健康的な食生活を送るために、良質な食材を使って料理をすることを心がけている人も多いかと思いますが、使う食材と同じくらい健康にとって重要なのが調理法。せっかくしっかりと栄養素が含まれた献立を考えても、炒め物や揚げ物などの高温の調理法でどうしても発生してしまう有害物質によって逆効果になることも。毎日の食事だからこそ、できるだけ体に悪影響を与える食事は避けたいですよね。今回は、高温調理が体に与える悪影響をまとめてみました。
高温調理された食材により生成される有害物質
高温調理と言えば、揚げ物、炒め物や炙り調理、グリル、オーブン料理などが主流ですが、これらの調理温度は大体160℃から200℃以上。食材中の特定の成分が加熱されたことで起こる化学反応によって以下のような有害物質が生成されてしまいます。
炭水化物やタンパク質から生成されるアクリルアミド
120℃以上の加熱調理により、アミノ酸(タンパク質の構成要素)の一種であるアスパラギンと果糖、ブドウ糖などの還元糖(炭水化物)がメイラード反応という化学反応を起こし、化学物質のアクリルアミドが生成されます[1]。このアクリルアミドは、IARC(国際ガン研究機関)によって、「ヒトに対しておそらく発ガン性がある物質」と分類されている有害物質。神経毒性や遺伝毒性も指摘されています[2]。高温調理された野菜、ポテトチップスやクッキー、フライドポテトなどの市販の加工食品をはじめ、インスタントコーヒーやほうじ茶など高温で焙煎した食品などに含まれている可能性があるので、余程意識的に避けない限り、ほとんどの高温加熱された食品から私たちは毎日このアクリルアミドを摂取しているといっても過言ではないでしょう。