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連載コラム カナダ在住薬剤師が伝授!実践サプリ講座(11)オススメのオメガ3のサプリメント
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連載コラム カナダ在住薬剤師が伝授!実践サプリ講座(11)オススメのオメガ3のサプリメント

 

私が住むカナダではみんな驚くほど魚介類を食べません。アラスカサーモンなど本当においしい魚があるにも関わらず、ほとんどが肉食です。一方、こちらでは卵製品や牛乳などあらゆる食品にオメガ3を人工的に配合させ、オメガ3サプリメントも豊富。赤ちゃんのほとんどの粉ミルクブランドにはEPAとDHAが配合されています。

もともとオメガ3は青魚などに豊富に含まれており、典型的な和食を食べる日本人はオメガ3は十分に摂れているものなのですが、日本人のライフスタイルが変わり、食生活も西洋化するにつれ、意識してオメガ3を摂取しなければならない人たちが増えてきました。

 

幅広い効能が注目されるオメガ3

オメガ3はEPA、DHA、アルファリノレン酸などの脂肪酸の総称で、健康面で非常に重要な役割を果たしています。

オメガ3の現在研究されている健康的役割としては、
・血栓予防
・動脈硬化、コレステロール低下などの心血管器官への働き
・子供の脳の発育
・うつなどへの効果
・皮膚病に対する抗炎症
・認知症予防
などがあり、オメガ3は幅広い分野で研究者から注目されているのです。

 

 

オメガ3サプリメントの種類

さて、魚をあまり食べない北米ではオメガ3のサプリメントが豊富に流通しています。いくつかの種類に分類することができますので、順に紹介したいと思います。

  • フィッシュオイル
  • クリルオイル
  • ファーメンティッドコッドリバーオイル
  • 植物性のオメガ3

が主なものです。それぞれの特性は次の通り。

 

1)フィシュオイルサプリ

フィッシュオイルは魚油サプリともいわれ、イワシなどの魚が材料として使われます。オメガ3サプリの大部分を占めるのがこのフィッシュオイルサプリです。高級品と廉価品の価格差が大きく、安価なサプリは養殖ものの魚を使っているなど重金属含有の心配や酸化が進んでいる心配もあるので注意が必要です。一方、良質のフィッシュオイルサプリはこれらの問題が少ないだけでなく、人の水銀レベルの上昇を抑える働きもあるといわれているので、なおさら良質のサプリを選ぶことが重要になります。

 

2)クリルオイルサプリ

クリルとは小エビに似たオキアミのこと。日本では南極オキアミともいわれ、巨大なクジラの主な栄養源になっています。このクリルオイルのDHA、EPAはリン脂質という物質と結合しており、そのためDHA、EPAの体内への吸収がフィッシュオイルより良いと言われています。

またアスタキサンチンという強力な抗酸化物質が含まれており、健康への良い影響が期待できるとともに、サプリ自体を酸化しにくくする効果があります。ただし、クリルも甲殻類の一種ですので、甲殻類アレルギーの方は要注意です。
 

 

3)ファーメンティドコッドリバーオイル

「ファーメンティッド」とは「発酵された」という意味。「コッド」は魚のタラ。つまり、これは発酵されたタラの肝油のサプリです。日本でも肝油といえば明治時代より国産の肝油ドロップが発売され、昔の子供たちの栄養補給源として使用されてきました。肝油はオメガ3だけでなくビタミンDやAも含んでおり、目の健康維持のために北米でも昔から使用されていたサプリです。

ファーメンティッドコッドオイルはフィッシュオイルに比べるとDHAやEPAの含有量が少ないものがほとんどです。一方、肝油中のビタミンA含有量は豊富なので、オメガ3を多く摂取しようとして肝油を摂りすぎると、脂溶性のビタミンAも摂りすぎてしまうので注意が必要です。例えば、妊娠中の女性がビタミンAが摂りすぎると先天性奇形の発現率を高めてしまいます。そのため、オメガ3を重点的にとりたいのであればフィッシュオイルから摂った方がいいと思われます。
 

4)植物性のオメガ3サプリ

ベジタリアンやビーガンのための植物性オメガ3サプリも流通しています。種類としては亜麻仁オイルや藻類由来オメガ3オイルがあります。植物性オメガ3サプリの長所は魚に含まれる水銀などの重金属の心配がないことです。植物性のオメガ3である ALAを摂取することでうつ病発現の減少がみられるとの報告もあります。しかし、オメガ3の効用のほとんどはDHA・EPAがもたらし、摂取されたALAが体内でDHA・EPAに変換される量はほんの数パーセントのみ。そのため、オメガ3のサプリとしては得策でないと考えられます。

植物性のオメガ3として、藻類由来のサプリも販売されています。こちらにはEPAは通常含まれておらず、DHAのみなのですが、上記ALAサプリよりも断然おすすめ。欠点としてはとても高価なサプリだということ。藻類が育つ水質環境も気になるところでしょう。

 

サプリでオメガ3を摂るなら高品質なものを

それぞれのサプリの摂取量はメーカーや種類により差がありますので製品のラベルを参考にしてください。ちなみにアメリカ食品医薬品局では、現段階でオメガ3の上限摂取量を設定するのは難しいと前置きしつつ、サプリとして摂取する場合は1日に2000㎎を超えないように、としています。

いつでも栄養素は食事から摂る方法がベスト。その意味で、重金属汚染の恐れの低い、天然の小型青魚などを日ごろから食べるのがおすすめです(ただし、オメガ3はとても酸化しやすいので、グリルなどの高温調理や干物や新鮮でないものはむしろ体に毒と考えましょう)。

でも、それが難しければ良質なオメガ3サプリを摂るのも良い選択です。タイプとしてはフィッシュオイル、クリルオイル、藻類DHAのどれかが良いでしょう。酸化や汚染物質が混入しやすいオメガ3サプリですので、これらの弊害に対してしっかり対策を取っていることを明記した高品質な製品を選んでください。

【関連記事】「欠乏すると心と身体に大ダメージ!オメガ3の重要性と摂取法

【関連記事】「魚介類の食べすぎで体に水銀が蓄積!?そのリスクを避ける方法とは

 

著者プロフィール

-マイルバガナム-
2004年からカナダ在住。薬剤師として働いている二児のママ。複雑な家庭環境で育ったため、幼少の時から哲学、思想に興味があり、自分自身の心身を保つ為いつも心に栄養がいくような生活を送れるように意識している。身体と脳が喜ぶ食事に興味があり。自分でできる範囲のホールフーズダイエット実践中。

 

 

 

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