歯磨き粉に含まれるフッ化物
市販の歯磨き粉のフッ化物配合率は世界中で90%と言われており、ほとんどの歯磨き粉にフッ化物が入っていることがわかります[#]“フッ化物配合歯磨剤.” n.d. Accessed September 2, 2020. https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/teeth/h-02-007.html. 。しかし、ある研究では、フッ化物は虫歯予防には確かに有益ではあるものの、高濃度のフッ化物の摂取は有毒で、高レベルのフッ化物を含んだ製品の使用には注意が必要だということが示されています[#]Kanduti, Domen, Petra Sterbenk, and Barbara Artnik. 2016. “FLUORIDE: A REVIEW OF USE AND EFFECTS ON HEALTH.” Materia Socio-Medica 28 (2): 133. 。フッ化物は、空気中や水、食事など、生活環境に自然に含まれているため、正確な摂取量は生活環境によって個人差があり計測も困難ですが、ある研究によると副作用を引き起こすことなく虫歯を最大限に減らすことができるフッ化物の適正摂取量は、19歳以上の男性で1日に4mg、女性で1日に3mgとされています[#]Kanduti, Domen, Petra Sterbenk, and Barbara Artnik. 2016. “FLUORIDE: A REVIEW OF USE AND EFFECTS ON HEALTH.” Materia Socio-Medica 28 (2): 133. 。日本の場合、食品による摂取量が1日に0.4mg~1.8㎎、水道水による摂取量が1.6mg~3.0mg。市販のミネラルウォーターにもフッ化物は含まれています[#]“Recommendations for Using Fluoride to Prevent and Control Dental Caries in the United States.” 2001. August 17, 2001. https://www.cdc.gov/mmwr/preview/mmwrhtml/rr5014a1.htm. 。
また、歯磨き粉の種類によってフッ化物の量は変わってきますが、日本のフッ化物イオン濃度の上限が1,000ppmから1,500ppmに変更されたことによって[#]“[フッ化物配合歯磨剤に関する日本口腔衛生学会の考え方 ].” n.d. Accessed September 2, 2020. http://www.kokuhoken.or.jp/jsdh/file/statement/201803_fluoride.pdf. 、より高濃度の製品が販売されるようになっています。ある研究では、フッ化物を含まない歯磨き粉より、1000〜1250 ppmの濃度の歯磨き粉の方が虫歯の予防効果が増加、1450〜1500 ppmの濃度になると更に予防効果が増加することが分かっています[#]Walsh, Tanya, Helen V. Worthington, Anne‐marie Glenny, Valeria C. C. Marinho, Ana Jeroncic, and Cochrane Oral Health Group. 2019. “Fluoride Toothpastes of Different Concentrations for Preventing Dental Caries.” Cochrane Database of Systematic Reviews 2019 (3). https://doi.org/10.1002/14651858.CD007868.pub3. 。フッ化物は、口腔内での吸収は非常に低いため[#]“Estimation of Daily Fluoride Intake of Infants Using the Microdiffusion Method.” 2019. Journal of Dental Sciences 14 (1): 1–6 、飲み込んだりしない限り歯磨き粉やマウスウォッシュから摂取する確率は低いと言われています。ここで特に気を付けたいのは子供が歯磨き粉を飲み込んでしまうこと。甘い味の歯磨き粉をお菓子と間違えて子供が食べてしまうと、発育中の歯や骨に弊害をもたらすかもしれないので注意が必要です。
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