ばれる背骨、肋骨、胸の真ん中で肋骨をつなげる胸骨があり、何十個もの小さな関節でつなげられています。そして肋骨の間には呼吸をするために肋間筋と呼ばれる筋肉がついています[#]Lee, D. The Thorax: an integrated approach. 2nd ed. British Columbia: Diane G. Lee Physiotherapist Corporation; 2003. 。猫背だと前がちぢこまり、背中が丸くなった状態になっています。

 

胸をひらく運動(1分)を行うことで関節の動きや肋間筋の柔軟性を改善し、胸をしっかりと張ることができるようにしましょう。まずバスタオルをやや厚め・硬めに巻いて床に置きます。

 

 

次にバスタオルが胸の真ん中あたりで胴体と直角に交わるように両膝を曲げた姿勢で仰向けに寝ます。このとき腰はそった姿勢になりますが、痛めないように力を抜いてくださいね。 また、タオルを置く位置を上下に少しずつずらして全体を伸ばしてもいいと思います。

 

 

バスタオルの厚さは負担に合わせて調節します。両腕は肘を90度に曲げて両脇に広げます[#]Yoo, W.G. Effect of thoracic stretching, thoracic extension exercise and exercises for cervical and scapular posture on thoracic kyphosis angle and upper thoracic pain. Journal of physical therapy science. 2013; 25(11): 1509-1510. フォームローラーなどの道具をお持ちでしたら、そちらをご利用ください。

 

3.胸のきれいな姿勢をキープするための筋肉を活性化する(1分)

胸をしっかり張れるようになった後は、その姿勢をきれいに保つための筋肉を活性化させましょう。肩甲骨まわりの筋肉(大菱形筋や小菱形筋、僧帽筋と呼ばれる筋肉)の活性化は猫背を改善させるために必要です[#]Yoo, W.G. Effect of thoracic stretching, thoracic extension exercise and exercises for cervical and scapular posture on thoracic kyphosis angle and upper thoracic pain. Journal of physical therapy science. 2013; 25(11): 1509-1510.

このウィンギングエクササイズ(1分)では、胸のきれいな姿勢をキープするために必要な、肩甲骨の内側から背骨に向かって斜め上についている大菱形筋・小菱形筋、肩甲骨と背中の上半分を覆う僧帽筋を活性化させます。まず体の横で肘を90度に曲げたまま腕を外に開き、両肩を水平に挙げた姿勢をとります。手のひらは外に向けます。 

 

そこから、最初に左右の前腕を顔の前で合わせた後、両方の肩甲骨の内側を寄せるように最初の位置まで腕を広げます。 
 

 

 

その後、肘を伸ばしながら頭上で手の甲を重ねたら、再び開始の時の姿勢に戻ります[#]川野哲英. ファンクショナル・エクササイズ: 安全で効果的な運動・動作づくりの入門書. 東京: ブックハウス・エイチディ; 2004. 。 

 

 

 

このとき胸のきれいな姿勢はキープしながら、3秒で開始の姿勢に戻るようにリズミカルに繰り返します。意外ときつい運動ですので、1分間連続で行うのではなく、30秒ずつ2回に分けてもいいと思います。 

 

今回は、太らずに美しいバスト “魅せバスト” を手に入れるための運動をシェアさせていただきました。いかがでしたか? 女性のみなさんの美しさを楽にキープするため、さらにアップさせるために、“魅せ胸(みせむね)ストレッチ&エクササイズ” をぜひお試しいただければ幸いです。

 

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著者プロフィール

岡本 広満(おかもと ひろみつ)
理学療法士として7年間勤務した後、2016年より英国大学院へ留学、理学療法修士課程を修了。現在は整形外科病院に勤務しながら、理学療法に関する海外文献の翻訳や健康、美に関わる記事を執筆中。

 

 

 

 

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