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免疫力を高めるだけじゃない。さまざまな健康効果が期待できるβ-グルカン。
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免疫力を高めるだけじゃない。さまざまな健康効果が期待できるβ-グルカン。

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・免疫力を高める他にLDLコレステロール値を抑え、血糖値を下げる等さまざまな健康効果のあるβ-グルカン。
・β-グルカンの小じわの減少などのスキンケアへの有効性
・β-グルカンの摂取は、食事をはじめサプリメントから。

 

病気の予防や健康維持のために欠かせない免疫力。geefeeでは、さまざまな免疫力を高める方法に関する記事を何度か特集してきましたが、今回特集する水溶性食物繊維β-グルカンは免疫力の向上をはじめ、コレストロール値や血糖値にも好影響を与える可能性があるという嬉しい天然成分として注目が集まっています。インフルエンザや風邪が流行し始めるこれからの季節には、特に免疫力は意識的に高めたいところですよね。身近な食品にも含まれているこのβ-グルカンを深堀りしていきます。

 

免疫力を高めるβ-グルカン。その他さまざまな健康効果とは?

多糖類のβ-グルカンは1940年代にパンの酵母から発見された水溶性食物繊維の一種です[1]。体内では生成されないため、β-グルカンの摂取源となるパン酵母をはじめ、主にエリンギ、マイタケ、ブナシメジなどのキノコ類やオーツ麦や大麦などの穀物、海草類から摂取する必要があります[2]。このβ-グルカンの健康効果で最も注目されているのが免疫調節剤としての作用です。体内に侵入する細菌などの異物や病原体を撃退する免疫細胞のマクロファージを活性化し、免疫細胞を刺激、増殖させるタンパク質のサイトカインを放出するだけではなく、免疫をつかさどる白血球を活性化させる働きがあると言われています[3]。よって、免疫系の調節不全による喘息などのアレルギー性疾患にも有意に働く可能性があると言われています[4]。また、花粉症などの季節性アレルギーの症状の緩和にも効果がある可能性も[5]。

 

 

このように、天然物質の中で、免疫系での有意性が高いと言われているこのβ-グルカンには、その他以下のような健康効果が期待できると言われています[6]。

 

LDLコレステロール値を抑え心血管疾患のリスクを軽減。

血中脂質のLDLコレステロール値が高い状態は心血管疾患をはじめさまざまな疾患に関連するということは以前の記事でも特集しましたが、ある研究ではオーツ麦に含まれるβ-グルカンを1日3g摂取すると、HDLコレステロールを減少させることなくLDLコレステロールを減少させたという結果が報告されています。高用量の摂取では特に変化は見られないため、1日3gの摂取が適切ということがCDC(アメリカ疾病予防管理センター)でも推奨されています[7]。このLDLコレステロールを下げる有意性により、心血管疾患のリスクが軽減される可能性が示唆されています。
 

 

血糖値を下げる

糖尿病のリスク要因となる血糖値の上昇ですが、β-グルカンが食後の血糖値を下げる効果について研究で報告されています。これは、β-グルカンが、食事で摂取されたブドウ糖の消化・吸収を緩やかにする作用を持つため。血糖値の上昇及びその後の下降を緩やかにし、空腹感を軽減することで、間食などの食事の頻度も安定すると言われています[8]。上記で述べたLDLコレステロールを下げる作用と併せて2型糖尿病の予防にも有意に働く可能性も指摘されています[9]。
 

 

ガン細胞を抑制する可能性

感染症や病気などから体を保護する働きを持つ免疫機能。ガン細胞も異物として認識され免疫機能が働きますが、進行ガンである場合、体の免疫応答はガン細胞を破壊するほど強力ではないことがあります。β-グルカンの持つ免疫応答は、免疫細胞を活性化し、防御反応を引き起こす可能性があると言われています。よく、ガンにはキノコが効果的、ということを耳にしますが、このβ-グルカンの免疫応答が関連しています。ある研究では、β-グルカンを含む食事が乳ガンや胃ガンの発症を予防または進行を遅らせる可能性、また、キノコ由来のβ-グルカンと化学療法を併用することで胃ガンと結腸直腸ガンの治療に成功した例が示されていますが、β-グルカンのガンへの有用性はまだまだ研究段階。ガンの進行を遅らせたり、発症の抑止力の1つにはなりそうですが、治療や回復というレベルにはまだ到達していない現状があります。既にガンを患っている人は、あくまでも可能性の1つという程度と認識し過信しないことをおススメします。
 

 

高い保水性によるスキンケア

創傷や皮膚の炎症に効果があることが以前から報告されていたβ-グルカンですが、最近の研究では、オート麦β-グルカンが皮膚に浸透し、ヒアルロン酸よりも優れた保湿力があることが報告されています[10]。肌に水分を補給するだけではなく、水分を保持しコラーゲンの合成を促進する働きを持つβ-グルカンは小じわの減少に有意に働くという研究結果もあるためスキンケアへの有効性が期待できると言われています[11]。敏感な肌にも安全であると言われていますが、あまり日本では手に入らないため、米国のサイトのこういった商品を一度試してみるのもいいかも。

 


 

 

食事やサプリメントからβ-グルカンを摂取

冒頭で述べたように、β-グルカンは体内では生成されないため、食品もしくはサプリメントから摂取する必要があります。β-グルカンが含まれる主な食品は以下の通り[12][13]。

 

-100g中 %-
カワラタケ 46.5%
ハナビラタケ 43.6%
まいたけ 21.5 %
パン酵母 5%-7%
オーツ麦 4.5%-5.5%
大麦 4.5%

 

麦類よりもキノコの方が断然に含有量が多め。特に、カワラタケやハナビラタケには豊富なβ-グルカンが含まれていますが、スーパーなどでは安易に手に入らないため、以前のキノコの記事でもお伝えしたマイタケが現実的。積極的にマイタケを食事のメニューに入れてみるのも良いかも。また、パン酵母にも多少含まれていますが、β-グルカンの摂取目的でパンを食べるというのはお門違い。パンが与える健康へのマイナスインパクトに関する記事はこちらを参照ください。

 

 

また、容量を守れば比較的安全にサプリメントで効率的にβ-グルカンを摂取することができますが、現在抱えている疾患の治療目的などで使用するのは早計であるのと共に、専門家によっては、β-グルカンサプリメントの摂取は下痢や吐き気、嘔吐などの副作用が伴う可能性が指摘されています[14]。すべての人にとってサプリメントでの摂取が安全であるとは言い切れませんのでご注意を。まずは、マイタケなどを食事に取り入れることから始めてみてはいかがでしょうか?

また、こういったβ-グルカンの健康効果に伴い、β-グルカンが含まれた加工食品なども販売されています。でも、例えばこの商品には、増粘剤などとして使用されているプルランという食品添加物が、こういった商品には還元麦芽糖水飴やコーティング剤のシェラックが含まれていて、摂取したくない物質まで摂取することになるので、購入の際は原材料表示をしっかりと見るようにしましょう。
 

 

まとめ~さまざまな健康効果が期待できるβ-グルカン。~
マイタケなど意外と身近な食品に含まれているβ-グルカンの健康効果は、科学的な観点からみても期待はできそうですので、積極的に摂取をすることを検討しても良いかもしれません。でも、疾患の治癒目的でサプリメントに頼る場合は医者などの専門家の意見をしっかりと聞くようにしましょう。また、肌への浸透性が比較的最近報告されたため、まだあまり日本では話題になってはいませんが、スキンケアとしてのβ-グルカンの効果も試してみる価値はありそうです。
 

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