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添加物入りはNG。マルチビタミンサプリの選び方。
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添加物入りはNG。マルチビタミンサプリの選び方。

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生命を維持するために不可欠な栄養素であるビタミンは、細かく分類すると13種類存在します。人の体内では生成できないものがほとんどのため、食品などから摂取する必要があるがゆえに、ビタミンの摂取を促すサプリメントも多く販売されています。それらのうち、マルチビタミンさえ摂取しておけば、とりあえず必要なビタミンは全て補給できると思っている人も多いはず。しかし、マルチビタミンと称されたサプリなどの製品にはちょっとした落とし穴も。今回は、サプリメントを中心としたマルチビタミンにフォーカスしていきます。

 

そもそもマルチビタミンって何?

アメリカでは1/3以上の人が摂取していると言われているくらい人気の栄養補助サプリメントであるマルチビタミンですが[#]NIH State-of-the-Science Panel. National Institutes of Health state-of-the-science conference statement: multivitamin/mineral supplements and chronic disease prevention. Am J Clin Nutr 2007;85:257S-264S.  [#]Bailey RL, Gahche JJ, Lentino CV, Dwyer JT, Engel JS, Thomas PR, et al. Dietary supplement use in the United States: 2003-2006. J Nutr 2011;141:261-266. アメリカのAHRQ(アメリカ医療研究品質局)では、

「3種類以上のビタミンとミネラルを含むあらゆるサプリメント。ただし植物、ホルモン、医薬品を含まず、各成分量が食品栄養委員会(Food and Nutrition Board)が定めた許容上限以下」

と定義されています。これは、日本の厚生労働省でもそのまま引用されており、特に細かい定義は定められていません。よって、かなり幅広い種類のサプリメントが「マルチビタミン」として販売されているのが現状です[#]“The FDA’s Role in the Supplement Industry.” n.d. Accessed September 23, 2020. https://ritual.com/articles/the-fdas-role-in-the-supplement-industry.

 

添加物がたくさん入ったマルチビタミン風の製品。

さまざまな商品にマルチビタミンという名称が使用されていますが、実際にどのような原材料が含まれているのでしょうか?ここに1つの例をお見せします。

 

1日分のマルチビタミンパウダー

 

という水に溶かして飲むパウダー状の製品ですが、1日1回51gの摂取が推奨されています。原材料は以下の通り。

 

【原材料】
糖類(砂糖、ぶどう糖)、塩化Na/ビタミンC、クエン酸、クエン酸Na、香料、塩化K、乳酸Ca、ナイアシン、甘味料(アセスルファムK)、マリーゴールド色素、ビタミンB6

 

砂糖をはじめ、発ガン性の可能性、また脳機能の損傷の可能性が研究者の間で論争となっている人工甘味料のアセスルファムK[#]Karstadt, Myra L. 2006. “Testing Needed for Acesulfame Potassium, an Artificial Sweetener.” Environmental Health Perspectives 114 (9): A516. や具体的に何かよくわからない「香料」など、ビタミンを摂取するつもりが、結果的にその他食品添加物を毎日摂取することとなります。こういった健康リスクが懸念される人工甘味料などの添加物が入った製品は他にもありますので注意が必要です[関連記事:「シリコンバレー式」甘味料マップ~完全無欠甘味料で砂糖を断つ!]。

 

また、この製品から摂取できる栄養素は以下になります。

 

【栄養成分表示】1袋(粉末51gあたり)
エネルギー:180kcal たんぱく質:0g 脂質:0g 炭水化物:45g 食塩相当量:1.47g ナイアシン:16mg ビタミンB6:4mg ビタミンC:2、000mg クエン酸:800mg

 

この数字が果たして多いのかは一般の方にはなかなか判断がつかないところ。次のセクションで別の高品質のマルチビタミンのサプリメントと比較してみてみましょう。

 


 

 

高品質のマルチビタミンサプリメント

国内外で多くのマルチビタミンサプリメントが販売されていますが、質の良い製品かどうかの判断はなかなか難しいこと。アメリカのFDA監修のcGMP(製造品質管理基準)及びアメリカの製品試験、検査、認証機関であるNSF等、公的な機関の認定済みの会社による製品は比較的安全性が高いと思われ、まずはこれらの製品から見るのも良いでしょう。

これらの機関の承認済みのアメリカのサプリメント製造販売会社「Thorne Research」の製品と上記で紹介した日本製のマルチビタミンパウダーの栄養成分を比較してみましょう。

 

  Thorne Research(2錠あたり) マルチビタミンパウダー(1袋)
成分 ビオチン 500mcg/ホウ素(Glycinate Complex) 2mg/カルシウム 52mg/クロム(Nicotinate Glycinate) 400mcg/(Bisglycinate) 750mcg/葉酸(L-5-MTHF) 667mcg/γ-トコフェロール 24mg/ヨウ素 (Potassium Iodide) 75mcg/ルテイン (Aztec Marigold) 140mcg/マグネシウム (Bisglycinate) 20mg/マンガン (Bisglycinate) 3mg/セレン (Selenomethionine) 200mcg/ビタミンA (Beta carotene) 450mcg/ビタミンA (Palmitate) 600mcg/ビタミン B1 (Thiamin HCI) 50mg/ビタミン B12 (Methylcobalamin) 600mcg/ビタミン B2 (Riboflavin 5'-Phosphate Sodium) 12mg/ビタミン B3 (Niacinamide) 80mg/ビタミン B5 (Pantothenic Acid) 45mg/ビタミン B6 (Pyridoxal 5'-Phosphate) 20mg/ビタミン C (Ascorbic Acid) 250mg/ビタミン D3 50mcg/ビタミン E (d-Alpha-Tocopheryl Acid Succinate) 16.5mg/ビタミン K1 200mcg/ビタミン K2 (MK-4) 200mcg/亜鉛 (Bisglycinate) 15mg ナイアシン 16mg/ビタミンB6 4mg/ビタミンC 2000mg/クエン酸 800mg

 

Thorneの方が摂取できる栄養素の種類がはるかに多く、その配分についても綿密に考慮されていると思われます。このように栄養面からの差は歴然としています。また、このThorneのサプリメントの添加物は、ラウリン酸カルシウム、リン酸二カルシウム、ヒプロメロースカプセルと非常に少なめ。カプセルの中身のほとんどが栄養成分と言えます。

 

では、気になるのは値段。コストパフォーマンスはどうなのでしょう?
 

  Thorne Research マルチビタミンパウダー
値段 $32 ¥538
タブレット数 60カプセル(30日分) 51g×5袋
1日のタブレット摂取数 2錠 1袋
1回当たりの値段 $1程度 100円程度

 

1回あたりにかかるコストはほぼ同じです。米国の評判の良い大手のブランドのマルチビタミン製品だと、多くの日本の製品と比べて、同じようなコストではるかに多くの栄養素をより少ない添加物で摂取できます。毎日摂取するわけですから、なおさら低コスト高品質の製品は消費者にとって重要なこと。「マルチビタミン」や「1日分のビタミンが摂取できる」などと記された製品は、規制の定義があいまいな分、こういった質やコストの面で落とし穴が存在しがち。既に、マルチビタミンを摂取している人は、今一度製品の成分表をチェックしてみてくださいね。

 

マルチビタミンはどんな時に摂取?

サプリメントはあくまでも栄養補助剤。健康的な食生活を送っていればビタミンやミネラルなどの必要な栄養素はある程度摂取できますが、多くの種類の栄養素が含まれるマルチビタミンを摂取すると体内の栄養バランスが良くなる可能性もある一方で、場合によってはその配分が偏ってしまう可能性もあります[#]“Multivitamin/mineral Supplements.” n.d. Accessed September 23, 2020. https://ods.od.nih.gov/factsheets/MVMS-HealthProfessional/. 。過剰摂取でも問題のない栄養素もありますが、ビタミンAなどは骨折、先天性欠損症などのリスクがあります[#]“[厚生労働省 1-6 ビタミン].” n.d. Accessed September 23, 2020. https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10901000-Kenkoukyoku-Soumuka/00....  [#]Rothman, K. J., L. L. Moore, M. R. Singer, U. S. Nguyen, S. Mannino, and A. Milunsky. 1995. “Teratogenicity of High Vitamin A Intake.” The New England Journal of Medicine 333 (21). https://doi.org/10.1056/NEJM199511233332101. 。ビタミンB12やビタミンDが不足している高齢者や妊婦、菜食主義者のような特定の食品に偏らざるを得ない人などはマルチビタミンを摂取する利点はありそう[#]“Do You Need to Take Multivitamins?” 2019. Examine.com. September 17, 2019. https://examine.com/nutrition/do-you-need-a-multivitamin/. 。その場合、どうせ摂るなら添加物まみれのマルチビタミンに頼るのはNGですので品質にこだわりましょう。

 

 

まとめ~マルチビタミンサプリの選び方。~
こういった曖昧な健康補助食品やそれに近しい表現で販売されている商品は非常に多く存在します。栄養素やミネラルを摂取するのと同時に添加物もたっぷりと摂取してしまうことを避けるためには、消費者である私たちが、購入時に成分表などを確認し見極めていくしかありません。これはマルチビタミンだけではなくサプリ全体、更に言えば食品全体に言えること。購入前に注意深くチェックをすることをおススメします。

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